どう自分ごと化する?MERY初のZ世代✖️SDGsの共創コミュニティへのチャレンジの裏側とは?
株式会社MERYが運営する有料コミュニティ『MERY&』の運営をしている木綿裕美(きわたゆみ)と申します。
最近では、SDGsをテーマに様々な世代へメッセージを届けている企業やブランドを多く見かけるようになりましたが、実際のところ、どうコミュニケーションをとっていくかについて課題に感じる機会も多いのではないかと思います。特に、Z世代を中心とした世代に対しては、テーマに限らずコミュニケーション全般で課題を感じているという声も多く、そういったご相談を最近では、特に頻繁にいただくようになりました。
今回は、私たちがZ世代を中心とした世代とのコミュニティづくりにおいて試行錯誤した裏側をお伝えすることで、今後の施策のヒントになったらと思い、MERYのSDGsプロジェクトの1つとして2021年9月21日(火)〜2021年10月12日(火)の3週間限定で実施した、SDGsの期間限定コミュニティについてご紹介したいと思います。
この記事では、試行錯誤しながらも期間限定のコミュニティの場づくりにトライしながら、Z世代を中心としたメンバーをどう巻き込んでいったのか…。
その裏側を詳しくお話ししていきます。
SDGsに関して、Z世代が抱える課題感とは?
まず初めにプロジェクト実施にあたり、MERYユーザーへアンケートを実施しました。そこで印象的だったのは、約半数のユーザーが「SDGsについて取り組みたいが、何をしたらいいかわからない」という、自分自身がまず日常の中で具体的に何をすべきなのかという点において、課題を感じていることでした。
一般人が簡単に取り組める行動はあるのか気になります!SDGsの目標を見ていたら、国や企業が取り組むことがメインで私たちにできることはあるのか疑問に思ったからです。 [ 21歳 女性 ]
テーマが多すぎて私たち消費者は何から取り組みべきなの?そもそもテーマである持続可能な開発目標って何? [ 25歳 女性 ]
自分が身近にできる行動が知りたいです。メイク用品を買う時など、何に気をつけて買うべきか、どこをチェックしておくか、などが知りたいです。 [ 23歳 女性 ]
世代的にも、学校教育でSDGsについて学んでいるケースが多く、知識として知っているというユーザーは多数存在する一方で、「じゃあ、自分たちの毎日の生活の中で何をすればいいの?」という部分まで自分ごと化しきれていないケースが多いのではないかと感じました。
実際に、『MERY&』のコミュニティメンバーにもヒアリングしたところ、
・学校で習ったし、環境に関する意識も持ってはいるけど、実際に日常で今やってることはエコバックとかしかできていないかも…。
・会社でSDGsのバッジをつけているけど、実際に自分の会社がどんな取り組みをしているのか知らないかも…。
など、自分たちの中で関心や課題意識は持っているものの、SDGsが掲げる大きなテーマに対して、「じゃあ自分たちにはまず何ができそうか?」という具体的な部分で悩んでしまうといった声も多い印象を受けました。
よりSDGsを身近に感じられるようなコミュニティをつくりたい!
そこで私たち運営メンバーは、MERYユーザーが抱えるSDGsの難しそうなイメージを払拭しつつ、SDGsがより身近に日常生活の中で楽しみながらできることをテーマに、MERYのメディアにてコミュニティに参加するメンバーの募集を開始。SDGsに興味があり自分の中でも課題を感じているユーザーからの応募が多く寄せられました。
大学の授業でSDGsについて触れましたが、知識も深くなく、私は具体的な行動が未だできていません。そんななか、私にとって身近なMERYがプロジェクトを企画していることを知り、これなら私にもできるかもしれないと感じたからです。
サステナブルな取り組みに興味があり、個人的にも色々しらべています。みなさんが興味のあるものも知りたい、シェアしたいと思いプロジェクトに応募しました。
こうして、応募者の中からMERYの一般ユーザーからは48名が参加し、『MERY &』のメンバーも加わり約100名弱のメンバーにてスタートしていきました。
1.こだわったのは“濃い共感”と“共に場をつくる意識”
まず、私たち運営メンバーはコミュニティの活動内容のメインの一つとして、以下2点を重視したスペシャルイベントを設計しました。
・ゲストの強い想いに思わず共感してしまうような“濃い共感”
・メンバー・ゲスト・スタッフも一体化して、“共に場をつくっている”という全員の意識
第一弾のトークイベントのゲストとして迎えたのは、環境問題と向き合っているサステナブルブランド「coxco」を運営している西側愛弓さん。服を通してさまざまな社会課題を伝え、消費者とともに解決を目指していきたいという想いを持ちパワフルに活動されている西側さんから、
・みんなに知ってほしいファッション産業の現状
・それを西側さんご自身がどう感じて、一歩踏み出せたのか
・西側さんご自身が毎日の生活の中で大切にしている考え方や習慣
などご自身が感じたこと思っていることを赤裸々に語っていただきながら、一緒にファッションをテーマにSDGsについて考える時間をつくっていきました。
また、質問コーナーやメンバーが感想を話す時間などを設け、積極的に話せるようなアットホームな雰囲気も意識して組み立てていきました。
参加したメンバーからは、西側さんの考え方や想いに対して強く共感しているメッセージが数多く届きました。
環境負荷の話、ポリエステルの再合成技術が存在すること、海洋汚染などが真珠に影響を与えてることなど、全然知らなかったのでとても勉強になりました。
服のコストや消費の意思決定(孫まで使える)を考えてみることは、ぜひ私も心掛けてみたいと思いました。
また、個人的には西側さんの仕事への姿勢・スタンスがとても素敵だなと思い、そこも詳しく伺えればなと思いました。(同年代とは思えず背筋が伸びました・・・。)
ただお金や流行のために運営するのではなく、途上国のファッションショーやファッションによる汚染を防ぐことを理念とされていて非常に素晴らしいと感じました。西側さんのような理念を持った企業がこれからの社会の在り方なのかなと思い、私自身も今の企業で社会貢献の意図をもって活動したいと思いました。また最後の言葉は感動しました。わたしも言い訳することもやめて夢をきちんとかなえようと思いました。ありがとうございました。
▼西側愛弓さんとのトークイベントの様子の詳細
https://mery.jp/2333366
次に、人気ブランドでコミュニティメンバーからの関心も非常に高い『Cosme Kitchen(コスメキッチン)』の社員の方々をゲストにお招きし、「オーガニックライフの楽しみ方」をテーマにしたトークイベントも実施しました。ブランドとしてのSDGsにおける対策や「作る側の責任」に対する考え方、商品アイテムに対する深い想いなど普段なかなか聞く機会がない内容のお話を沢山していただくことができました。
また、少人数ごとのチームに分けて、メンバーとゲストの方々との交流タイムも設けて、メンバーからのお悩みや質問に答えていただく場もセッティングしました。
こういった普段ではお話しする機会はなかなかないブランド側の方々との濃い交流を通じて、心を動かされ、普段自分たちが“購入する”アイテムについても深く考えるきっかけになったメンバーも多かったのではないかと思います。
普段店頭では聞くことができない、コスメキッチンさんのコンセプトやバックグラウンドを聞くことができてとても勉強になりました。コスメキッチンさんがより好きになりました。
コスメキッチンのブランドに込められた想いや製品へのこだわりが伝わってきて、普段使う製品の選び方もしっかりと考えていきたいなと感じられる内容でした!SDGsにぴったりの内容でした。
ゴミの出し方に真価が問われるという言葉、すごく刺さりました。普段から商品を選ぶ時も、地球や人に優しい製品を選ぶことで、少しでもサスティナブルに生きていきたいと感じられました。
▼『Cosme Kitchen(コスメキッチン)』さんとのトークイベント詳細
https://mery.jp/2343869
2. SDGsの難しそうなイメージを、「ときめく日常」化
トークイベント以外にも、maltaという花と緑のアトリエを運営する布山瞳さんを講師としてお招きし、「長くお花を楽しむ」をテーマに、ドライフラワーと押し花の作り方を教えていただくオンライン型の体験イベントも実施しました。
このイベントの狙いは、SDGsへの取り組みに対して自分たちには難しそう…などハードルを感じてしまっているメンバーたちが、「まずは自分たちにできることから少しずつでも関連しそうなことを始めてみよう!」という明日から行動に移したいと思えるようなワクワク感を醸成することでした。
どんなイベントにするかは非常に悩みましたが、まずは、興味があるテーマで始めてみることが大切であると考え、MERYユーザーが好むテーマであるドライフラワーや押し花というテーマで“簡単・手軽さ”も踏まえたワークショップの設計にしました。結果として、「今度自分の生活に取り入れてみよう!」といった声も多く寄せられました。
お花に関する様々なお話を知ることができて良かったですし、押し花・ドライフラワーが思っていた以上に手軽にチャレンジできることを知りとても驚きました。
今回は材料を揃えることができなかったため、週末にチャレンジしてみようと思います!!
ドライフラワーをつくってみたかったのですが、自分が思ったより気兼ねせずできそうだと気づくことができました!お花を花瓶にいけるのがマイブームなのですが、かすみ草やまわりの葉などでドライフラワーを試してみようかなと思います。
季節外れのお花は育てるのにエネルギーがものすごくかかっていて、環境に悪く、季節のお花は自然に育つので環境に良いということに気づくことが出来ました。押し花とドライフラワーの作り方を知ることができてうれしかったです。
3.メンバー自身がイベントを企画して主催
コミュニティのメンバー、特にコアに活動してくれているメンバーにも積極的に意見交換をする機会も設けていきました。
意見交換をする中で、運営側が仕掛けるイベントだけではなく、メンバー自身が気軽にアウトプットし交流を楽しめる機会も必要なのではないか?というアイディアが生まれ、結果的にコミュニティメンバー自身が企画するイベントが4件ほど期間中に立ち上がりました。
「オーガニック・ナチュラルコスメ会」「ヘルシートーク会」などテーマはメンバーによって様々で、4名〜7名程度の少人数のイベントが開催され、メンバー同士がより自分たちが主役となって語り合う深い交流の時間となったようでした。
自分の意見もしっかり持ち、納得感を大切にする傾向があるこの世代のメンバーを巻き込んでいくためには、インプットだけではなく、いかにメンバー自身が主体的になって一緒にアウトプットをするきっかけをつくるかという点も、非常に重要なテーマとなってくると思っています。
4.メンバー同士で気軽にシェアし合う「場づくり」
そして、コミュニティ内でのコミュニケーションを活性化させるために、日々のチャット機能での投稿でも交流できるような場づくりにも挑戦しました。
『みんなのエコバッグを教えて!』『みんなの気になっているSDGsの○○を教えて!』など、投稿しやすいテーマを投げかけることで気軽に投稿できるような工夫も実施。3週間の期間限定でのコミュニティということもあり、コミュニティの全員が投稿を楽しむまでは至らず一部メンバーが参加した形にはなりましたが、こういった双方向の情報交換ができる場づくりは、より熱量を高めていくことで、活発化されていくのではないかと考えています。
期間限定コミュニティでみんなの意識はどう変わった?
最後に送別会オンラインパーティーを実施し、コミュニティメンバーにも感想を聞いたりアンケートを実施しました。
私たち運営側としても試行錯誤の毎日でしたが、今回の期間限定コミュニティを通じて、SDGsに対するマインドやアクションにも変化があったメンバーも多く、こういった期間限定であっても、同じ価値観や想いを持ったメンバーで集まり、交流することの意味深さを感じました。
SDGsへの取り組みについて知らないことがたくさんあり、とても勉強になりました。SDGsの項目を見ると難しそうだなと感じていましたが、プロジェクトに参加していろんな方の取り組みのお話を聞いて、とても身近なところで自分も変えていけるなと思いました。人見知りでトーク会などに参加できなかったのは心残りです(笑)楽しかったです!
今持っているものをより大切に使うようになりました。買い物も慎重になりました。
SDGsの取り組みをしている企業のブランドや商品を選び手にすることから始めたいと思います。
買い物をするときに考えて買うことです!環境への影響やどのように作られてきたのか、自分が大事に使えるかということをかんがえるようになりました。
最後に
これまで取り組みやその裏側をご紹介して参りましたが、何よりゲストの方々、協力してくださった企業・ブランド様、コミュニティメンバー、MERYの運営スタッフや編集部のメンバー、全ての人々の想いや協力があったからこそ今回の期間限定コミュニティができたと思っています。改めて関係者の皆様に感謝申し上げます。
そして、今後こうしたメディアや企業・ブランド側の一方的な発信ではなく、ユーザーと一緒になって「共に創る」という場づくりは、今まで以上に必要になってくるのではないかと感じています。そういった機会を今後も共感してくださる方々と一緒になって、MERYのプロジェクトとしても実施していきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
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