札幌地下鉄新路線の妄想①~三号線~
札幌市の地下鉄は、清田区を除く区に広がっている。
地下鉄を清田区まで延伸して欲しいという声や、宮の沢より先まで延伸して欲しいという声もあるようで、札幌市における地下鉄は重要な公共交通機関と言える。
しかし、一部の地域には地下鉄が存在しない。
そこで、既に考えている方々も多く、陳腐な発想になってしまうが、もし今の路線の他、新しい路線を作成するとどうなるか、採算を度外視した上で自分なりに考えてみたいと思う。
なお、市外までの延伸は考慮しない。
今回は、当初の計画等にあったとされる、三号線を基にした新路線について考える。
当初の計画
1974年に提出された報告書である「最適交通体系の選択と投資順位の研究」によると、以下の路線の計画があったようだ。
始点がどこなのかが曖昧ではあるが、通るルート自体は決まっていたようだ。
一方で、終点は藻岩下周辺を計画していたようである。
※上記報告書は実際に確認できていないが、今回は書かれている前提で進める。
路面電車の存在
通過することになるであろう山鼻地区には、北海道遺産にも指定された路面電車が存在する。
東豊線の当初の計画にも、山鼻地区へ接続する案があったが、そちらは月寒方面へ変更となっている。
仮にこの路線が採用されていたならば、路面電車は姿を消していたと思われる。
計画通りに沿って進む場合のルート
南34条西11丁目まで南進するにあたって、【新川通→石山通】を通るだろうから、始点・終点をどこにするか決める必要がある。
まず、計画されていたのは9.0km程度であったようなので、それに近いルートを考える。
上記のルートを道なりに進めば、距離は約8.8kmとなる。
この場合、JR駅の接続は発生せず、そのまま適用しても始点・終点ともに中途半端な印象をうける。
そこで、計画より距離が長くなってしまうが、乗り換えが可能な駅(もしくはJR駅)との接続を考慮し、始点・終点ともに決定する。
始点と終点
できる限り上記ルートを通るように、始点と終点を決定する。
始点は、新川通に近いJR駅が望ましいと考えているが、その場合は八軒駅か新川駅が候補となる。
ここでは新川駅を始点とする。
終点は、当初の計画では南34条西11丁目と決められているが、周囲には自衛隊の宿舎がある程度。
ここを終点とはせず、さらに南進し、イオン藻岩店・真駒内公園近くを終点とする。
始点からさらに西進し、最終的に手稲駅や前田公園等に進むルートや、終点からさらに南進し、藻南橋を経由して芸術の森方面に進むか、定山渓方面に進むルートを考えることもできるが、今回は考慮しない
(参考程度にイメージ画像のみ載せておく)。
通るルート
上記を考慮すると、通るルートとしては以下の通り。
JR桑園駅、西11丁目駅との接続を考慮しているが、さっぽろ駅、大通駅に関しては通過しない。
なお、考える限り長くした場合のルートも載せておく。
些か無理のあるルートになってしまったが、
【石山通→真駒内通】を通り、芸術の森を終点としている。
各駅の詳細
できる限り、交差点付近になるように、また駅間距離が2kmを超えないように選定した。
■新川駅(始点)
周辺施設:新川中学校など
■北24条西14丁目
距離:約1.6km
周辺施設:北海道武蔵女子短期大学など
■北20条西15丁目
距離:約0.7km
周辺施設:札幌競馬場など
■桑園駅
距離:約1.4km
周辺施設:イオン 桑園店など
■北5条西15丁目
距離:約0.7km
周辺施設:青山建築デザイン・医療事務専門学校など
■西11丁目駅
距離:約1.3km
周辺施設:札幌地方裁判所など
■南8条西11丁目
距離:約1.1km
周辺施設:札幌中央病院など
■南14条西11丁目
距離:約0.9km
周辺施設:山鼻小学校など
■南21条西11丁目 (札幌市電石山通駅)
距離:約1.1km
周辺施設:札幌市中央図書館など
■南28条西11丁目
距離:約1.0km
周辺施設:札幌方面 南警察署など
■南35条西11丁目
距離:約1.3km
周辺施設:札幌藻岩山スキー場など
■川沿1条1丁目
距離:約1.3km
周辺施設:イオン 藻岩店など
全12駅、総距離は約12.5kmとなる。
札幌駅を経由する場合のルート
上記のルートでは、札幌駅を経由せず、桑園駅に接続することになる。
札幌駅への接続を考えるならば、できる限り自然に山鼻地区へ進むルートに繋げることになる。
通るルート
変更するルートとしては以下の通り。
西11丁目駅に直接繋げたほうが工費も少なく済むだろうが、利用客のことを考えるとこのルートになる可能性はあるだろう。
この場合は全14駅、総距離は約14.3kmとなる。
実現可能性
言うまでもないが不可能である。
どの新路線にも言えることだが、既存路線を延伸する為の財源や利用客の見込みすら怪しいというのに、新しく路線を作ることはできない。
加えて、人口減少に歯止めが利かない状況で新路線など、さすがに札幌市でも考えはしないだろう。
特に、山鼻地区に関しては既に路面電車がある為、顧客の奪い合いも発生してしまう。
もし新路線を建設出来る程の財力があったとしても、山鼻地区以南は路面電車の延伸で済ませる可能性がある。
新路線について妄想をしている方々は他にもいるので、これは絶対に無理だろうと思いながらも閲覧してみるといいかもしれない。
次回は、インターネット等で案の上がりやすい環状線について考えてみたいと思う。
※参考資料↓
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