催眠の理論付け -意識と無意識-
今回は、意識とか無意識とか催眠の理論について、わたしなりに書いてみようと思います。
※科学的根拠に基づいているわけではないのでご注意ください
DMで催眠でメスイキを目指すマゾさんの相談に乗っていると、
「催眠音声を聞いてもすぐに眠っちゃうから、自分は催眠に掛かれないのかと思っています」とか
「催眠に掛かるにはトランス状態にならないといけないから、リラックスしないといけないですよね?」とかいうのを、よくお聞きします。
ただ残念ながら、どちらも真実ではないんです。
今回は終始カタい話が続いてしまいますが、この記事を読んでくれることで、そういう思い込みから解放される手助けになれば、嬉しいです♡
無意識という操舵手、意識という船長
まずは、意識と無意識について考えてみましょう。
人間は、日常的に様々な動作を無意識的に実行しています。
たとえば、ある休日の朝――
朝目が覚めて、まぶたを開く、関節を動かす、筋肉を使って起き上がる…
時には、起きようと思っても体が動かなくて、すやすや二度寝をしちゃうこともあるかもしれませんね。
この時、その人にはどんな心の働きが関わっているでしょうか
起きようと思う自分の意思
意思に反して起き上がれない体、あるいは、意思の通りに起き上がる体
起き上がるという一連の動作を構成する、筋肉や関節一つ一つを動かす脳からの命令
少なくとも3層の自分がいるようです。
そのうち3番目は、より生理学的な働きだから一度置くとして、1番目を意識、2番目を無意識と呼んでも良いかもしれません。
別のたとえをするならば、大海原を自由に駆ける船があったとして、1番目が船長、2番目が操舵手、3番目が船そのもの、とも言えます。
船長は、周囲の景色や風の具合、操舵手の体調、船の損傷有無など、色んな要素でもって総合的に判断して、操舵手に船の進め方を指示します。
操舵手は、船長の意思の通りに船を動かして進めようとしますが、風の強さや船の具合などにより、うまく動かせなかいこともあります。
また、船長が疲れて判断を下せないときにも操舵手は船を進めなくてはいけませんから、舵輪を握ったままです。そんな時には、船は船長の思いもよらぬ方向に進んでしまっているかもしれません。
お風呂に入りたいけれど体が動かないとか、
寝ぼけていて、思いもよらない行動を取ってしまうとか
コックリさんで自分が動かしていないはずなのに、硬貨が動いてしまうとか…
こういった、自分の意思とは無関係に体が動いてしまう現象は、意外にも日常的によくあるものです。これは船と操舵手と船長のたとえを想像すると、理解しやすいかもしれません。
催眠にかかるとはどういうことか
次に、催眠にかかるとはどういうことか考えてみましょう。
催眠にかかっている時の掛かり手さんは、掛け手のことばがダイレクトに響いて、体や感覚の変化へと反映されています。
先ほどの船の例を使うと、
掛け手のことばが、直接操舵手さんへの指示になって、船を動かしている状態です。
ではその時、船長さんは何をしているのでしょうか?
休んでいる場合もあれば、掛け手のことばを積極的に受け止めて、よりわかりやすい操舵手さんへの指示に変えている場合もあります。
いずれにしても共通しているのは、掛け手のことばがダイレクトに自分に響くことを、掛かり手さんが許容しているからこそ、催眠にかかる、ということです。
意識レベルと催眠
次に、意識レベルについて考えてみましょう。
船の例を再び使うと、船長が元気で、快晴で見晴らしがよく、自由自在に船を動かせる状態が意識レベルが高い状態、
逆に、船長が疲れて、周りが見えず、船がなかなか進められなかったり、操舵手にまかせている状態が意識レベルが低い状態です。
意識レベルが高い状態は、たとえばこんな状態です
随意性が高い
相手の言葉を否定できる
思考力が高い
記憶力が高い
色んな判断軸をもって多角的に判断できる
逆に、意識レベルが低い状態は、その反対です
相手の言葉を否定するのが面倒くさい
思考力が低い
記憶力が低い
視野が狭くなる
そして、あまりに意識レベルが低いと眠ってしまいます。
意識レベルの低さと、催眠の掛かりやすさにはある程度の相関があります。
意識レベルが下がることによって、否定するための思考力が下がってしまっています。
人間は、否定するより、そのまま受け入れる方が楽な生き物ですからね
だから、意識レベルが低いほうが、より催眠に掛かりやすくなる、ということになります。
あるいは、掛け手のことばを受け入れることで自分が気持ちよくなる事を知っていると、自然に思考が止まってしまう…ことばをダイレクトに受け入れられるように、自ら意識レベルを下げてしまうんです。
そう、意識レベルを下げるには、リラックスだけじゃなく、色々な方法があるんですよ♡
あなたにもし、我を忘れて没頭したり、快楽に溺れて陶酔してしまう何かがあったら……きっと、意識レベルを下げるための手がかりになると思いますよ♡
ただ一つ、間違えてはいけないのは、意識レベルが低いからと言って、掛け手のことばをすべて受け入れるというわけではない、ということです。
意識レベルが下がっているときに相手のことばを否定するより受け入れる方が楽、とはいいましたけれど、受け入れて行動するより、すべて聞き流して何もしない方がもっと楽ですからね。
それが極まると、すべての外的刺激を聞き流す状態……眠りの状態へと移行します。
そうなるともう、催眠は掛かりません
繰り返しですが、催眠に掛かる時に重要なのは、意識レベルを下げてもいいって思えるほど、掛かり手さんが、掛け手のことばを受け入れていることです。
手固めで起きていること
それでは、今まで書いてきたことを踏まえて、催眠の現象を説明してみましょう。
まずは、一部の人からは導入的な催眠と言われている「手固め」ですが、意外と難しいことが起きています。
手固めの催眠誘導の流れをなぞってみましょう。
まずは掛け手は掛かり手さんとお話をして、掛け手のことばをちゃんと受け入れてもらえるように、関係を構築します
掛かり手さんに、拳をぐっと握ってもらい、その拳が石のように固くなることをイメージしてもらいます
掛け手は「3つ数を数えると、そのイメージが本当のものになる…拳が石のように固まり、自分の意思で開けなくなる」と告げます
掛け手が3つ数えて合図をすると、掛かり手さんの拳が本当に固まってしまったかのように開かなくなります
「次に3つ数えると、拳が開くようになりますよ」と掛け手が言い、3つ数えて合図をすると再び拳が開くようになります
当たり前の話ですが、拳が開かないのは掛かり手さん自身が力を込めて握っているからです。
ですが掛け手はあえて、掛け手の力もしくは超自然的な力によって手が固まるかのような誘導をし、掛かり手さんもそれを受け入れています。
この時掛かり手さんの中では次のような事が起こっています
掛け手のことばが操舵手さんにダイレクトに響くように関係を構築する
操舵手さんは掛け手のことば通りに拳を握る
船長さんは拳を握っているのを自分の意志によるものではない何者かの力と感じ、拳が開けなくなる
いわば、船長さんと操舵手さんの間で乖離が起こっているのが、手固めで起こっていることです。
手固めは人によって感じ方が異なります。本当に石のように感じられ固くなる人もいれば、開こうと思えばいつでも開ける気がするが、どういうわけだか開こうとはしない…なんて方もいらっしゃいます。
今回はそのうちの1ケースだけを説明しましたが、他のケースについても、同様に説明することができます
味覚変化で起きていること
次に、味覚変化の催眠について考えてみましょう。
といっても実は、理論を理解するという点においては手固めより味覚変化の方が簡単です。
なぜなら手固めと違って、味覚変化では船長と操舵手の乖離は起こっていないからです。
ただ逆に、味覚変化には手固めに無かった別の心理的はたらきを利用しています。
それは、人間が元来持っている思い込みの力です。
レモンや梅干しを想像すると唾が出てくるとか
写真のぼやけた点が幽霊の顔にしか見えないとか
自分がイカされる妄想をたくさんしているだけで、イキやすい体に自分を変えちゃっているとか…♡
人間は、心の中で強く想像した事が、現実にも反映されるかのように感じてしまうという、思い込みの力を元々持っています。
一言で言ってしまうと、味覚変化は多少意識レベルを下げて判断力を少し鈍らせた状態で、この思い込みの力を使って、味が変わっているように感じさせている、ということなのです。
手固めと、味覚変化
同じ催眠というカテゴリの中でも、実は全然違ったことが起きているんです
手固めが掛からないから味覚変化も掛からないんだ、なんて思い悩む必要はありませんからね♡
楽しめる催眠で、思いっきり楽しみましょう♡
まとめ
船長と操舵手のたとえを中心に、催眠に関する色々を理論付けしてみました。
催眠は、掛け手のことばが、直接操舵手さんへの指示になって船を動かしている状態
掛け手のことばがダイレクトに自分に響くことを、掛かり手さんが許容しているからこそ、催眠にかかる
意識レベルを下がるほど催眠に掛かりやすいけれど、関係を構築せずに意識レベルをただ下げれば良いわけでもないし、下げすぎると眠ってしまう
意識レベルを下げることよりも、ことばを受け入れやすくするために関係を構築することの方が、催眠にとっては重要
手固めや味覚変化は、同じ催眠というカテゴリだけれど起こっていることは全然違う
難しい話だったと思うので、ここまで読んでくださっただけでも感謝です♡
質問とか議論はTwitterのDMにてご自由にどうぞ♡
ここまで読んでくださって、ありがとうございました♡
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