えんど

かきちらし

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最近の記事

日記帳

10年以上前の日記帳を探した。 あの頃の気持ちを思い出せる気がして。 汗だくになって泣きながら探した。 でも、どこにも無かった。 捨ててしまったような気もする。 もう、あの頃の気持ちには戻れないんだ。絶望。 探し疲れて泣き疲れて。 もし見つかったとしても、あの頃の気持ちになんてなれない、共感できないんだろうなって、なんとなくわかってる。 若かった頃。情熱を持っていた頃。恋に恋い焦がれてた頃。 眩しくて、羨ましくて、また味わいたいなって思ったんだ。 ぜんぶ私なのに。

    • 8時間電車の旅

      電車が好き。 乗る方。詳しいとかそういうのではないけど、移動手段として単純に好き。 窓の外を眺めるのが好き。新幹線では速すぎる。鈍行がいい。何駅も何駅も越えて、いろんな景色の中を走り抜ける。山も川も海も越える。トンネルもいくつも越える。 こんなに長距離を移動できるなんて、なんだか自分がすごい人のような気持ちになる。ただ座ってボーっとしてるだけなのに。 小さい頃。おばあちゃん家に行くのに、お母さんと妹たちとみんなで出かけたことを思い出す。お母さんとの電車旅。お父さんがいると

      • わたしって

        何も無い。 自慢できる特技も、特徴も、長所も、何も。 そんな私のいちばんの強みってなんだろうってずっと考えてた。 〝個性、オリジナリティ〟 今のところこの答えに行き着く。 何も無い私でも、私はこの世に私一人しかいなくて。私の考え方、生き方は私にしかできなくて。私のことも私しか知らない。 私が私である限り、それは全部個性だって、許せるような、認められるような気持ちを抱けるようになった。私らしさは私にしかない。 今も考えてる。

        • 2024年7月6日

          土曜の午後。 ワンピースの裾上げをしながら、映画を見よう。 明日は人生に一度の大切な日。 ネイルシールに、ハンカチ、高めヒールのパンプス。必要なものは揃えた。 「アステロイド・シティ」 かわいくて愉快で意味不明な映画だった。 突飛なことが起きても日常は進んでいくし、非日常の次には普通の日常に戻るし、日々変わっていないようだけど変化してる。意味がないようなことも考えようによっては意味をもつ。 映画に夢中になりすぎて、裾上げが半分も終わらなかった。まずい。では、さっきは吹き

          SNSに並んだ写真は「私」なのか

          インスタの私のアカウントにずらーっと並んだ写真。旅行先の風景、美味しかった食べ物、買ったかわいい服やぬいぐるみ。 これらは、果たして「私」なのか。 いや、そもそも「私」では無い。時々は顔出ししてるけど、メインは「私以外」だから。 そういうことではなくて、「私」と言えるのだろうか、ということ。 最近、子どもの頃の写真を見る機会があり、ふと考えた。30代の私。昔は写真を撮るのは、ほとんどの場合が記念撮影であり、撮るものはほぼ、近しい人間であった。写真が趣味の人なら別だし、あく

          SNSに並んだ写真は「私」なのか

          鬱々散歩日記

          曇りの日曜日。 天気予報は晴れマークなのに。 くまさんのぬいぐるみがついたトートバッグに、お散歩セットとぬいぐるみを2人詰めて出かけよう。 目的地は、Googleマップだと歩いて59分らしい。 遠いな。私の足ではどれくらいだろう。 昨日は。1ヶ月分くらい食べて、2ヶ月分くらい喋って、3ヶ月分くらい気を遣ったな。すごく疲れた。 昼頃まで寝ても疲れは抜けず、機嫌も調子も悪くて、家に居たら鬱々としてしまいそうで、出かけた。気は晴れるのか。 外は湿度が高く蒸し暑いが、風が涼しく

          鬱々散歩日記

          私らしさってなに

          私らしさ。個性。 てなに、って考える。 自室を見渡しても。小さいものから大きいもの、やわらかいものから硬いもの、綺麗なものから汚れたもの、ごちゃごちゃしていて統一感がなく、これと言って表す言葉も見つからない。 統一感のある部屋や、一貫性のある人、その人独自の個性、世界観のある人に憧れた。 いまは多様性の時代、ってよく聞く。 どんな個性も特徴も、許させるし、認められるし、尊重されるべきってこと。 誰かみたいになろうとしたり、みんなにあわせたりする必要なんかないってこと。

          私らしさってなに

          ココロトリモドセ

          Twitterをやめて2週間経った。 前は、いつも何かが欲しかったし、何かを求めてた。 新しいものを常に探している感じ。かわいいもの、おもしろいもの、欲しいもの、楽しいもの。嬉しい反応、言葉。 そしていつもむかついてたり、少し怒ってたり、負の感情を持ってた。いらいら、不安、恥、侮蔑、嫌悪。 情報と、感情の波から離れて。 今は、とってもゆっくり、ゆったりとしている。凪の海。 今すでに身の回りにあるものに対しての気持ちを、じっくり味わうというか、なんだかのんびりしている。

          ココロトリモドセ

          メメント・モリ 嫌でも毎晩思う 夜は静かすぎてこわい 小さな灯りをつけては消す 繰り返し 隣で眠るあなたと同じ夢で眠りたい 毎晩の願い 叶わない 結局はひとりなの こわい

          アイス10個でXやめる話

          アイスクリーム屋さんのキャンペーンをTwitterで知り、買い物ついでに覗いてみた。信じられないくらい並んでた。この田舎で。 私は超逆張り人間だった。 ハリーポッターは頑として見ようとしなかったし、大学の第二言語は学年で5人しかいないロシア語を選択したし、世間の流れには斜に構えて批判ばかり言う。 ひと昔前まで、Twitterで知った情報って周りに得意げに話せるものだった。みんな知らないはずって。 そんなこと無かった。いや、だいぶ前からそうだったんだろうけど、本当にそんな

          アイス10個でXやめる話

          つれづれ通院日記

          早咲きの紫陽花はもう枯れている。 ひとんちの庭で季節を感じる。 行くべき日から5日も過ぎてるし、何日間かさぼったから薬が余っている。そんなこと言えない。 私のすべてを私は知っている気になってた。 けれど。私がどうしようもない状況の時、私はどうすれば、どうしてあげればいいのか、知らない。 サイレンが聞こえる。それがパトカーなのか、救急車なのか、はたまた消防車なのか。そんなことすらわからない。 山の際をなぞるように歩く。 変な名前のアパートの脇を通り抜ける。 中学生の下校時間

          つれづれ通院日記

          わたしのいばしょ

          ってどこ? Twitter?Instagram? ちがうよね 違うって言いたい 私の居場所は 大好きな人のとなり ふわふわのお布団の中 日記帳のページの上 そこにしかいたくない なんて思って やっぱりSNSは向かないし 心底嫌いだし離れたいし辞めたい そう思えるかっこいい私になりたい 考えは堂々巡りするし毎日病むし 中毒だから無理かもしれないけど がんばるって言葉さいきん好きじゃないんだけど がんばるよ

          わたしのいばしょ

          コピーロボット

          「わたし コピーロボットだったみたい」 鼻の頭に出来た赤いニキビを指して君は言った。 大丈夫だよ かわいいかわいい君は ホンモノ だよ たぶんね。

          コピーロボット

          4月のある週のこと

          パッチワークをしよう。 お気に入りならいくらでもある。 そう思っていたのに。 たった20枚の正方形を集めるのに苦戦した。 私の好きなもの。たくさんあると思ったのに、数えてみればこれぽっちなんだ。 なんて呆気ない。 お気に入りを肌身離さず持ち歩く癖がある。 家の中でも、部屋から部屋へ、2階から1階へ。寝る時は枕元に。散歩の時にはポシェットの中に。 作り始めた日は鬱の真っ只中で、ひと通り並べたはいいが、かわいいとか思う気力が無かった。かわいいはずだという薄い感覚で何度も布を

          4月のある週のこと

          はんぶんこ

          冷凍パスタを半分こして食べる、そんな幸せ。 かわいいものを見つければ、似てるってLINEして、 美味しいものを食べれば、今度一緒に食べようよって計画立てて。 君に僕以上に大切な人ができても、僕の順番が変わってしまっても、変わらなくても。 ずっと、僕の気持ちは変わらない。 そんなに遠くに行くわけじゃないんだからって言うけど。 何も変わらないって言うけど。 僕の力だけで会いに行けないところに行ってしまうのなら、全部一緒だよ。 ずっと一緒にいたかった 変わらない僕は、君が変

          はんぶんこ

          ひとりだけ

          君しかいない。 君だけでいい。 ずっとそばに。 ずっと一緒に。 変わらないでいて。 忘れないでいて。 どうかこのままで。 途方もなく怖くて、悲しくて。 でもこの気持ちもいつか慣れてしまうのが、もっと怖くて。 悲しいよ。行かないで

          ひとりだけ