⑦マガジン原作大賞に向けて、第一話を分析してみた ~地極楽~

あらすじ

がらんの画眉丸は、忍者集団・石隠れ衆の筆頭だった。しかし今は、石隠れ衆の罠にかかり、役人に捕まってしまっていた。画眉丸は様々な処刑を受けるが、すべて失敗してしまう。「生に執着などない」「抵抗しているつもりはないんだがなぁ」。そんな画眉丸の態度と言動に役人達は苛立ちを募らせる。一方で、調書係は画眉丸の過去を聞き、画眉丸が捕まるに至った本当の理由に辿り着く。調書係の「準備が整いました いつでも大丈夫です」の言葉から、画眉丸に最後の処刑が下される。画眉丸が連れて行かれた場所にいたのは調書係だった。調書係の名前は佐切、そして本当の役職は、打ち首執行人。「殺して欲しいとおっしゃっていましたね」「お望み叶えましょう」。一刀両断で切りかかる佐切に、画眉丸は抵抗する。佐切は画眉丸が抵抗する理由を「妻を愛しているから」だと言い当てる。画眉丸は「(自分は人並みの幸せすら)叶わない」と叫ぶ。その叫びに、佐切は「叶います」と返した。全ての罪が許され、妻と再開する方法。それは、誰ひとり生きて帰ったことのない島へ行き、不老不死の仙薬を手に入れること。その話を聞いた画眉丸は妻との再開のため、その島へ行くことを決意する。

主題

愛する人のために

パンチライン

無敵の忍者、デスゲームに参加する

構成

起:P1 ~24 処刑されながらキャラクター紹介
承:P25~49 画眉丸の叫び ☆
転:P50~66 想い
結:P67~69 必ず生きて帰る

注目点

構成が巧み。素敵。
この第1話は、ものすごく簡単に言えば、デスゲームに向かうための理由を明らかにする話です。
デスゲームに参加する理由を描くときに難しいのは2点
「理由」と「見せ方」です。
地極楽は、この見せ方が上手い。
冒頭から「なぜ死なない?」の謎を投げかけ、読者への引きを作っています。そして、その謎は、画眉丸の過去が分かるうちに、すこしずつ理由が明らかになっていき、クライマックスの画眉丸の叫び、そして、幸せのためのわずかな希望(蜘蛛の糸)に結び付く。
読者を引き付けるための工夫。絶対必須条件ですね。

次へ:⑧ガチアクタ

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#週刊少年マガジン原作大賞にむけて、色々な漫画の第1話を分析しました。漫画原作を初めて書く方や、絵には自信があるけれども、シナリオはちょっと、という方にオススメです。

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