ディベロッパー・インタビュー : 『ヒトサラ』AIチャット機能の実装までの経緯と、その価値とは?
株式会社U-NEXT HOLDINGSのグループ会社である株式会社USEN Mediaが運営するグルメメディア『ヒトサラ』のiPhoneアプリに、AIチャット機能が実装されました。その開発者である土井直哉さんに、その経緯や乗り越えた困難など、インタビューを行いました。
ChatGPT創成期
混沌とする世の中で模索した末に、夢の中に現れた最後のピース
ご自身で開発された、「ヒトサラAIチャット」について教えてください。
『ヒトサラ』iPhoneアプリで利用できる、AIと会話しながら行きたいレストランを探す機能です。
音声入力にも対応しており、今まで以上に気軽に楽しく、お店探しを進められるようになりました。
開発に至った経緯を教えてください。
2022年末、ChatGPTが流行り始めた頃、社内でどのように使えるか多種多様な議論が行われている中で、心に湧いてきた「ChatGPTを使った何かを自分の手で作ってみたい」という意欲をもとに、ChatGPTを使ってお店を検索するツールを作り、社内の情報共有スペースで投稿したことから始まりました。
当時、すぐに『ヒトサラ』に実装しようという話にはなりませんでした。しかし、私はこのツールに価値があるという確信があり、社内に価値を訴求していきました。その活動が実って、2023年6月晴れて一つのプロジェクトとして進めることになりました。
ただ、そうなった後も一筋縄ではいかず、「AIと会話して、お店をレコメンドしてもらえるようにしたい」ということは明確だったのですが、その手段として、”ベクトル検索””ファインチューニング””RAG”等、流行り言葉が押し寄せてきて、それらに対して今一つピンとこない日々が続きました。
そんな日々が変わったのは突然で、偶然夢の中で「ChatGPTが、自然言語を検索エンジンを動かすプログラミング言語に変換してくれたら上手くいくのでは?」と思いついたことがキッカケでした。当時は主流ではなかった手法でしたが、今ではよく使われています。この手法によって、レコメンド精度が格段に高いチャットボットが開発でき、そこからはスピーディーに実装することができました。
この機能は、ユーザーにどのような価値を提供するのでしょうか?
これまでにも『ヒトサラ』には検索機能があり、カテゴリーを指定すると、それに基づいたお店がレコメンドされます。ただ、そこでは一つ一つ条件を選択していく作業が発生します。AIチャット機能によって、自分の思う条件について会話するだけで、それらが選択されて検索され、最少2タップで目的のお店が表示されます。ユーザーはこれまで以上に楽にお店を見つけられるようになったと思います。さらに、音声入力機能を活用いただくと、手を使わずに、さらに短時間でお店を見つけられると思います。運転中などでも、利用できますね。
これからAI活用を進めていく方々に伝えたいことはありますか?
ここまで読んでくださった方は、AIにより価値のある回答をしてもらうためには、自然言語からプログラミング言語へ変換させるのが良いんだ、と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私が伝えたいことは、どんな時もこの手法が最善だ、ということではありません。
自分たちが持っているデータと、その保管方法と、チャットボットの用途、それらを全て考慮して、常に最適な手法を探し続けることが重要だ、ということです。
関連リンク:
料理人の顔が見えるグルメメディア『ヒトサラ』:https://hitosara.com
『ヒトサラ』アプリ:https://apps.apple.com/jp/app/id1115543342
執筆、編集作業と所要時間
合計: 62分
人間: 61分
AI: 1分
人間の場合の想定時間: 10分
13%削減
内訳
取材(編集会議内でのコメントのメモ。by 人間): 30分
プロンプト作成(by 人間): 1分
記事執筆(by 人間): 30分
誤字脱字の確認(by AI): 1分