買ってみたい!株式優待のある株③京セラ6971
資産運用のために日本株の分析、投資を始めました。
私の投資銘柄の第一選択基準はまずこの3つです。
①高配当(3%以上)である
②できれば家族の役にたつ株主優待がある
③長く応援したいと思える会社
上の条件をクリアし、なおかつ、森口亮さんのエクセル株投資の考え方を参考に分析して、投資価値があると判断した銘柄に投資したいと考えています。
今日分析した銘柄は
『京セラ』
です。
京セラは、国内の電子部品業界でトップの売上高を誇る会社です。
高品質なセラミック製品を中心に、製品の品質や信頼性が高く、世界中で幅広い産業分野で利用され、素材から部品、デバイス、機器、さらにはサービスやネットワーク事業なども手掛けています。
具体的にはファインセラミック部品、半導体部品、電子デバイス、通信機器などがあり、その中でも特にスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に使用される小型セラミックコンポーネントに強みがあります。
今回京セラを分析してみようと思ったきっかけはわっけさんというユーチューバーさんのYouTube動画を観て、その斬新な投資のきっかけに興味を持ったからです。
わっけさんが京セラに興味をもったきっかけは、年初来安値を何回も更新しているからということでした。
これは私が株を買う理由に絶対にない理由だったので、そういった銘柄にどんな希望が見えて、それがどんな風に株価の上昇に裏付けできるのか、私なりに検証してみたくなりました。
ですので、今回は私がいつもしている分析方法で京セラ銘柄分析を行い、そのあとにわっけさんの上げた株価押上要因の中身を確認。
その上で投資対象にできるかを検討したいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
まずは私の始めの第一選択基準に照らし合わせてみます。
①高配当(3%以上)である
△2.65%(R6.7.1現在)ですが、この10年の配当性向は上がっており株主還元に力を入れているのがわかります。
②できれば家族の役にたつ株主優待がある
〇2023.12.26 新たな株主優待を発表
従来の株主優待は、3月末と9月末時点の全株主が対象で、内容は「自社およびグループ会社指定製品・サービスの優待価格販売を実施」というもの。
今後はこれに加えて「3月末時点で100株以上を1年以上継続保有する株主」を対象に、保有株数と保有期間に応じて「QUOカード」か「カタログギフト」を贈呈するそうです。
③長く応援したいと思える会社か 〇経営の神様稲盛和夫さんが創業された会社で、その経営理念などにとても共感します。日本を代表する会社を応援したいです。
☆今回は次に株価を押し上げる材料を待つトレードを想定していて、高配当や株主優待を得ることが目的ではありませんが、①、②で株主還元ををどのように扱っているか判断できると思います。
直近10年では配当性向を上げてきており、前回の株主総会で新たな株主優待を掲げてきて、株主にとってはとても好感がもてると思います。
歴史のある日本を代表する会社を応援したいと思います。
総合分析
成長性7点 収益性3点 割安性7.3点 安全性9.7点 大化け性4.3
総合分析の結果は大幅上昇する可能性はないかもしれませんが、安全性が高く、割安と判断できるので、目標株価まで待つトレードができると考えます。
ですが今の目標株価まで、上昇幅が少ないのでリスクリターンで考えるとどうなのか気になります。
先にチャートを見ておきたいと思います。
現在13週と26週は下向き、52週が上向きから横横になっています。
下落トレンドでしたが、5月30日に底打ち反転し可能性があります。
前回高値の2333円をターゲットに前回安値1753円をロスカット値とすると、現在の株価1867円でリスクリターンを計算すると466:114=4.09なので、何が材料が出てきて高値をめざすようなトレードが考えられるようなら、売買を検討できると判断します。
ではここから詳しく分析していきましょう。
まずは業績推移から見てみます。
3期平均 売上0.8% 営業利益-7.7% 1株益-7.1%
売上は減収もありますが、長い期間で見た場合は成長しているとわかります。
利益については、過去2期続き今期予想は一転増益予想です。
4月26日の決算短信を読んでみると、今期は半導体関連や情報通信関連市場は依然として在庫調整などの影響があり、回復には至りませんでした。とあります。
また利益は、将来的な生産拡大に向けた積極的な設備投資を継続している一方で、受注減少に伴う生産設備の稼働率低下や、人件費等の増加を主因に減少しました。とありました。
以上の点から今年は回復が見込まれ、増益予想になっているようです。
半導体関連の売り上げがあがれば、増収も期待できるのではないかと思われますし、設備投資で人手不足が解消・人件費の増加も抑えることができればなお利益が見込めますね。
増収増益があれば株価に好影響しそうです。
また収益性が低めにでていたので気になります。
詳しく見ておきましょう。
収益性
営業利益率 5.37% ROE 3.47%
どちらもあまり高くなく収益率は高いとは言えません。
同業者とも比較してみましょう。
売上総利益率 27.6% 平均
販管費率 23.0% 平均
営業利益率 4.6% 平均
どれも同業者との比較では平均的で、収益性は特に低いわけでもなく一般的と言えるようです。
そこで残る心配は低い大化け性ですが、ここでわっけさんのYouTube動画であげられていた3つの株価押上要因について確認したいと思います。
3つの株価をあげる要因
①PBR1倍割れ対策(現在0.84倍)のための政策保有株KDDIの売却の行方
②株式総会での会長・社長の再任への思惑
③キャピタルアロケーションの行方
を検証したいと思います。
①PBR1倍割れ対策(現在0.84倍)のための政策保有株KDDIの売却の行方
2023年末に株価が上がったのはPBR1倍割れ対策について政策保有株の売却をどのように活用していくのかに焦点があたったが、この時は具体的な発表がなく株価が下落。
なので政策保有株KDDIの売却の活用法にサプライズがあれば株価上昇に期待が持てると考えられます。
※PBR1倍割問題とは・・・・・2023年3月、東京証券取引所(東証)から「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」が発表され、上場企業の多くで「PBR1倍割れ」が起きていること、資本収益性や成長性の観点で課題があることなどが指摘された問題。
「PBRが1を割る」ということは、理論上は株式価値よりも解散価値の方が高い、今後事業継続して得られる価値よりも、会社が解散した場合に株主に分配される金額が高いと評価されてしまっているということになります。
なので東証はPBR1倍割れの企業に対して改善の方針を示すこと、そして進捗を開示することも求めています。
この政策保有株の売却なんですが、京セラはKDDIの大株主で、約1兆7000億円分を持っています。
1月23日付の日本経済新聞朝刊は、同社の谷本秀夫社長が取材に応じ、政策保有するKDDI<9433.T>株について2024年秋に具体的な活用策を示す方針を明らかにしたと報じています。
簿価(買い付けた価格)の5%と言うことですので、そこまで大きくはないと思われますが、この秋の具体的な活用策の内容次第では株価の押上が期待できそうです。
②23年6月の株主総会で谷本秀夫社長の取締役再任議案の賛成率が65%に急落した。
(会長の再任議案の賛成率も同様に下がっている)
上記の件に関して今年の株主総会でもご本人が危機感をお話しています。
(再任議案は2年おきで次回は来年)
この再任議案の賛成率についてインターネットで調べてみると米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が政策保有株の多さを理由に反対を推奨したことが理由の一つとありました。
例の『もの言う株主』ですね。
ではなぜ政策保有株を多く持つことはいけないのでしょうか。
まずROEとは、「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」ともいいます主が出資したお金を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したもので、「企業がどれぐらい効率良くお金を稼いでいるか」を示す財務指標です。
ROE(自己資本利益率)と政策保有株式には、次のような関係があります。
ROEが低い企業は、政策保有株式の純資産比率が高い傾向がある。
政策保有株式が多い企業は収益性が低い事業を有するため、収益性が低いと考えられる。
上記の理由から『もの言う株主』から、政策保有株式の売買をせまられるのですね。
しないと議決権で再任に反対するぞ!、ということらしいです。
会長・社長の再任のためにも、どんなROEの改善策が出てくるのでしょうか。
そしてこれが株価を押し上げる材料になるのか注目です。
③キャピタルアロケーションの行方
下記は決算短資にあった中期経営計画です。
ここには配当金約3000億円とありますが、24年から25年で1400億円前後程度になっていますので配当金の増配余力がまだまだあるようです。
また配当金履歴を見ると、この3年は増配なく据え置きされているので、次回増配があればインパクトもあり株価を押し上げてくれるかもしれません。
以上、わっけさんのあげていた株価があがる要因は期待できるものと判断します。
最後にまとめますと、総合分析で心配な点だった収益性は同業他社との比較ででは平均的なものとわかりましたし、大化け性は低くでましたが、政策保有株の行方次第ではROEも改善も期待され、株価押上期待が充分にあります。
まだ年初来安値近くにある京セラ株を、秋の政策保有株売却の活用策に期待して買ってみたいと考えます。
※今回優待や配当のある銘柄の短期的な急騰の理由を考えて投資するという視点を学び、とても参考になりました。