いつかのSaigon / Leica M9-P + Nokton 50mm F1.2 Aspherical
好きなことに囲まれて
ベトナムが好きだ。
中でも南部のホーチミンシティ、特に旧サイゴン界隈は足繁く通った街だ。
Leicaが好きだ。
M9-P、コダック製CCDセンサー、フルサイズ、控えめなブラックペイント。
絞り開放で甘くぼかすのが好きだ。
Noktonの薄いピント面も正確な距離計でしっかり使えば簡単にピント合わせできる。
アルバムを掘り返す
この朝の景色、写真で見ても当時のすがすがしさや、肌にまとわりつく湿気を思い出せる。
伸びすぎたマロニエ、よく手入れされた草、自由な人々…
1ヶ月前後の滞在を何度もしていたので、あるサービスアパートメントを定宿にしていた。
朝この道を歩いてフォー屋で朝食を済ませ、そのままジムで体を動かす。
そしてVincom Centerのレンタルオフィスでちょっと開発する日々だ。
サイゴンは東南アジアを周遊するのに便利な立地だ。
南にシンガポールやジャカルタ、北東に香港、北西にバンコク、お隣はカンボジアでアンコールは近い。
これらの都市をマッピングするとその中心にサイゴンがあると思っている。
ティエンハウ寺は航海の神様が祀られているそうだ。
旅行や日本への一時帰国(と思い込んでいる)の前によくお参りしていた。
ベトナムのカフェ文化は興味深い。
カフェがとても多い。多すぎる。
住宅街にも何件もある。
それぞれ趣向を凝らした内装が個性的だ。
メニューがだいたいどれも甘いので歩いた後には嬉しいが、何件もはしごするには辛い。
長く滞在してお喋りしたり勉強する場所なのだと思う。
市内の徒歩で行かれるところに動物園があり、小型の動物と、クマ、カバがいる。
網や柵だけの開放型の展示だけだ。
寒いところの生き物はいなかったと記憶している。
動物園は定番デートコースのようだ。
そこそこ大きなカフェは半開放型で、屋外のテラスが充実している。
ソナタカフェは樹木とテラスが入り組んで、広く開放的だ。
週末はピアノやバイオリンの演奏があり、月曜に向けての充電の時間になった。
変化の速い街に取り残されてしまう
コロナ禍や円安、日本での仕事の忙しさでサイゴンに帰れない時間が長い。
ネットでは新しいビルや飲食店の開業のニュースを見るし、友人達の日々の投稿からは街の構造が変わっていること、流行が移り変わることを知る。
2週間離れたら道が分からなくなるほどに開発ペースが速い街だ。
もう戻れないのではないかと、過去に取り残されているのではないかと不安になっている。
帰らなければ。