鴨川と下鴨神社 / OLYMPUS XA & FUJICHROME Velvia 50 for Professional
レンジファインダーとリバーサルフィルム
京都に行く機会があった。
過去1年を振り返ると、3回ほど訪れている。
超小型レンジファインダーカメラである「OLYMPUS XA」を愛用している。
F・ZUIKO、6枚のレンズを使っているそうだ。(A=1, B=2, C=3…)
焦点距離は35mm、解放F2.8で、最新のデジタルカメラだとFUJIFILMのX100シリーズのような、明るめ標準レンズを備えたファインダー付きのカメラだ。
後継機種はレンジファインダーを廃してしまったし、Leicaなどはもっと大きい(そのぶん有効基線長が大きくとれる)ので、ポケットに入る「フルサイズ」というのは貴重だ。
しかも、レンズカバーを開くと撮影状態になるあたりは、Sony Cuber-Shot U10 (DSC-U10) のようだ。
フィルムは年々値上げが続き、2023年はついに富士フイルムのフィルムが製造困難で入手できなくなりつつある。
ましてリバーサルフィルムは風前の灯火のような状況で店頭で入手することができなくなってしまった。
今回は昨年末にカメラに入れたままになっていたものを現像したのだった。
こうして細部まで見えると、改めてリバーサルフィルムが好きだ、と思った。
彩度が高めで、透過光で見る絵は、
小さな枠の中に、美しいと感じた瞬間をぎゅっと閉じ込めたようだ。
あの場から世界を薄く一枚だけ剥ぎ取って持ち帰ったような感覚。
その薄い一枚を光に透かして見ると、その場に戻れるような、
複製を超えた何かがあるようでワクワクする。
デジタル化
現像から戻ってきたポジはスライド枠に入れずスリーブで受け取った。
長期保管する設備もスペースもなく、もとからデジタル化することを念頭にしていた。
デジタル化はデジタルカメラで行った。
使ったのは以下の道具たち。
iPad Pro 11インチ
Nikon Z6II + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
写真立てから抜き取ったガラス板 x 2枚
ガラス板をiPad上に浮かせるスペーサー(家具の脚用クッション)
三脚
ガラス板の1枚にスペーサーを取り付ける。
iPadのNight ShiftやTrue Toneを無効化し、バックライトを最大輝度にする。
スペーサーを付けたガラス板をiPadの上に乗せ、ガラス板上にフィルムを乗せる。
そしてもう一枚のガラス板でフィルムを挟み込み平滑さを得る。
カメラを三脚にセットし、水準器や格子線を活用してフィルムとセンサーを平行にする。
露出をマニュアルで調整しながら、RAWでひたすら撮る。
その後、Lightroomでゆがみを補正する。
写っている写真ではなく、パーフォレーションを目印に調整した。
等倍マクロであればクロップする範囲も小さくて済むのだが、24-120mm F4も0.4倍ほどで写せるので十分ではないだろうか。