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『21年間生きてて一番笑っているかも』 ~海士町で過ごす日々の中で~
私たちは、2024年11月に出会った。
名前:市川和世(いちかわかずよ)/誕生日:1月11日/
年齢:二十一歳
和世、平和な世界で過ごしてね というなんだかこの世界を照らしてくれるような由来を持っている。
そんな彼女は、海から顔を出すと輝きを増し人々を笑顔にさせる
太陽のようなエネルギーを持ったひと。
彼女が感じた、海士での2か月などんなものだったのでしょう。
〝どうしてこの島へ〟
インスタで見つけた島体験の広告。
新しい生活に慣れてきた大学一年次に、たまたま見た
〝島へのお試し移住制度〟のことを憶えていたこともあって
再度三年後(四か月前)島体験の広告を見つけたときに
参画(挑戦)したいという想いが芽生えたんです。
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来島以前は、挑戦できる人ではなかった。
わたしは
色んなことを、
いろんな理由をつけて諦めることが多かったんです。
だからこそ何かしらの挑戦を、時間のある今やりたくて。
大学へ通い始めて四年が経つ今年、ゼミだけの学生生活をやり過ごして社会人になるには葛藤があったという。
「これだ!って思ったんです。
実は、直感でしかなくて、、、(笑)」
一度、応募し面接の日程まで決まっていたものの
次年度の内定先が決まっていて本当にその会社が自分に合うものなのか迷っている時期でした。
踏み出したくて応募した島体験。その時は、内定先セレモニーがあったこともあり辞退。
その後、
一か月遅れの来島許可が出たという知らせを受け島体験に飛び込むことを
決意しました。
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商品が売っています
〝新しい自分を探して〟
この島体験、間違いじゃなかった。
新しいものに出会うには、自身を知らない誰かを伝うべきというのを聞いたことがあります。海士町での暮らしを通して、肉体面・精神面においてもまだ知り得なかった自分がいることに気がつけたんです。
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「自分を変えれた、というかまだ自分が出会ったことのない新しい自分に出会えたといいますか。今になったら正解なものになったかな。」
二十一年の月日の中で、こんなにも素直になれて・自分を客観視できて・有言実行できる自分がいるのだということ。
それは一つ、成長している・レベルアップできているという意味でもありますかね。
〝なぜ農業プロジェクトを選んだのか〟
東京にいるときは、並べられている野菜に手を伸ばすだけの生活。
それが当たり前ではないはずなのに当たり前の日常に溶け込んでいて、中身のない・しきれない透明な感謝だけが積もっていってて。
「一番は文明の発展に興味があって、、、(笑)
文明開化が起こったのは農業あってこそだというのを聞いたことがあるんです。とにかく農業の実態を知りたくて、文明の開化に必要な農業というものを確かめたかったというのが大きいかな。」
「種をまくってどんな感じかな」野菜や果物の生産過程を見たい。「腰を丸めてお米の刈り取りとかするのかな」裏で存在するであろう農家さんの苦労を知りたい。「何が原因でお米が出回らないのだろう」一時大ニュースであったコメ不足の背景も気になった。
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農業をしてて気がついた。
「地元には何もないと思っていた景色が一変したんです。」
というのも正直、農業なんてどこでもできちゃうんだって。海士じゃなくてもわたしの地元でも。
もちろん、地形も大事。
もちろん、作物は自然の恩恵をうけて育つもの。
もちろん、地元にだって農家さんはいる。
もちろん、海士には優しいご近所さんは多い。
だからこそ、見てこなかった身の回りに焦点を当てていきたいと強く感じたのだった。
農業は、じぶんにとって心地よいもの。
自然だし、大地だし、緑だし、土に触れること、雑草ぬいて精神統一、種を蒔き、水をあげて芽が出るっていうことだけでも
幸せで。
この地に存在する生命力から
エネルギーが感じ取れるところとか最高なんです。
「大変だったことはあるかなぁ
難しいなぁって感じで
むしろ農業プロジェクトメンバーにこの伝わり切れない感謝の気持ちを伝える方法を考える方が難しいです、いま(笑)」
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冬の隠岐は、極寒です
寒く冷たい雨の中玉ねぎを植えたりもしました。
けれどもそれはたいへんな作業なんかじゃなくて
むしろ、この農業体験の機会に感謝を表したいんです。
そして、確かに海士に存在して一緒に農業を楽しんだ仲間へも言葉を送りたくって。
(一呼吸をして)
ほんっと楽しかったな~(笑)
海士町のみなさん、島留学先輩方、農業プロジェクト、お世話になりました。
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この島で良かったです。
ありがとうございました、すぐ諦めをつけて踏み出そうとしなかった私は
ここに来て素直になれて、
しかもまだ見ぬ自分に出会えたんです。
あまりにもかけがえの無い時間。
幻なんかじゃない、尊くそこに確かに存在していたんです
わたしたち。
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あとがき
彼女はいつも、これは奇跡なんだといっている。なにが奇跡なんだか意味をよく理解しきれないところがあったがようやく解かった。
それは
私たちがここに在ること自体が奇跡なんだということ。
同じような悩みをもって、
同じような想いをもって
島体験制度に応募し全国から集まった同志たちがいるということ。
そして、プロジェクトを通してまた絞られる農業同志がいたということ。
ここに連ねる写真を選んでもらっていたところ
となりで、『わたし、二十一年生きてて一番笑っているかも』とアルバムを見ながら言葉にしている彼女。
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いつも、ひとを気にかけ前を向くのが得意。
「やりたい!」と積極的な姿勢を持ち
ニコニコな笑顔を見せてくれるひと。
ひとの、何かに飛び込む時の
きっかけはいつも単純で
知りたい
感じたい
見てみたい。
そういう何の変哲のないもののように感じます。
このインタビューが終わったとき
彼女の眼には確かに、これから先の
将来への希望が映し出せているような
そんな素敵な表情をしていました。
この海士町で出会えた地域のひと、
限りなく広がる大自然、
農に秘められたパワー。
そんな文章では表しきれない島での魅力を
とうとう知ってしまったようです。
全ての瞬間へ
感謝を込めて。
R6年度 10月島体験生 元吉紗海(もとよしさみ)