おとしより　の　とりあつかい　せつめいしょ　１７４

きょう　の　いちぶん

　おとしより　は　これまで　に　

　いろんな　しごと　を　させて　もらった

　おもしろい　しごと　ばかり　じゃ　なくて

　いやな　しごと　も　もちろん　あった

　でも　いまに　なって　かんがえて　みる　と

　どの　しごと　も　それなり　に　たのしかった　

　おとしより　が　いちばん　ながく　した　しごと　が

　ぶんか　ほーる　での　しごと

　いなかまち　の　ちいさな　ほーる　だけど　

　みそら　ひばり　さん　が　きた　ことが　あった

　ほーる　の　なか　には　ぶたい　と　きゃくせき　が　ある

　その　くぎり　が　・どんちょう・　という　おおきな　まく・かーてん

　きゃくせき　が　あり　どんちょう　が　あり

　その　うらがわ　に　ぶたい・すてーじ　が　ある

　さらに　その　おく　に　がくや　や　りはーさるしつ　が　あり

　おふろ　なんか　も　ついて　いる

　ぶたい　には　しもて　と　かみて　と　いう　ばしょ　が　ある

　しもて　と　いう　のは　きゃくせき　から　みて　ひだりがわ

　しかいしゃ・えむしー　は　かならず　しもて　から　でる　

　そして　かみて　から　でる　のは　げいのうじん　や

　おはなし　を　する　せんせい　の　みなさん

　ほーる　の　こやづき・しょくいん　は

　かならず　しもて　に　すたんばい　して　いる

　いまの　じだいは　ない　と　おもう　けど

　むかし　は　ほちょうき　が　よく　はっしん　した

　かいえん　まえ　に　きゃくせき　で　

　ぴー　ぴー　ぴー　・・　と　おおきな　おと　が　なりはじめる

　あわてて　きゃくせき　へ　いき

　だれ　が　ほちょうき　を　して　いる　のか　さがす

　ほちょうき　を　して　いる　くらい　だから

　ほんにん　に　その　おと　は　きこえない

　みつけたら　その　ひとに　はっしん　して　いる　ことを　つたえて

　めいわく　に　ならない　よう　に　なおして　もらう

　ぶたいじょう　で　じこ　が　あって　も

　きゃくせき　で　もめごと　が　あって　も

　すべて　ほーる　の　せきにん　に　なる

　どんちょう　の　あげ　おろし　や

　おんきょう　しょうめい　ぴんすぽっと　しつ　への　れんらく　は

　かならず　こやづき・しょくいん　が　する

　ぴんすぽっと　と　いう　のは　

　かしゅ　の　ひと　なんか　が　ぶたい　に　でて　くる　と　

　はじめ　みけん　の　あたり　に　ちいさく　あたり

　からだ　ぜんたい　を　まるく　かこむ　ように　ひろがる

　あかるい　すぽっと　らいと

　にかい　きゃくせき　の　さらに　おく　に　ある　へや　から　

　ぶたい　の　うえに　いる　ひと　に　ねらい　を　さだめる

　とても　ぎじゅつ　りょく　の　いる　しごと　で

　じゅうぶん　に　けいけん　の　ある　ひと　じゃ　ないと　

　とても　できない

　おとしより　も　れんしゅう　した　こと　が　ある　けど　

　うまく　できな　かった

　もう　すぐ　しょうー　が　はじまる　と　いう　ほんばん　まえ　　

　こやづき・しょくいん　が　３にん

　どんちょう　うらの　しもて　に　おいてある　いすに　すわって　いた

　そこへ　くろい　せびろ　を　きた　だんせい　が　やって　くる

　みため　は　すこし　こわもて　の　かんじ

　おとしより　たち　は　ちょっと　きんちょう　した

　こやづき・しょくいん　の　まえ　まで　くると

　だんせい　が　たち　どまる

　まこと　に　もうし　わけ　ありま　せんが　・・

　はなし　はじめた

　おじょう　が　ぶたい　へ　くる　とき　に

　たって　もらえません　か　・・　と　いった

　こやづき・しょくいん　は　きほんてき　に　かならず　しもてに　いる

　だから　ぶたい　の　かんけいしゃ　は　ぜんいん　

　しもて　に　こやづき・しょくいん　が　いる　と　おもって　いる

　でも　こうえんちゅう　ずっと　たって　いる　わけ　では　なく

　いす　に　すわって　いる　のが　ふつう　だった

　みそら　ひばり　さん　が　ぶたい　へ　でてくる　とき　に　

　たって　いれば　いいん　ですね　・・

　こやづき　の　ひとり　が　ききかえした

　はい　そうです　おねがい　します　・・　

　だんせい　は　ぺこり　と　あたま　を　さげて　かえって　いった　

　ほーる　を　かしだす　がわ　には　きまった　るーる　が　あり

　それは　ほーる　に　よって　ちがったり　する　

　だから　かりる　ほう　は　その　るーる　を　まもり

　ほーる　がわ　の　しょくいん　に　むり　は　いわない

　しばらく　する　と　ひばりさん　が　いる　がくや　の　まえ　から

　ろうか　を　とおって　ぶたい　まで　

　さっき　の　くろい　せびろ　を　きた　だんせい　たち　が

　まっかな　じゅうたん　を　しき　はじめた　

　その　ぶたい　は　・いたつき・　で　はじまる

　・いたつき・　と　いう　のは　

　どんちょう　が　あがる　まえ　には

　ぶたい　の　うえ　に　ひばりさん　が　いる　こと　・・

　きゃくせき　から　みて　いる　と　

　どんちょう　が　すこしづつ　あがって　いく　と　

　そこに　みそら　ひばり　さん　が　たって　いる　・・

　そんな　じょうたい

　だから　ひばりさん　は　かみて　では　なく　

　しもて　を　とおって　でて　くるの　だろう

　きゅう　に　がくや　が　あわただしく　なった

　さっき　の　だんせい　が　はしって　くる

　おねがい　します　・・

　おとしより　たち　３にん　が　たちあがる

　まっかな　じゅうたん　の　うえ　を　さっそう　と　あるいて

　おじょう　みそら　ひばり　さん　が　ぶたい　へ　でて　いく

とりあつかい　ちゅういてん

　はなやかな　ぶたい　の　うら　には　

　かならず　おおくの　かげの　そんざい　

　おじょうの　ような　かしゅは　もうでない