桜と梅と桃は違うもの
ミャンマーには4月にみんなが楽しみにしているお祭りとお正月があります。
水祭り:ダジャン(ティンジャン)というお祭りで、その後にミャンマー暦の新年を迎えます。
1年の中で、最も大切で盛り上げる休暇なのです。
このダジャンの前に咲く、パダウという花があります。
パダウは、まだ乾季が続く4月に雨が降ると、その後に咲く花です。
黄色くて、香りが良く、水祭りを象徴するような、ミャンマー人にとっての季節を感じる花なのです。
パダウが咲くと、友人や仕事仲間にあげたり、女性は髪の毛に飾ったりする習慣があります。
また、ショッピングモールや商店では、ダジャン用の店舗装飾にこのパダウの造花を使います。
今の時期のヤンゴンは、黄色い花飾りでいっぱいです。
--
さて、私がずーっとパダウだと思っていた黄色い花があるのですが、それは「グワ」という名前の花だそうです。ちょうど雨の後に咲いていて、黄色くて綺麗なので「あー、これがパダウか」と思っていたのです。
会社のスタッフに「これがパダウだよね!綺麗ね」と言うと、「これはパダウではありません。グワという花です。ミャンマー人はグワは別に好きじゃないしあんまり興味がないですよ。グワは香りはないですから」という答えが返ってきました。
「グワも黄色くて綺麗だと思うけど、そうなんだ」「じゃあどれがパダウなの」と聞くと、後日、わざわざお父さんが切ってくれたというパダウの枝を持ってきてくれました。
(グワとパダウ…たしかにパダウは香りがあるけれど、グワも同じような見た目だしどちらも綺麗よね)
と思ってしまう私。
パダウは、日本人で言うところの桜のような存在なのでしょうね。
梅や桃の開花予測はそもそもニュースにならいですし、あまり興味ももたれないですが、桜が咲いたか、どこまで咲いたか、いつまで咲いているか、というのは、多くの日本人には、とても気になることがらです。
「あと何回桜が見られるだろうか」というのは、自分の命の残り時間を数える定番の言葉のようにもなっていますよね。
そして、日本人なら桜と、梅と、桃の花は、同じピンクの花でも必ず見分けがつくものです。
外国の方からすると、梅の花や桃の花も、同じようなピンクの花ということで、全部桜に見えたりするんでしょうか。
ミャンマーにおける外国人である私は、実は未だパダウとグワの見分けがつかず、タクシーに乗るたびに、「あれはパダウ?」と運転手にたずねて「違うよ、あれはグワ」と言われています。
(ヘッダ画像は、パダウではなくグワの花です)