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出雲旅行に行く前に地元民が伝えておきたいこと

縁結びブームが一段落しても出雲に旅行に行きたいだなんて・・・ありがてぇ皆様。まずは感謝。でも地元民として伝えておきたいことがあるから、ぜひ聞いてから行ってほしい。


1.出雲そばを食いたいなら水・木曜日を避けろ

もうホント申し訳ない。なぜかはわからんが地元で有名な蕎麦屋って水・木曜日休みが多いんだ。特に出雲大社周辺。ガイドをやってた頃は申し訳なさすぎて辛かった。行きたい店があるなら必ず定休日は確認してほしい。

あと・・・夕方16時以降に観光名所近辺の店は開いてねぇ!!
これは島根だけじゃなくてどこに旅行するときも注意してくれよ!

そのへんの居酒屋か駅前に行けばなんとか食べられるかも。

夜も営業している店をいくつか載せておく。

『手打そば大正庵』11時~21時 出雲大社の大鳥居の近くにある老舗

『ほしえん』18:00~翌1:30 駅前の最終手段

『献上そば羽根屋本店』11時~19時(15時~17時休み)超有名店

『そば処・喜多縁』11:30~14:00、17:30~20:00 ※かなり遠い


2.地元民のおすすめが美味いとは限らない

気持ちはわかるんだよ。観光客向けじゃなくて、地元に愛される味が食べたいってのは。でも観光客向けの店があるのにもそれなりの理由がある。

まず、出雲蕎麦と関東の蕎麦は求めている味が違う。出雲蕎麦はよく言えば「野趣あふれる味」。転じれば皮の香りが強い田舎っぽい蕎麦とも言える。

確かに地元で長く愛されるそば屋はあるが手打ちで太さがバラバラだったり、出てくるのがおそかったり、量が少なかったり、日によって料理人が違うから味が変わったり・・・。そんな理由から旅行客におすすめして「微妙」って言われたら傷つくから言わない地元民の気持ちがある。

それでも地元民が多い店を載せておく。
『田中屋』『平和そば』『荒木屋』は有名なのでガイドブックを見てくれ。

『大梶』 旧大社駅前の店

『出雲そば かねや』 地元民で超満員

『手打ちそば 風月庵』 ラーメンも美味い

地元民にも他県民にも人気のある店はこちら。

『そば処 神門』11:30~15:00、17:00~20:00 県外ファン多し


3.博物館に行くなら強い意志を持て

「コインロッカーがあるから博物館で30分ほど知識を入れて~出雲大社にお参りして〜・・・」って、博物館を走り抜けるつもりか?出てくるのに数時間かかる魔のスポットだ。特に勾玉づくり体験に気をつけろ。こだわりすぎて二度と出られんぞ。

国宝の銅剣・銅鐸は他県の博物館に出張している場合があるので絶対見たいなら確認したほうがいい。雨の日に時間を潰すにはいいけどね。

なお、出雲大社境内に『宝物殿』という神社所有の資料を保管している場所があり、格安で入れるので歴史に興味があるならそこもおすすめ。

4.移動に気をつけろ

田舎旅行はレンタカーと相場が決まっているが、誰もが免許を持っているわけではない時代。そんな時代でも島根はバスや電車が1時間に1本なんてのが普通な。タクシーだってすぐ見つからないし、呼んでもすぐ来ない。

特に神在月は大通りまでしか迎えに来てくれないから、歩くのが難しい方と一緒に行くなら気をつけよう。

5.日御碕に自転車で行くな

死にてーのか!崖だぞ!
大社近辺の観光施設でも日御碕に行くやつには自転車を絶対に貸さないというルールになっている。あと単純に遠いから車の方がいいって絶対。

6.傘を持て

折りたたみでも良い。バス旅行でもちゃんと持って降りてくれ。
山陰はスコールみたいな雨が突然降ってくることもある。それはそれで、山陰らしい景色なのだが全ての旅行客がそんな陰鬱でネクラな風情を楽しめるとは思えない。

ちなみに雨あがりに出雲大社本殿の屋根を見ると、うすく雲が立ち上ってめっちゃキレイである。

7.神在月は人在月

すっかり有名になってしまった神在月に行われる神在祭。混雑するのは予想できると思うが、どれだけ混むと思う?

出雲大社から半径2km範囲の車が全く動かなくなるくらい混む。

観光バスも途中で下車させて歩かせる鬼畜っぷりだ。諦めて自転車で来るか、島根ワイナリーまたは、海際にある駐車場あたりから歩いて欲しい。

御朱印の列も半端じゃない。しかも直接書いてもらえずに、紙だけ渡される形式になる。ご了承を。

8.夜間は本殿近くまで入れない

だったら夜間参拝すれば空いてるじゃん!って思うじゃん???
実は出雲大社ではある一定の時刻(令和5年7月現在は19時)を過ぎると、拝殿前で柵が設けられて入れなくなる。ただし、大注連縄のある神楽殿は入れるのでそっちだけは楽しめることもできるぞ。

朝は6時から。

夜の神楽殿

9.皇室ゴシップを話すな

出雲大社の宮司一族と宮家の方のご結婚について「どこに住んでるの?」「もう別居してるんでしょ?」と聞く方の多いこと。後ろに宮司様が立ってますよ。なんてパターンが頻繁にあるので本当にやめて下さい。

(本当に知らないし、宮家を出られたら一般人なんだから国民の個人情報を漏洩するわけないでしょ!)

10.石見銀山と鳥取砂丘はついでで行けない

せっかく山陰に行くんだから全部見たいよね☆
気持ちはよくわかるけど、石見銀山まで車で1時間以上かかるし、砂丘に至っては鳥取県の最東端である。ついでにするなら松江城と境港が限界ではないでしょうか・・・。

11.宿はちゃんと取ってくれ

2月とかでもないかぎり飛び込みはまず無理。そもそもの宿泊施設数が足りていないし、ネカフェも少ない。ましてや神在月に行きたいなら1年近く前からとってくれ。
じゃないと、鳥取に宿を取ることになるぞ。

出雲市内のネカフェは以下2か所。

『アリカフェ』駅前すぐ

『快活クラブ』駅からは遠いので車の人向け


最後に

いろいろ言ったけれど、こんな地味なところを旅行先として検討してもらえて本当にありがたいと思っています。
他県の皆様ありがとう。

BIG LOVE・・・💋








おまけ 〜謎の伝承に気をつけろ〜

謎の多い地方のため、様々なトンデモ論・民間伝承がある。否定する気はないが、一般的なことを記しておくよ。

・素我社の御砂
 お社の砂と海の砂を交換してお守りにするというもの。以前から地元民が棟上げ式に素我社の砂を使っていたのが転じて今の形になった。出雲大社も禁止してないが、大量の砂をうっすいビニールに入れたまま移動すると高確率で破れる。ちょっとでいいよ甲子園じゃないんだからさ。

・西から拝むのが正式という噂
 御神体が海のある西側を向いているのは有名だが、だからといって西側に回らなければ駄目ということは無い。そもそも神官が毎度の儀式を行っているのは正面側なんだから、西が正式な訳がないのである。

・カップルで行くと神様が嫉妬して別れる
 ディズニーランドか?日本神話きってのモテモテ神が御祭神なのに何を嫉妬する要素があるのか謎である。あと一応補足しておくと、神様が会議をしているのは出雲大社の本殿ではなく西側にある別の場所である。

・大注連縄に硬貨を投げ込む
 私が子供の頃からやめてくれといわれていた。硬貨が落ちてくるのも危ないが、しめ縄そのものが重量を増して劣化する危険があるらしい。今となっては金網がはられている。あと大注連縄があるのは本殿ではなく、西隣の神楽殿である。


古代の謎は用法容量を守ってお楽しみください。


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