日本人初のサイヤング賞をとるのは誰だ!?

日本時間の2025年1月18日、佐々木朗希投手が自身のインスタグラムでロサンゼルス・ドジャースへの移籍を発表した。
これで、ドジャースには日本人選手が3人となるが、3人とも投手(1人はTWP(two way player,二刀流))で、サイヤング賞を狙える。他にも日本人投手はMLBにたくさんいる。ということで今回は日本人初のサイヤング賞は誰になるのか、というテーマで書いていく。

サイヤング賞はメジャーリーグのシーズン最優秀投手に贈られる賞で、メジャー歴代勝利数1位の通算511勝を挙げた伝説の名投手・サイ・ヤングの功績を称えて1956年に創設されました。
(中略)
1956~1966年までは両リーグから1名、1967年以降はナショナル・リーグとアメリカン・リーグから各1名ずつ選出されています。
(中略)
サイヤング賞は、”全米野球記者協会所属の記者60人による投票”によって決まります。各記者は1~5位(1位7点・2位4点・3位3点・4位2点・5位1点)まで投票し、その合計点の最も高い選手がサイヤング賞受賞者となります。

投票内容は公開制となっているため、当然ながら記者も真剣に選考に当たります。そして、サイヤング賞には明確な基準はなく、相対評価で選出されています。

サイヤング賞の歴代受賞者と成績一覧!規定投球回数など基準や日本人は? | スポーツなんでも情報クラブ

過去10年間の受賞者(所属、勝敗・防御率・奪三振数)

2024年
クリス・セール(アトランタ・ブレーブス)18勝3敗・2.38・225
タリク・スクバル(デトロイト・タイガース)18勝4敗・2.39・228
2023年
ブレイク・スネル(サンディエゴ・パドレス)14勝9敗・2.25・234
ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)15勝4敗・2.63・222
2022年
サンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)14勝9敗・2.28・207
ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)18勝4敗・1.75・185
2021年
コービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)11勝5敗・2.43・234
ロビー・レイ(トロント・ブルージェイズ)13勝7敗・2.84・248
2020年
トレバー・バウアー(シンシナティ・レッズ)5勝4敗・1.73・100
シェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンズ)8勝1敗・1.63・122
2019年
ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)11勝8敗・2.43・255
ジャスティン・バーランダー(デトロイト・タイガース)21勝6敗・2.58・300
2018年
ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)10勝9敗・1.70・269
ブレイク・スネル(タンパベイ・レイズ)21勝5敗・1.89・221
2017年
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)16勝6敗・2.51・268
コーリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンズ)18勝4敗・2.25・265
2016年
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)20勝7敗・2.96・284
リック・ポーセロ(ボストン・レッドソックス)22勝4敗・3.15・189
2015年
ジェイク・アリエータ(シカゴ・カブス)22勝6敗・1.77・239
ダラス・カイケル(ヒューストン・アストロズ)20勝8敗・2.48・216

サイヤング賞の歴代受賞者と成績一覧!規定投球回数など基準や日本人は? | スポーツなんでも情報クラブ

防御率は2点台が多い。2016年のポーセロのみ3点台。奪三振数は200超えが多い(2020は短縮シーズンなので少ないが)。勝敗は15勝以上が多く、20勝以上している投手もいる。逆にデグロムの10勝、11勝で受賞しているのはレアケースか。
ちなみに引用したサイトには全てのサイヤング賞投手の成績が載ってます。

なんとなく目標となる数字がわかったところで、過去日本人がどれくらいサイヤング賞に迫ったかを見ていこう。

残念ながら現時点では、サイ・ヤング賞を受賞した日本人選手はまだいません。(2024年シーズン終了時点)

これまでサイ・ヤング賞の票を獲得した日本人投手は11人で、最高位は2013・2020年のダルビッシュ有投手と2020年の前田健太投手の2位です。

日本人選手のサイ・ヤング賞受賞もあと一歩というところまできており、日本人受賞者が現れる日もそう遠くないかもしれません。

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サイヤング賞~過去の日本人の順位・得点など
1995年:野茂英雄(ドジャース)
4位(19ポイント)13勝6敗防御率2.54

1995年:野茂英雄(ドジャース)
4位(5ポイント)16勝11敗防御率3.19

2006年:斎藤隆(ドジャース)
8位(1ポイント)6勝2敗24S防御率2.07

2008年:松坂大輔(レッドソックス)
4位(10ポイント)18勝3敗防御率2.90

2012年:ダルビッシュ有(レンジャース)
9位(1ポイント)16勝9敗防御率3.90

2013年:ダルビッシュ有(レンジャース)
2位(93ポイント)13勝9敗防御率2.83

2013年:岩隈久志(マリナーズ)
3位(73ポイント)14勝6敗防御率2.66

2013年:上原浩治(レッドソックス)
7位(10ポイント)4勝1敗21S防御率1.09

2016年:田中将大(ヤンキース)
7位(6ポイント)14勝4敗防御率3.07

2020年:ダルビッシュ有(カブス)
2位(123ポイント)8勝3敗防御率2.01 ※ナ・リーグ

2020年:前田健太(ツインズ)
2位(92ポイント)6勝1敗防御率2.70 ※ア・リーグ

2022年:大谷翔平(エンゼルス)
4位(82ポイント)15勝9敗防御率2.33

2022年:ダルビッシュ有(パドレス)
8位(7ポイント)16勝8敗防御率3.10

2023年:千賀滉大(メッツ)
7位(15ポイント)12勝7敗防御率2.98

2024年:今永昇太(カブス)
5位(38ポイント)15勝3敗防御率2.91

※2024年シーズン終了時点

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サイヤング賞の得票は得られても、1位になるのはかなり難しい。当たり前だが、そのリーグで一番の投手でないといけないからだ。

ここからは、筆者がサイヤング賞を2025年シーズンに狙えると考える投手について紹介する。

1.ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス、ナ・リーグ)
2012年:9位(1ポイント)16勝9敗防御率3.90
2013年:2位(93ポイント)13勝9敗防御率2.83
2020年:2位(123ポイント)8勝3敗防御率2.01 ※ナ・リーグ
2022年:8位(7ポイント)16勝8敗防御率3.10

2024年:7勝3敗 防御率3.31 16登板 81.2回 奪三振78

サイヤング賞に日本人で最も近づいた男。2025年シーズンには39歳を迎えるが、ポストシーズンでの山本由伸との投げ合いを見るとその投球術は健在。故障者リストや家族の問題で制限リストに入っていた影響でイニング数は少なかったが、一年間元気に投げることができれば、サイヤング賞もまだまだ狙えると思う。

2.今永昇太(シカゴ・カブス、ナ・リーグ)
2024年:5位(38ポイント)15勝3敗 防御率2.91 29登板 173.1回  奪三振174

ルーキーイヤーにサイヤング賞投票5位に入った今永投手。高めにフォーシームを投げて、低めにスプリットを投げる投球スタイルでメジャーの好打者を抑えた。(savantによるとフォーシームが全投球の52%、スプリットが30.6%。)

3.山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース、ナ・リーグ)
2024年:防御率3.00 18登板 7勝2敗 90回 105奪三振

投手史上最高額となる12年3億2500万ドルでドジャースと契約した山本由伸。7月に右上腕三頭筋の張りにより60日間の負傷者リスト入り。7、8月は登板はなく、9月に復帰。その後のポストシーズンでは素晴らしい投球を見せた。
怪我無く1年間投げられたらサイヤング賞にかなり近づくのでないだろうか。日本時代から国際大会やポストシーズンなどもずっと投げていたので、怪我での離脱はいい休息になったのでは。2024年でメジャーに慣れることができたので、2025年は飛躍の年になるだろう。

4.千賀滉大(ニューヨーク・メッツ、ナ・リーグ)
2023年:7位(15ポイント)12勝7敗 防御率2.98
2024年は怪我の影響で1登板にとどまった。2023年の成績を見ると怪我無く1年間投げられたらサイヤング賞を狙えるだろう。 

5.佐々木朗希(ロサンゼルス・ドジャース、ナ・リーグ)
2024年(NPB):18試合 10勝5敗 111回 129奪三振 防御率2.35
令和の怪物がメジャーリーグに挑戦する。

6.大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース、ナ・リーグ)
2022年:4位(82ポイント)15勝9敗防御率2.33
投手として2年ぶりに復帰するシーズン。ドジャースのロバーツ監督は復帰は5月からではないかと述べており、今年はそんなにはイニングは投げないと思う。

7.菅野智之(ボルチモア・オリオールズ、ア・リーグ)
2024年NPB:24登板 15勝3敗 156.2回 奪三振111 防御率1.67
2020年シーズンオフにポスティングシステムを利用してのメジャー移籍をしようとしたが、期限までに契約が成立せず、断念。2024年にMVPを獲得する活躍を見せ、今年からメジャーに挑戦する。


8.菊池雄星(ロサンゼルス・エンジェルス、ア・リーグ)
2024年:9勝10敗 防御率4.05 32試合 175.2回 206奪三振

今年からエンジェルスでプレーする。2024年の奪三振数206はキャリアハイ。

・各投手のFan graphsのSteamer (成績予想)を見る

ダルビッシュ有・10勝10敗 29試合 168回 防御率4.21
今永昇太・11勝9敗 29試合 180回 防御率3.64
山本由伸・11勝8敗 28登板 159回 防御率3.57
千賀滉大・10勝9敗 38登板26先発 164回 防御率3.74
佐々木朗希・10勝6敗 24試合 139回 防御率3.30
大谷翔平・9勝6敗 21試合 121回 防御率3.48
菅野智之・8勝9敗 33登板23先発 139回 防御率4.63
菊池雄星・11勝10敗 31試合 176回 防御率3.75

なんともリアルな数字。ここから上振れ下振れはありそうだが。

結論としては、サイヤング賞の得票を得る投手はこれからもたくさんいると思う。そして、その中で突き抜けて、1位すなわちサイヤング賞を受賞する投手はそのうち出てくると思う。それは誰でいつなのかというのが問題なのだろう。
個人的には山本由伸に期待している。それも一回とはいわず、複数回の受賞を期待している。大谷のMVPのようにね。

参考にしたサイト
Baseball Savant: Statcast, Trending MLB Players and Visualizations | baseballsavant.com
FanGraphs Baseball | Baseball Statistics and Analysis
日本人選手 - MLB -スポーツナビ

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