日商簿記範囲外のEX論点【退職給付会計④】~確定拠出型年金~

日商簿記3級から1級の範囲外の論点、および範囲内ではあるものの出題率の極めて低い論点を紹介します。
基本的に、公認会計士・税理士等で紹介されるような論点となります。
なお、論点に対しての適用指針等は紹介しません。

今回は、棚卸資産の論点から「確定拠出型年金」を紹介します。




1.確定拠出型年金

概要

企業年金制度には、二つの年金制度があり、それぞれ

  • 確定給付型年金

  • 確定拠出型年金

に分けられます。

このうち、企業型の確定拠出型年金(企業型DC)とは、事業主が掛金を拠出し、従業員が年金資産の運用を行う制度です。
※個人型の確定拠出型年金(iDeco)であれば、加入者が掛金を拠出し、また年金資産の運用を行います。

また、確定給付制度や退職一時金制度から、確定拠出制度への変更も可能です。
なお、移行時の仕訳は次回以降解説します。


仕訳

掛金拠出時の仕訳

退職給付費用  XXX / 現金預金  XXX

掛金拠出時、要拠出額は退職給付費用勘定で計上します。
また、未拠出の額は未払金勘定で計上します。

確定給付制度と異なり、退職給付引当金や前払年金費用を計上しませんが、これは拠出後に企業が追加リスクを背負うことはない(年金資産の運用リスクを背負うのは従業員である)為です。


2.例題

(1)確定拠出制度

以下の取引について、仕訳を示しなさい。 (単位:円)

①A社の当期における掛金拠出額は200,000円であった。

退職給付費用  200,000 / 現金預金  200,000

②B社の当期における掛金拠出額は350,000円であった。
 なお、この分は現時点で拠出されていない。

退職給付費用  350,000 / 未払金  350,000



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