米中通商協議再開、英国は10月に離脱宣言
世界経済の減速の2大原因について、良くも悪くも進展が出てきた。
米中通商協議、30日に再開
一つは米中貿易戦争である。
米中の通商交渉担当者が30日から上海で協議を再開すると、ホワイトハウスが24日明らかにした。両国間の貿易関係改善が狙いという。
ホワイトハウスによると、米側はムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表部(USTR)代表、中国側は劉鶴副首相がそれぞれ交渉団を率いる。
議題は知的財産権や技術移転の強制、非関税障壁、農業、サービス、貿易赤字など広範な問題に及ぶという。
ホワイトハウスによると、米側はムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表部(USTR)代表、中国側は劉鶴副首相がそれぞれ交渉団を率いる。
議題は知的財産権や技術移転の強制、非関税障壁、農業、サービス、貿易赤字など広範な問題に及ぶという。
24日までに開示された約1700社の2019年1~6月期の純利益見込みは前年同期比2%増にとどまっており、貿易戦争による影響が鮮明に出ている。
10月には必ず離脱
もう一つが英国のEU離脱だ。
英与党・保守党の党首選に勝利したボリス・ジョンソン氏(55)が24日、メイ氏の後任の首相に就任した。ジョンソン氏は就任後の演説で、最大の懸案である欧州連合(EU)からの離脱について、10月末の離脱に「たられば」は必要ないと明言。またEUが交渉を拒否すれば「合意なき離脱」に向かうと警告した。
ジョンソン首相はこの日組閣に着手。財務相にジャビド内相、外相にラーブ前離脱担当相を指名した。バークレイ離脱担当相は留任。内相にはパテル元国際開発相を指名した。
合意があろうがなかろうが離脱することを強調。
また波乱の展開となりそうだ。
各国の対イラン状況
地政学リスクといえば中東情勢だが、今はとりわけイラン問題がホットな問題だ。
イランが先週、英船籍のタンカーを拿捕(だほ)したことを受け、英政府がタンカーの解放を求めてイランに調停者を派遣した。
イランの最高指導者事務所が24日、明らかにした。同国のタスニム通信が伝えた。
同事務所のトップは、詳細を明らかにしていないが「かつてはイランで大臣や法律家を指名していた国が、調停者を派遣し、船の解放を求めるところまで来た」と英国を皮肉った。
英国は欧州を巻き込んで安全確保に向けて動いている。
英国が中東ホルムズ海峡における船舶の安全確保に向け欧州諸国と連携する計画を打ち出したことに対し、フランス、イタリア、デンマークが賛同を示した。欧州連合(EU)の複数の外交筋が23日、明らかにした。
一方米国とイランは依然として緊張感が高いままだ。
イラン最高指導者ハメネイ師の側近である革命防衛隊のデーガーン上級司令官は24日、イランは米国といかなる状況でも交渉するつもりはなく、米国が戦争に突入するなら、地域にあるすべての米軍基地が標的になると警告した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが報じた。
総括
米中通商協議は、現状だと徐々に緩和の方向に向かっていくと思われるが、交渉内容次第では急に追加関税が言い渡されるかわからない。
通商協議の期限は明らか出ないが、今年の一つのポイントは個人的に10月と想定している。
10月は英国EU離脱期限であり、日本の消費税増税開始でもある。
また、日韓の貿易、香港デモ、中国経済不振、ドイツ銀行、といったフラストレーションは(大なり小なり)いつか噴火するもので、そのタイミングが10月と想定している。
株式市場も大注目の世界情勢なので、波に乗り遅れないよう注意したい。
総括
ロイター 7/24 米中通商交渉、30日に上海で再開へ 閣僚が直接協議
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