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鬱々散歩日記

曇りの日曜日。
天気予報は晴れマークなのに。

くまさんのぬいぐるみがついたトートバッグに、お散歩セットとぬいぐるみを2人詰めて出かけよう。
目的地は、Googleマップだと歩いて59分らしい。
遠いな。私の足ではどれくらいだろう。

昨日は。1ヶ月分くらい食べて、2ヶ月分くらい喋って、3ヶ月分くらい気を遣ったな。すごく疲れた。
昼頃まで寝ても疲れは抜けず、機嫌も調子も悪くて、家に居たら鬱々としてしまいそうで、出かけた。気は晴れるのか。

外は湿度が高く蒸し暑いが、風が涼しくて気持ちいい。

自販機で麦茶を買っていたら、おばあちゃんに声をかけられた。
かわいいくまちゃんだね、って。
ありがとうございます、と言いながらカバンについたくまさんの手をパタパタさせて見せた。
くまちゃん、バイバイ、って離れてからも呼びかけてくれた。
ほっと暖かく、笑顔になれる。

いつも通り山際を歩く。
紫陽花が見頃だ。
ピンクの隣に青色、マーブルカラーのものもある。紫陽花って土の酸性度で色が変わるんじゃなかったっけ。じゃあここの土は酸性なのかアルカリ性なのか。そんなにはっきりとした違いなんて、無いのかもしれないな。

早足で歩く。頭と心と体のリセット。
今日は頭の中がわりと静かだ。憂鬱そうに思えて、その実、何も考えることなんて、無いんだろう。

ハンバーグ屋さん、パスタ屋さん、喫茶店、数々の誘惑を横目に、目的の手芸屋さんに到着。
1時間強。だいたい予定通りで驚いた。

スマホメモを見ながら、必要なものを購入。
店を出ると、雨がぽつぽつしてきた。

近道して急いで帰ろう。Googleマップで最短ルートを検索。これさえあれば、どこへでも自信を持って歩いていける。ありがたい。
この路地がこんな所に繋がっていたのか。知ってる道に出てきて安心する。30年以上この街に住んでいるのに、知らないことばかりだ。

山際をすたすた歩く。来る時はあんなに人がいたのに、帰りは誰もいない。まだ外も明るいのに。瞬間、世界に自分1人になったような気になる。

手紙を出すんだった。ポストが目に入り急に思い出す。何回もポストの前をとおりすぎたような気もするが、今まですっかり忘れていた。

家に着く頃には空は薄暗く、気温も下がってきていた。きっと、誰もいない我が家。今日はお湯を貯めて、湯船に浸かって、冷えた体と憂鬱な心を温めよう。

散歩を終えても、憂鬱な気分は変わらなかった。泣きたいけれど泣く意味もなくて、涙も出ない。空虚さを感じながら、スマホに表示された15,000歩。何も無くても、この数字だけは誇らしい、今日の私が生きた証。

ただいま。

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