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ボクサーパンツ素材の伸び方向について

最近、複数の方から聞かれた話です。

「ボクサーパンツの素材(生地)は、どちらに伸びる方がいいのですか?」
なんでも、広告で見たらしく、広告では、タテに伸びる素材の方がいいとの事らしいです。

かつて、伸びについては実験したことがあって、生地の伸び方向については持論があります。そのため、マニアックですが触れてみることにします。

ボクサーパンツの素材(生地)はタテ伸びした方がよいのは事実。でも。。

確かに、パンツの素材はタテ伸びはした方がよいです。

と言うのも、1方向(基本ヨコ)だけ伸びる(1wayという)生地の製品が多いです。

だいたい、その様な生地は、価格の安い生地が多いです。そうでもない生地ももちろんありますが、廉価な下着はこういった生地が多いですね。

そして、ヨコにだけ伸びる素材で作られた製品(パンツの話)は、はき心地が良くないパンツが多いです。全てではありません。

と言うのも、パンツのはき心地は、ヨコの動きよりタテの動きの方が、不快に感じることが多いからです。

具体的に言うと、
・イスに座った時
・かがむ時
・走ったり、動いたりする時

これらの動きは、パンツ生地のタテ方向に負荷が掛かり、パンツのはき心地に変化が出てしまいます。もちろんヨコにも変化が生じますが、タテほど大きくありません。

わかりやすい例だと、
・パンツが背中からお尻方向にズリ落ちたりする感覚。
・パンツが太ももや股に食い込んでいく感覚。

これらのような不快感は、おおむね生地のタテ伸びが悪いパンツの方が起こりやすい現象です。だから、生地はタテ伸びした方がよいです。

もう少し、細かい話もありますが、お伝えしにくいのでこれくらいに留めます。

では、生地がタテ伸びするパンツがよいのか?

私の見解は「そうとも言えない」です。

以前、実験したことがあります。

先ほど、少し触れましたが、生地は大きく分けて、
1.伸びる生地
2.伸びない生地、に分かれています。

そして、「1.伸びる生地」は、
ア.一方だけが伸びる生地(基本はヨコ)
イ.タテ、ヨコともに伸びる生地(伸び比率、約1:1)、に分かれます。

一般的には、たぶん気づかないレベルです。。。
生地を引っ張って伸ばしてみると、気づくかなあという感じです。

前置きが長くなりました。

私の見解は、結論から言うと、タテ、ヨコ伸び比率が1:1がベストです。

ただ、「タテ、ヨコ伸び比率が1:1の生地」は少ないです。
ベストと言っても、あくまでも、私が作っている製品について。

アールリバーサル、メッシュウィングで発売した製品は、実験的な製品以外は、すべてタテ、ヨコ比率が1:1です。

その理由の1つは、先ほど挙げたカラダや動きへの対応。

だいたい、カラダが動くときは、生地への影響は一方向だけに留まりません。

イスに座る動作がわかりやすいと思います。

イスに座ると、カラダは、背中→お尻→ふとももにかけては、ひらがなの「く」の字に曲がります。この状態では、生地はタテへの負荷が掛かります。

と同時に、お尻はイス方向に体重が掛かり、お尻はつぶれた状態になります。そのため、生地はヨコにも負荷が掛かります。

歩いた場合でも、足は右足が前のとき、左足は後、みたいな感じでバラバラな動きをします。この間、タテ、ヨコどちらの方向にも生地への負荷が掛かります。

生地は、タテ、ヨコに引っ張られると、伸びが弱い部分だけが引っ張られるような感じになります。そして、ズレたりします。そのため、パンツが食い込んだり、パンツのゴムがずり下がるような感覚が出てきます。

普通の生活なら、まだ気づきにくいかもしれません。しかし、スポーツ、とりわけ激しいスポーツでは、なおさらこの傾向が強いです。

そんなわけで、タテ、ヨコ伸び率が1:1が理想的な生地です。

独断と偏見ですが。

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