『シン・仮面ライダー』や『ウルトラマンアーク』などについての考察,2024年7月28日
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注意
これらの物語の重要な展開を明かします。特に、PG12指定の映画『シン・仮面ライダー』、『仮面ライダー THE NEXT』にご注意ください。
特撮テレビドラマ
『ウルトラセブン』
『ウルトラマントリガー』
『ウルトラマンアーク』
特撮映画
『ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』
『仮面ライダー THE NEXT』
『シン・仮面ライダー』
小説
『脳喰い』(小林泰三)
『AΩ』(小林泰三)
漫画
『真の安らぎはこの世になく シン・仮面ライダー』
『シン・仮面ライダー』漫画版の考察や予想
『シン・仮面ライダー』漫画版『真の安らぎはこの世になく』の展開が、本編に追いつきました。
幾つか分かったこととして、ここに挙げます。
ルリ子は自分達の生み出したバッタオーグがショッカーの下級戦闘員を殺す様子にたじろいでいたことが、漫画版では強調されています。
また、K.Kオーグはバッタオーグを「最新」と呼び、クモオーグでも勝つのが難しいと認めていたことから、本編で自分を「最新」と呼んだのが何らかの対抗意識だった可能性があります。
クモオーグがイワンに連絡し、あえて不利な戦いに向かったのは、イワンに「獣としての死に場所を求めている」と認識されて、クモオーグ自身も自覚があったようです。装置で洗脳を繰り返したのも、「自分の中の人間を追い出す」、つまり罪悪感が取り払えなかったのかもしれません。
皮肉にも、漫画版で緑川弘も、「罪の意識から逃れたい」と指摘されており、何かのきっかけで、あとで自分が役に立つはずのときでも自分を犠牲にしてルリ子を守ろうとしたことから、やはり「死に場所を探している」とみられます。
また、K.Kオーグは生まれながらの「隠密」で、クモオーグのように組織に入った事情は分からないものの、「緑川がムカつく」という感情はあるようでした。「裏切りは人殺しより悪、敵討ちは人助けより善」というのが、何を意味するかは分かりませんが。
さらに、本編で登場しないイワンが、直にクモオーグやK.Kオーグと話し、クモオーグを不利な戦いに向かわせるのをK.Kオーグに「許せ」と言うなど、それなりに部下への気遣いはあるようでした。
このまま本編を追い越して、続編にまで入るのかはまだ分かりません。
『ウルトラマンアーク』の予想
『ウルトラマンアーク』では、未知の要素による獣害、時間をかければ人類の通常の兵器でも超常的な相手に勝てるときもあること、AIの人間のような扱いが、『シン・仮面ライダー』に似ていると書きました。
『アーク』のAIのユピーは、分離出来ることが、『シン・仮面ライダー』のジェイからケイへのバージョンアップに似たものを感じます。
さらに『アーク』第4話では、かつて『ウルトラセブン』でガッツ星人に負けたウルトラセブンを復活させたエネルギー源の鉱石と同じ名前の「ダイモード」が、ネズミを変化させて怪獣にしています。
『シン・仮面ライダー』漫画版の獣害を起こしたのはショッカーのナノロボットであり、オーグメントとは少し異なるのですが、主人公に近いエネルギーや能力が獣害をもたらす意味で、『アーク』に似ているかもしれません。
なお、『仮面ライダー THE NEXT』でも、同名で別の世界観の「ショッカー」のナノロボットが、意図しない形で別の人間に被害を出しています。こちらではもはや心霊的現象に近くなり、その原理は誰にも分からないものでしたが、『アーク』のネズミが怪獣となったネズドロンも、どこからそのネズミが来て何故劇中の舞台の町に住み着いたか、体の大きさが変わっているような様子は何だったのかなどの不可解な点はまだあります。
『シン・仮面ライダー』本編の緑川イチロー=チョウオーグの目的は、全ての人間のプラーナ=魂を「嘘のつけない世界」に連れて行くことでしたが、その過程で体は安らかな笑顔になります。これは『ウルトラマントリガー』の主人公の目指す「世界中の人を笑顔にする」を強制的に実現するとも考えられます。
『トリガー』のウルトラマントリガーと、ウルトラマンアークはカラータイマーの形が似ており、何らかの関連も考えられます。
ウルトラマンアークの鎧などを、防衛隊のシュウが「貴重なデータ」とみなしており、「想像力を実現する」ウルトラマンアークの能力が、やがて歪んだ形で、「夢を叶える」ために利用されて暴走するかもしれません。
たとえば、『ウルトラマンガイア』劇場版のようにです。
また、小林泰三さんの『AΩ』では、地球の生命や人間の願いを凄惨な形のコピーとして実現する「影」が登場し、『脳喰い』では、人間の脳を善意で摘出して手術で融合させて仮想世界に連れて行く存在がいました。
『AΩ』終盤では、「ユートピアは実現しない。一人一人の理想が異なる限り、どのような世界でも不満は残る」とありました。
ウルトラマンアークの能力を、『シン・仮面ライダー』のチョウオーグのように、「想像力を解き放つ」ことで悪役が利用し、「世界中の人間の理想を実現してあげよう」という善意で被害を出すかもしれません。
参考にした物語
特撮テレビドラマ
野長瀬三摩地ほか(監督),上原正三ほか(脚本),1967 -1968(放映期間),『ウルトラセブン』,TBS系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),ハヤシナオキほか(脚本),2021-2022,『ウルトラマントリガー』,テレビ東京系列(放映局)
辻本貴則ほか(監督),継田淳ほか(脚本),2024-(未完),『ウルトラマンアーク』,テレビ東京
特撮映画
小中和哉(監督),長谷川圭一(脚本),1999,『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』,松竹(配給)
田﨑竜太(監督),井上敏樹(脚本),2007,『仮面ライダー THE NEXT』,東映
石ノ森章太郎(原作),庵野秀明(監督・脚本),2023,『シン・仮面ライダー』,東映
小説
小林泰三,2003,『目を擦る女』,ハヤカワ文庫(『脳喰い』)
小林泰三,2004,『AΩ』,角川ホラー文庫
漫画
山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社