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「Ready for AppleVisionPro」イベントレポート

この記事は、「MESON Apple Vision Proアドベントカレンダー # 2」12日目の記事です。前日の記事はこちら

2024年7月3日(水)、Apple Vision Proの基礎から応用まで深く学ぶことができるエントリーセミナー「Ready for Apple Vision Pro」を開催いたしました。
この記事ではイベントレポートとして、概要や参加いただいた皆様の声、一部コンテンツをご紹介していきます。


『Ready for Apple Vision Pro』とは

Apple Vision Proのスペックだけではなく、実際のユースケースや他デバイスとの違い、実際の開発を通して得た独自のナレッジ等を知っていただくことで、Apple Vision Proを事業活用するイメージをより明確に持っていただくことを目的とした事業者/ディベロッパー向けのエントリーセミナーです。

開催趣旨

当記事をご覧の方はご存知かと思いますが、Apple Vision Proは、Apple Inc. が2024年2月2日にアメリカ合衆国で発売を開始した新たな空間コンピューターです。Apple Vision Proは、現実空間にデジタルコンテンツをシームレスに融合させ、操作方法は非常に直感的であり、これまでのAR/VRデバイスと近しい形状をしていますが、設計思想やできることは全く異なります。

2024年6月11日(火)開催の「2024 Apple Worldwide Developers Conference(WWDC)」にて発表されたApple Vision Proの日本市場発売を機に、この先の普及が予測される空間コンピューティング技術、およびApple Vision Proの基本情報や活用方法について学ぶことができるオンラインセミナーを提供する運びとなりました。

イベント概要

日時:2024年7月3日(水) 15:00〜18:00
形式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
セッション内容:
・Apple Vision Proの基本概要
・Apple Vision Proと他デバイスの決定的な違い
・Apple Vision Proに対する評価
・Apple Vision Proで利用できるアプリ
・Apple Vision Proのアプリ開発における知見
・空間コンピュータがもたらす未来
・質疑応答

セミナー講師

小林 佑樹 MESON CEO/Co-Founder 東京大学大学院卒。学業の傍ら、在学中はいくつかのスタートアップでエンジニアとして開発プロジェクトに携わる。大学院卒業後、MESONを共同創業。 エンジニアのバックグラウンドを活かしながら空間コンピューティング技術を活かしたプロジェクトのプロデューサーを務める。 WWDC2023にて日本人デベロッパーとして、世界で初めてApple Vision Proを体験する日本人に選ばれる。2024年3月に中国北京で開催されたApple Vision Proのデベロッパーカンファレンス「Let's visionOS」に登壇者として招致される。

セッション内容

Presentation  document

実際のセッションでは、150ページを超えるDocumentationを用いて、Apple Vision Proの基礎知識から最新の技術要件、当社の開発事例、空間コンピュータがもたらす未来予想まで、幅広くお伝えさせていただきました。
セミナー後アンケートの中で「最も参考になったセッション」として下記
2点を多くの方が挙げられていたことから、世の中にすでに出ているような既知の情報ではなく、実際にこのドメインで取り組んでいる企業目線ならではのアウトプットに価値/興味を感じていただいたことが伺えます。

  • Apple Vision Proのアプリ開発における知見

  • 空間コンピュータがもたらす未来

弊社が開発したVisionOS向けアプリケーション「SunnyTune」
MESONが予測する6つの未来

セミナー参加者属性から読み解く動向

約3時間にも及ぶセミナーにも関わらず、計110名の方にご参加いただきました。
参加者の皆さまは、主に新規事業開発や研究開発に携わる企業の担当者の方が多く、参加企業数は43社にのぼります。業界は多岐にわたり、企業規模としては約8割以上が従業員数1,000名を超える大企業という結果となりました。

本セミナーに限らず、日々さまざまな企業の皆さまとディスカッションさせていただいておりますが、Apple Vision Proの日本市場参入によって、これまでこの領域/技術に対して、懐疑的または慎重な姿勢を取られていた企業の変化を強く感じます。以前に弊社COOが執筆した記事の内容の引用ですが「予測」ではなく、「事実」に向かって動き始めていることを実感します。

では、Apple Vision Proという新たなインターフェースの登場に対して、日本の企業はどのように向き合うべきでしょうか?

弊社は、国内リーディングカンパニーと共に空間コンピューティング技術のR&D及び事業開発を行っている会社であり、その特性上、さまざまな大企業の皆さまとディスカッションする機会が多くあります。
この未知数なビジネス機会に持続的に取り組み続け、一定の成果を出している企業の特徴として「長期、積立、分散」という共通点があるのではないかと考えています。金融投資の三大原則と同様です。(金融投資のそれとは構造や背景は異なります。)

短期ではボラティリティが大きく、中長期では市場成長の可能性が高いこの領域では、長期的な視点を持ち投資継続しつづける前提で
取り組みによって得られたアセット(知財、人材、データ等)を積み立て、
事業投資の矛先にメリハリをつけてリスク分散する

という向き合い方が有効ではないでしょうか。
逆に、「トレンドに乗じ、数千万円を投じてメタバース空間・体験を外部委託で構築したが、出口戦略が不在で、社内で失敗の烙印を押される」的な事例が大企業においても直近2-3年間で多く見られたのではないかと思っています。(決して、メタバースという概念を否定しているわけではありませんので悪しからず)

また、投資規模が事業成長を決定づけるビジネスモデルでない限りは、取り組み開始時点で大きな予算を確保する必要はありません。
前述の「長期、積立、分散」という考えに習えば、むしろサステナブルな予算設計にすべきです。
数千万円の予算獲得はすぐに出来なくとも、専任チームもしくは個人にミッション設定してプロジェクト化することは難しくないのではないでしょうか。
そのプロジェクトでの検討を以て「いつどのような状況になれば、事業参入・テクノロジー導入する」といったような見解をぜひ持って頂きたいと考えています。

iPhone/iPadがそうであったように、僅か数年で毎年数千万台が出荷されるような急速な進化を遂げる可能性は十分にあります。日本の大企業の力は今でも強大です。
ビジネスにおいては参入タイミングが極めて重要ですが、「やらない後悔よりやった後悔」「遅すぎるよりも早すぎる」の精神で、ぜひ向き合って欲しいと思います。

https://note.com/shoma_ichikawa/n/n0fca590890ee

今後の展望

本セミナーは、空間コンピューティング技術を事業活用するイメージを伝えることを目的に開催いたしました。結果として、参加者の皆さまからのフィードバックも想定以上にポジティブな反応が多く、次回開催はより実用に向けたトピックに重点を置いて実施する予定です。
一方で、世の中的には"単なるテックトレンド"として認識されている比率が高いこともまた事実です。我々の掲げているミッションである「空間コンピューティングを、型破りなスピードで世界へ拡げる。」を実現すべく、今後も空間コンピューティング技術を活用したプロダクト共創を推進し、取り組んでいきます。

最後に

弊社は空間コンピューティングの社会実装に取り組む会社です。
Apple Vision ProをテーマにしたR&D/事業開発に興味関心のある方、お気軽にご連絡ください!

❏ SunnyTune × Peridot(Nianticさま)

❏ 3Dモデルビューワーアプリ開発(東京ガスさま)

❏弊社コーポレートサイト

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