「まる子と城ヶ崎さんの地下ライブ」その③
城ヶ崎:お客さん、来ないわねぇ。あ、はまじの出番だわ。
はまじ:こんにゃくのものまね!!
城ヶ崎:お客さん0人の前で…ある意味メンタル強いわ。あ、私の番だわ。曲先行で始まるネタよ。暗転ができないから後ろ向きで板に立って… あら?曲が流れないわ… まだ流れない。さすがにないわ… 「曲!ここで曲をお願いします!」 ネタの世界観壊れたわ。でも仕方ないわね。
藤木:あっ、いけない、忘れてた。
城ヶ崎:「私はお城に住んでるお姫様よ!ケーキ大好き、お花大好き、ハーブティー大好き!でもそんな私がもう一つ好きなのは…」
あら、ここで曲が止まってボケなのに、止まらないわね…
「そんな私がもう一つ好きなのは」
音響の藤木何やってんのよ!さっきリハしたのに!
「ここで音を止めてちょうだい!止めるのよ、藤木!」
音が止まる
「永沢よ!なぜ私があんなクソ玉ねぎが気になるのかしら?」
ここでネタと関係ないドリフ大爆笑のBGMが流れる
「ちょっと、この曲じゃないわよ!お城のBGMよ!トラック1よ」
音響の藤木の大ミスによって、ネタは大失敗だった。その後。
城ヶ崎:藤木、レコード返して。
藤木:はい。
城ヶ崎:(えっ、嘘でしょう?謝らないわけ!?)
藤木:まぁ今日は無観客だったから良かったじゃないか。
城ヶ崎:え、あ、そうね。(悪びれない卑怯な態度、ありえないわ!)
その後
城ヶ崎:さくらさん、藤木あれだけミスして謝らなかったのよ!ありえなくない?
まる子:非常識だよね。でも主催者が山田だしねぇ。藤木だとポンコツとか、そこら辺なんにも考えてないんじゃないかな?
城ヶ崎:なんか随分テキトーね。
まる子:まぁ、こういうライブもあるよ。きっかけが複雑だったらこっちにも非があるけどさ、頭に曲かけるだけとかで、二千円払ったのにミスが起きて、謝ればいいけどさ。でも悪びれないってのは腹立つよねぇ。
その後
城ヶ崎:さくらさん、今日はありがとう。またね。
みまつやの店の前に佐々木の爺さんが立っていた。
佐々木:おやおや城ヶ崎さん。写真を撮っていいですか?
城ヶ崎:え、は、はい。いいですよ。
佐々木:パシャパシャパシャ
城ヶ崎:結構撮るのねぇ。
佐々木:城ヶ崎さんのネタ、年寄りにはよくわかりませんでしたねぇ。
城ヶ崎:はぁ、すみません。(なんで私が謝るのよ)
佐々木:木に語りかけるネタとかはどうですか?
評論家のように立ち話を始める佐々木の爺さん。するとまる子達現れる。
まる子:あ、城ヶ崎さん、お疲れ!これからはまじ、藤木、山田と日高屋でご飯食べてから帰るけど、城ヶ崎さんも来る?
城ヶ崎:ええ、行きましょう!
佐々木:おやおや、楽しそうですねぇ。
そう言って、まる子達の半歩後ろを着いてくる佐々木の爺さん。
城ヶ崎:(なんか嫌な予感が…)
そして日高屋に入る。
まる子:あ、ここの端っこの席空いてるねぇ。ここ座ろう!
まる子、はまじ、山田、藤木、城ヶ崎が席につく。
佐々木:さ〜て、よっこいしょ。
何食わぬ顔顔ですぐ近くの席に座る佐々木の爺さん。
まる子:えーと、みんなラーメン?あ、山田はチャーハンね。おばさ〜ん、すみませ〜ん。
ラーメン4つにチャーハン1つ
佐々木:それと、焼きうどんを下さい。
何食わぬ顔で一緒に芸人の打ち上げにさりげなく同行の雰囲気で過ごした佐々木の爺さんであった。
翌日
城ヶ崎:ねぇさくらさん、お客さんも一緒に打ち合げってどうなのかしら?
まる子:主催者がOKしてる場合もあるね。それに昨日みたいなパターンは、一緒にっていうより、たまたま同じ飲食店に入ったお客さんって事になるから、注意する理由もないしねぇ。
城ヶ崎:そんなに自由なのね?
藤木:そうさ。前なんてお客さんの川田さんが来た時、「ここの中華一番街に打ち上げで来ると思いましたよ」って先に来てたね。
城ヶ崎:芸人とお客さんってそんなに簡単に交流できちゃうのね?
まる子:だってあたし達は地下芸人だよ?お客さんが1人でも来てくれないとライブは開催できないんだよ。
はまじ:おう、お客さんは神様だ
城ヶ崎:そんな考えもあるのねぇ。私はなんか違うと思っちゃったけど、私の心が狭いのかしら?
まる子:城ヶ崎さんの気持ちわかるよ。そこの線引きって本当はないと困るもんだよねぇ。まぁ、関係性にもよるから一概には言えないけど。
城ヶ崎:私は売れてる時、有名な花輪くんとイベントに出た時、裏口からヒデじいさんが車で打ち上げ会場まで送迎してくれたわ。お客さんは勝手に着いてこれなかったわ。
まる子:売れてる人の扱いってエリートなんだねぇ。
後半へ続く
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