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鳥取の赤碕でなんちゃって韓国旅行
鳥取で少しだけ韓国旅行を楽しめる。
何を言っているかわからないと思うが本当である。だが、コスメやグルメを楽しめるわけでないので、そちらを楽しみたい方は新大久保か現地へGO。
韓国の友達に写真を撮って見せたいだけないんだけど・・・という方は記事後半までGO。
なんちゃって韓国の場所は鳥取の道の駅『ポート赤碕』の隣。『日韓有効資料館・物産館』という施設だ。
1819年、朝鮮の江原道を出発した商船がこの赤崎に漂流。船員たちを歓迎した後、母国へ送り返したのをきっかけに続く友好を記念した資料館である。
まずはその資料館の中を紹介したい。
※館内の撮影許可は頂いています
日韓友好資料館・交流館
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入り口から早速、将軍標(チャングンピョ)がお出迎え。将軍標は本来、村の入り口や聖域との境界に立てられる1対の像である。
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傍らには韓紙を使用した行灯のようなものもあった。どうやらお経が書いてあるらしい。まだ漢字混じりで縦書きだ。今のお経の本はどうなっているんだろうね?
古代東アジア文化オタクには興味深いものばかりだが、内部は非常にコンパクトで人も少ない。商船の漂流事件に関する解説と資料。そしてささやかな韓国文化の紹介といったところだ。
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当時の記録によると、遭難した商船に乗っていた干鰯売りの人々は楽器をかき鳴らし歌いながら浜へ降りてきたそうだ。
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命が助かったことへの祈りの行為ではないかと書いてあったが、現代人の私には、けして怪しいものではありませんという意思表示にもとれる。
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とはいえ、赤碕では帰国の手続きができないので鳥取城下へ移動する。役人が来るなと言ったにも関わらず、多くの見物人が訪れてしまったそうだ。店先も飾りつけ、女性も理由をつけて出てきたとか。
この時代の外国人がどういう存在だったのか謎だが、朝鮮通信使が来ていた頃も幕府が禁止していたのも聞かず地方役人が勝手に会いに来たらしい。なお、ある通信使は人々から文を渡されまくったことによりノイローゼ状態になった。やめて差し上げろ。
ここにある資料は真面目に読むと1時間以上かかるか、畳がなにか分からずとりあえず全部剥がしたとか、1食に5〜6膳の白米を食べたとか様々なエピソードがあり面白いので読んで頂きたい。
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なにはともあれ10ヶ月かけて長崎から母国へ無事に帰れた一行。その後、土産や写真のような感謝状が届いだそうだ。よかったよかった。
これ以前・以後もこの赤碕には度々朝鮮半島の船が遭難し、帰国まで手を尽くしたことがあるらしい。また、その逆もしかりで朝鮮半島に遭難し日本へ返してもらったこともある。
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他のスペースには、工芸品が所狭しと並べられている(というか本当に狭い)このときはコロナで一時停止になっていたが、本来は韓服を着て撮影が可能らしい。興味のある人はやってみては。
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館内にはかなり小さい物産コーナーもある。輸入食品店でなんでも手に入る今となっては珍しくもなんといもないかもしれないが、小分けにされた昔ながらの飴は他に無かったので購入した。
韓国の友人に写真を送ったら「おこげアメ懐かしいです、おいしくもまずくもないですよ!」と身も蓋もないことを言われたがその通りの味だった。
現地人に韓国に見えるといわしめた公園
記事後半まで飛んできた方、ここだよ!
先程の資料館の隣には『風の丘』という韓国風公園がある。ここなら韓国風のいい写真が撮れるだろう。
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さっそくワニのような像が出迎えるが、これは獅子である。本来、昌徳宮の錦川橋脚部にある石像なのだがなぜか狛犬のように両脇に配置されている。
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もちろんチェジュ島の守護神、トルハルバンも勢ぞろい。同じ溶岩系の岩でつくられている。この2体とアップで3ショットを取れば、チェジュ島旅行をしたと嘘をつけなくもないだろう。お住まいの場所によっていは鳥取のほうが遠いだろうが。
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園内には友好記念の風車や国宝の灯籠のレプリカ・本物には似ても似つかない揺れ岩などがあるが、丘の上にあるのが友好の記念碑である。今まで赤碕漂流した船や人々ついて書かれている。
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友好碑の前は獬豸(カイチ)が守護をしている。実際は永済宮の橋の両側に1体ずつ置いてある。阿吽のようにもう1体いたが、なぜ狛犬こうも配置にするのか????
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全部紹介するのはもったいないので一部に留めるが、夏は韓国の国花であるムクゲも咲き乱れていて、まさに現地を思わせるような風景だった。是非晴天の日に訪れて欲しい。
隣の島根では公的関係が良いとは決して言えないがこちらでは、少しの安心感もある。最後に鳥取と韓国の友好の一片を感じるものをもう一つ紹介しよう。
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