ミャンマーとそのまわり、幸せをくれる暮らしのモノとコト_Vol.3_ベトナム・ハノイの夫婦バッチャン焼き
ヤンゴン在住4年目、4歳男子の母のイワサマキコです。
ともすれば、バタバタと過ぎて行ってしまうミャンマー・ヤンゴンでの日常ですが、日々の暮らしに幸せをくれるモノやコトを見つけるのがささやかな楽しみです。手仕事やアンティーク、伝統工芸品が大好き。
旅先で見つけたものを日常で使うのが至上の喜び。そんな日々に幸せをくれるモノやコトをご紹介します。
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今年の始め、家族でベトナム・ハノイに行く機会がありました。
ヤンゴンからハノイは、2時間ほどの飛行時間で行くことが出来ます。アジアの周辺国に行きやすいのは、ヤンゴン暮らしの嬉しいところです。
10年ほど前に仕事で数回訪れて以来の久しぶりのハノイ。
私には、密かに「絶対に買いたい」と、心に決めていたものがありました。
ハノイ近郊のバッチャン村で作られている、バッチャン焼きを手に入れたいと思っていたのです。
バッチャン村は、ハノイから半日もあれば日帰りツアーを組む事が出来ますが、スケジュール的に少し厳しい。。しかし、街中でもバッチャン焼きが沢山売っている場所があると聞き、そこに行ってみることにしました。
ハンザギャラリアという近代的なショッピングセンターの地下に、ハンザ市場というローカル市場があり、そこにバッチャン焼きが沢山置いてあると聞いたのです。
ショッピングセンターの外にある入り口から地下に降りると、そこはミャンマーでも見慣れたローカル市場の光景でした。
春巻き用のライスペーパーや、調味料も売っていて、長居したくなる場所です。
「食材もあとで見よう!」とライスペーパーを横目に向かったのはバッチャン焼きのお店が連なる一角!
ありました。うず高く積み上げられたバッチャン焼きの山、山、山!
スプーンや豆皿も可愛いし、黄色が入ったお皿も素敵だし、秋刀魚を焼いて載せるような角皿もいいわぁ〜!
ハンザ市場の品物は、品質のばらつきが大きいと聞いていました。また、どれもこれもと沢山買っても結局とびっきりのお気に入りしか使わなくなるのも分かっていました。
私は、気合いを入れて、山のようなバッチャン焼きの中から、私の逸品を選ぶはずでした。そのつもりでした。
しかし、じっくり腰を据えて選ぼうと決意してから、
「帰りたいー!」「ここ、嫌ー!」「これ何!?」
と3歳の息子が言い出し、バッチャン焼きの山に無邪気に手を伸ばし、あたりを走り回り始めるまでの時間は、およそ5分。
夫は追いかける気力なし。
お店の人が、息子にキャンディをくれましたが、そんな事では3歳児の機嫌は収まりません。
グズる3歳男子 × 積み上げられたバッチャン焼きの山 × 疲れ切った成人男性
頭の中に浮かんだ計算式の答えは…「=退散」
私は、志半ばで、食材もバッチャン焼きも、何も買えずにハンザ市場を後にしたのでした。
せっかくハノイに来たのに、バッチャン焼き買えなかった…と悲しくなったものの、今回は諦めて、家族で観光に専念しよう、と気持ちを切り替えました。
しかし!神は私を見捨ててはいませんでした。
ハノイ最終日、私達は、ベトナム最古の大学、文廟(ぶんびょう)を訪れました。
文廟は、1070年に建てられ、1076年にベトナムで初めての大学国士監が置かれた場所です。
敷地には緑が多く、古き良きベトナムの風情が感じられる場所で、国内外からの観光客で賑わっています。敷地内には石でできた亀の頭と科挙に合格した人の名前が刻まれています。この亀の頭を撫でると、合格祈願となることから、受験生も多く訪れるそうです。(現在は保存のために亀の頭を撫でる事は禁止となっています)
文廟を出ると、そのすぐそばに、CRAFT LINKという雑貨屋さんがありました。
CRAFT LINKは、ベトナム少数民族の手仕事を守り、適正価格で利益が得られる活動を行うNGOが運営するお店です。まさに、私の大好物な形態!
残された時間は少しだけでしたが、お店に入ってみると…そこにはバッチャン焼きが!!!
しかも、品数が多すぎないので、短時間でも選べる!!!
CRAFT LINKは、素敵なものから微妙なものまで大量に混ぜこぜのハンザ市場とはうってかわって、デザインも品数も絞られていました。
限られた時間で、私が選んだ渾身のバッチャン焼きは、普段使い用のマグカップです。
ちょうど同じデザインが2色あったので、私の分と夫の分を購入し、めでたく夫婦バッチャン焼きとなったのでした。
バッチャン焼きの定番のデザインと言えば、クリーム色に、赤と緑の可愛らしい色合わせですが、(地球の歩き方ハノイ特派員ブログ参照)このマグカップは潔い単色に心を奪われました。
夫婦バッチャンというのも、お目出度くて嬉しい。
(取っ手のところにも柄があるのが愛おしい…)
超特急で選んだ渾身のバッチャン焼きマグカップは、ハノイからヤンゴンに持ち帰ったその日から、大活躍しています。
ホットで飲むお茶。
ちょっとしたスープ。
「珈琲いれるけど、飲む?」と休日の朝に夫が作ってくれる珈琲も、夫婦バッチャンに。
ひとつだけでも可愛らしいけれど、夫婦茶碗のように、つがいになっていると可愛らしさが増して見えます。
4歳児を育てながら、異国で生活していると、夫婦間でもついつい業務連絡だけの会話になりがちです。
そんな中、新婚さんのような夫婦バッチャンの佇まいは、「私達は、妻と夫で夫婦でしたね」「仲良く、楽しく、しましょうね」と語りかけてくるかのよう。
次の休日の朝は、夫婦バッチャンで美味しい珈琲を飲みながら、夫婦であれこれ楽しい話をしたいと思います。
2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!