【アングラネタシリーズ 「さきこ、Vチューバーにハマる」の巻き ① 】
まる子の姉さきこは、最近推し活にハマっている。推しはVチューバーだ。キャラクターの姿で生配信をする人の事だ。さきこの推しの名前は、西城ヒカル。ルックスが大好きな西城秀樹にそっくりなため、沼から抜け出せなくなっていた。
さきこ:あ、ヒカルの配信始まった!時間遅いし眠いけど、少しでも声が聞きたいわ!
さきこが入室すると嬉しそうに出迎えるヒカル。
ヒカル:お、さきこ。こんヒカ〜。来てくれてありがとう。こんな時間に夜更かしさんだな?でもさきこなら来てくれるじゃないかって思ってたとこだよ。
さきこは、ヒカルにもっと気に入られようと課金をした。お母さんからのお小遣いをコツコツため、有料のギフトをヒカルに投げた。
500円のギフトだ。
さきこ:「私からの気持ち。はい、500円の花束♡」
ヒカル:「おおー!マジで!?さきこ、ありがとう!嬉しいよ!さきこのお陰で配信頑張れちゃうよ!」
さきこは☆1バッチを取得した。☆バッチというのは5段階あって、数値が大きければ大きいほど課金して応援をしたという証だ。
さきこ:でもヒカルの枠のリスナーの、同じクラスのよしこさんは、☆3バッチをとってるわ。
よしこ:「ヒカルさん、お疲れ様!はい、私からは3千円のカクテルよ!」
ヒカル:「おー!よしこ!ないギフ!ありがとなー!ほんと助かるよ。よしこに出会えマジで良かった。後でファン鯖招待するからな!」
ファン鯖というのはファンサーバーの略で、たくさん応援したファンが交流できるアプリである。稀にヒカル本人も現れる。
さきこ:悔しい… よしこさんだけずるい。私もヒカルのファン鯖に入りたい。でも☆3以上とらないと入れないのよねぇ。お小遣いが足りない…
翌日。
さきこ:あら、よしこさん。最近ヒカルの枠でよく会うわね。
よしこ:さくらさんもすっかりヒカルのファンね!まあ私の方が最古参だけど。
そう、よしこの方が前からヒカルのファンだったのだ。
よしこ:ヒカルったらね、デビューの頃はもっと素で話しててねぇ。あっ、これは秘密なんだ。ごめんね。
よしこは最古マウントをとった。
さきこ:え… 私の知らない初期のヒカルの事、もっと知りたい…。ねぇ、ファン鯖でヒカルと通話した事あるんでしょう?
よしこ:え、うん。まあね。でも秘密主義だから。
さきこ:よしこさんだけいいなぁ。
よしこ:だって必死でお小遣い貯めて投げてるんだもの。私先月は3万よ?さくらさんは?
さきこ: ………5千円。
よしこ:あとちょっと頑張ればさくらさんもファン鯖入れるわよ?とっても楽しいところよ!
よしこはマウントをとった。2人の仲に卑劣が入った。さきこはイラついていたが、よしこと仲良くしていればヒカルの情報が手に入ると思い縁を切らなかった。
さきこはヒカルがどこで何をしているのかいつも気になり、ネトストばりにTwitterをチェックしていた。
さきこ:ヒカル… たまちゃんにリプしてる。仲良いのかな… (嫉妬のため息) あ、S1ライバーの城ヶ崎姫子さんと仲良しなんだ… 人気者同士って繋がりがあるのね。羨ましいなあ。
さきこはリスナー専門だったが、ライバー同士になれば少しでもヒカルに近付けるんじゃないかと、個人勢で配信もする事に決めた。
後半へ続く。
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