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空と海に抱かれる旅
飛行機に乗り遅れた
羽田から八丈島へは1日3便、最も早い便は7時半だ。
早起きをして5時台の電車に乗り、バスで羽田に向かう。
平日は道路が混むことを知らなかった。
バスは20分近く遅れた。
ターミナル1の時点で保安検査の締め切り一分前。
ターミナル2に着いて人混みをかき分け、カウンターに着いたのは保安検査締め切り2分後。
後続の便に振り替えて頂き、なんとか移動は叶ったものの、5時間後となった。
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朝7時半、乗るはずだった飛行機の離陸を見届け、イノベーションシティから多摩川へと歩く。
カフェの営業も始まっていない。
しばらく撮り歩き、朝食を済ませて再び羽田空港へ。
チェックインを済ませ、ラウンジで仕事をこなし、ビールにワインにウィスキーでだらだらと過ごす。
定刻通りに搭乗開始。
2分の遅れが5時間を羽田で過ごすことになるとは。
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離陸。
直ぐにドリンクサービス。
直ぐに着陸態勢。
ダッシュで八丈富士に登頂
当初は、朝9時にはレンタサイクルを借りて八丈島を一周しようとしていた。
が、5時間遅れとなり、到着した時点で日が傾いていた。
空港を出てタクシーに乗り込み、八丈富士の登山口を目指す。
降車後、登山届を出し、YAMAPにダウンロードしてあった八丈島の地図を開き、登り始める。
ダッシュ。
前半の階段は脇のスロープを、後半は階段と砂利道を、とにかく走る。
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854m。
八丈富士はそこそこ高い。
走る、走る、とにかく走る。
登山口から撮影しながら30分、お鉢巡りの起点へ。
お鉢巡り開始
何度も来たけれど、好きな場所だ。
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空と海の境界線が曖昧な景色。
強風。
断崖絶壁。
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二重カルデラの外側を歩く。
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順光をを期待して旅程を組んだのに、完全に斜陽。
コントラスト強めだ。
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複数のグループとすれ違った。
お鉢巡りは順路と逆に歩いている人が多い印象だ。
自分も前回は逆回りだった。
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八丈小島や牧場を眺めながら、お鉢巡りをじっくり味わう。
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歩いているすぐ下は崖。
濃い影に深さを感じる。
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火山ということもあり、ゴツゴツした濃い色の岩を掴み、上り下りを続ける。
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カルデラの中にある池や木々を見下ろし、さながらドローン気分。
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360度、カルデラの中を見られるわけで、手付かずの自然を目の当たりにする。
日の光を求めて、無機質な岩に根を張り、土を育む木々。
お鉢巡り一周を終えて、来た道を戻る。
登山口から、宿がある底土港まで歩く。
854mをひたすら徒歩で下る。
星空を撮る
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宿で荷物を下ろし、三脚とカメラを担いで底土港へ。
日が暮れるのを、タイムラプスを撮りながら過ごす。
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星空がとてもクリアーだ。
光害の少ない場所だと実感。
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とはいえ、月が明るい夜だ。
日暮れから直ぐに、月が登り始めた。
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埠頭に人影は全く無い。
真っ暗、そこに多少のライト。
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月明かりが入り混まない南側を撮ってみる。
穏やかな海、灯台、無数の星。
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金星やたくさんの星々がいとも簡単に写る。
とても空気が綺麗な夜だ。
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底土港からは北側が海、南西側が八丈富士となる。
北側にレンズを向け、30分ほどインターバル撮影を試みる。
北極星と、日周運動の軌跡が撮れた。
30秒露光で30分ほど撮ったものを、Adobe Photoshopの比較(明)合成で重ねたのがこの写真。
元の写真をDaVinci Resolveで映像化したのが以下の動画。
少し歩いて開けた駐車場へ。
南西にレンズを向ける。
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これも同様にアニメーション化するとこうなる。
お気付きだろうか…
右下に流れ星が写っている。
先月、オリオン座流星群を撮ろうと深夜に2時間粘って1つだけ写ったことがあった。
今回は流星を狙わずして。30分で1個写せてしまった。
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冬になるにつれ、天の川が見えにくくなっていく。
この時期は八丈富士の真上〜右側に天の川が見える。
星々の動き、天の川の淡い光、それらが八丈富士の山頂に重なるように見えた。
旅の目的・帰路
飛行機に乗り遅れ、5時間ロスをしたのは痛かったものの、
今回の旅の目的は東海汽船の橘丸に日中乗ることであった。
大海原に出る、ぽつんと海の上、時間を感じようと。
竹芝から八丈への夜の便には何度か乗っているものの、夜の便は景色や食堂や甲板での過ごし方など…夜なりである。
今回は逆に、八丈から竹芝まで日中の便に乗りたかったのだ。
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宿を早くに出て、底土港へ。
まずは、青ヶ島へいくあおがしま丸の入出港を眺める。
いつか青ヶ島も行きたい。
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しばらくして橘丸が見えてきた。
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朝の日差しの中、入港・着岸する橘丸。
この後10時間お世話になる船は稼働しっぱなしだ。
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港で船を見ているとジェット機の音が聞こえてきた。
前日に乗るはずだった朝一の便、ANA1891便。
乗客よ、今日という日を有効に使ってくれ。
写真を撮るなら順光の内に頑張ってくれ。
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定刻通りに出向。
青空と(比較的)穏やかな海に抱かれて、黄色に緑の橘丸は進む。
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船に驚いたのか、ときたまトビウオが飛ぶ。
群れで飛ぶこともあれば、大きな一匹だけが飛ぶこともある。
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トビウオ、鳥よりも飛行機に似たシルエットだ。
飛ぶためのデザイン。
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御蔵島に入港する前後でレストランが昼の営業を開始。
アシタバカレーを頂く。
レストランの窓が円く可愛い。
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橘丸を含む、東海汽船の最近の船には「見えたらラッキー」なハートマークが描かれている。
描かれている場所は船内に案内があり、揺れを抑える減揺装置「フィンスタビライザー」だ。
フィンスタビライザーは湾外で速度を上げているときに水中で展開される翼のようなもので、波の下にある。
海の透明度が高く、上からの日差しが強いことに加えて、波が穏やかでないとなかなか見られない。
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PLフィルターの調整と連写でなんとか収めたフィンスタビライザーがこれで
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一眼よりもiPhoneで撮った方がくっきり見えるような…
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船は穏やかな海を安定してぐんぐん進む。
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船内の自販機はアルコールも売っているものの、免許証が必要だ。
自分は免許証を持っていないのでレストランでしか買えないという…
小笠原レモンのお酒を甲板で頂く。
海とレモン、爽やかでよい。
御蔵島の後、三宅島に寄り、多くの乗客を乗せ、一路竹芝へ。
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伊豆大島の手前で夕日となり、日没を眺める。
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日が傾いて、西の空に赤い太陽が見え始めてからタイムラプスを撮り始めた。
すとん、と日が沈み、1時間ほど薄明を眺める。
肉眼では色の変化に気付きにくい。
大島沖で日没、富士山のシルエットが移動していく。
撮り終えたのは浦賀水道。
遠くに三浦のマホロバマインズの緑の電飾が見えた。
東京湾で減速、ゆっくりと安全に右側の航路を竹芝に向け進む。
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途中、横須賀や横浜のビル群が見えた。
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湾内で波は低くはあるものの、海を割って進み風もあると潮が舞う。
気温と湿度にも影響され甲板は濡れていた。
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そして羽田沖。
着陸便が真上を通る、グライドスロープの下を通過する。
空港の灯りに、機体の影が浮かび上がる。
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この時間帯にイスラエルの邦人出国支援に動いた政府専用機も着陸したそうだ。
そしていよいよ都心が近付いてきた。
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竹芝に到着。
10時間の船旅をずっと5甲板・6甲板で過ごした。
食事
八丈島に到着してからは撮影に忙しく、夕食まで何も食べずにいらた。
最初の食事は宿の夕食で魚づくし。
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30キロ近く歩いた後ではちょっと足りない。
星景写真を撮る途中で、バーガー屋へ。
肉だけのバーガーを頂く。
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翌朝は宿で朝食を済ませて船へ。
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船上では昼食と夕食を頂いた。
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おわり
島はよい。
海はよい。
船はよい。
旅はよい。
波間に揺れる木の葉のように、いろいろな繋がりを一時遮断して、時間や風や波に身を任せるのも良いものだ。
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