【アングラネタシリーズ「さきこ、Vチューバーにハマる」の巻き②】
さきこはヒカルのツイートを見ていた。
さきこ:あら、ヒカル、城ヶ崎姫子さんの配信ツイートしてる!今ここに行けば、リスナーでヒカルがいるのね!
これはもうストーカーの第一歩である。さきこは城ヶ崎の配信を見に行った。
城ヶ崎:「こん姫〜♡さきこさん、初見で来てくれてありがとう。ゆっくりしていってね!」
声がぶりっ子でなんか腹が立った。でもリスナー一覧を見ると……
さきこ:あっ、ヒカルがいる!
ヒカル:「姫子、俺から気持ちだよ!はい、1000円のケーキだ!」
姫子:「わー!ヒカル〜♡ないギフー!ありがとー。ヒカル大好きぃ〜♡これからも仲良くしてね!」
ヒカル:「マジで姫子の事尊敬してるー!」
さきこはヤキモチを焼いた。
さきこ:ヒカルって… 城ヶ崎さんの事がお気に入りなのかな?
悔しくてすぐに退室してしまった。しかし自分も配信を始めればヒカルが来てくれるんじゃないかと思った。個人勢で配信を始めた。30分経ってやっと人が来た。
よしこ:「こんにちは。さくらさん、配信始めたんだね」
さきこ:「よしこさん!来てくれてありがとう」
ねぎし:「よしこさんの配信ツイートから来たよ〜ん」
クラスの不細工な男子、ねぎしくん。ヒカルが来るわけがなかった…。
さきこ:はあ、うまく行かないものね。
さきこはすっかりヒカルにガチ恋だった。
さきこ:ヒカルって普段どんな人なんだろう? やっぱり実物もヒデキ似なのかな?アイコンリングのDMだけじゃあ何もわからないわ。でも探って嫌われたくないし…
さきこはヒデキのレコードを買う事も諦め、必死でお小遣いを貯めた。手の届かない西城秀樹を応援するよりも、ライバーのヒカルだったらいつかリア凸(リアルで会う事) できるんじゃないかと妄想が止まらなかった。
さきこ:声もヒデキに似てるし、素敵な彼に違いないわ!付き合えるかもしれない?きゃー!!
しかしヒカルには絶対誰にも知られてはならない秘密があった。なんとヒカルの正体は、みまつやのおじさんだったのだ。
みまつや:いやぁー、最近お店の売り上げが悪くて、まさかライバー始めたらS帯までくるとはなぁ! さきこさんやよしこさんやたまちゃんが投げてくれるからなぁ。夢を壊しちゃいけないから、この事は絶対にバレないようしないとな!
ある日道でよしこさんとみまつやさんは遭遇した。
よしこ:こんにちは。
みまつや:はいこんにちは。
みまつやさんはしらす君のTシャツを着ていた。イベントでリスナーに応援してもらって手に入れたTシャツだ。
よしこ:あっ、しらすTシャツ!なんでそれ持ってるんですか?
みまつや:あ、ああ〜、これはね、メルカリで買ったのさ。
よしこ:え… ひどい人がいるもんですね。そういうのをメルカリに出すのはよくないわ。それを買うみまつやさんも良くないですよ。
みまつや:は、はい、反省します。
なんとかバレずに済んだ。
よしこ:さくらさんおはよう。今日みまつやさんがしらすのTシャツ着てたのよ?
さきこ:Vチューバーの事なんて何も知らないおじさんがねぇ(笑)
二人はまさかみまつやがヒカルだなんて1ミリも気付くわけなかった。
後半へ続く
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