編集者の素質とは
「金払いの良さ」である。
身もふたもないけどけっこう真理ではないか。
そして、私はその条件からもっとも遠い場所にいる。
いや、本当にお金がない。どうしよう?
預金残高252円だって、ウケる……こともできない……。
PayPayには970円入っている。現金は万札が少し。
これはけっして、私が充分な対価をもらっていないという告発ではなく、キャッシュフローが完全に破綻しているという懺悔です。
スケジュール帳を見るに、昨年末の私は、北海道、高知、京都、千葉、愛知、また北海道に出張し、その間に東京でいくつか取材撮影をしていたもよう。
撮影では、ご出演者・スタッフさん十数名の朝食と昼食、おやつ、飲み物、レンタルの小物代、場合によってはタクシー代や駐車料金を編集者が立て替え、これはごく珍しいですが、スタジオ料金ウン十万円をその場でニコニコ現金払い、というケースもある。
いや~~~~おッ金が飛んでくんダァ!!!!!
ささっと経費精算すればいいだけの話なのですが、出張と取材撮影の隙間をぬって原稿を書き、各所に連絡をとり、企画を出し、取引先の方々のご請求書を処理し、副業をやり、ボランティアやら習い事やらプライベートでのあれこれにも手を出していたら、ま~~~時間がみるみる溶けていく。
精算するにもどの号のどのページのどの企画で、誰と一緒で、どこまで行って……等々を細かく入力せねばならないので(システムが非常にちゃんとしている)、それなりのタイム&エネルギーが必要なのです。
さて、お気づきでしょうが、これはぜんぶ言い訳です。
破綻していない人だってたくさん(むしろ大多数)いるのだから……。
経理の方にタコ殴りにされても一切文句を言えないくらい、レシートがエベレストを築いている。なんとか、どうにか、しなくては……。
クレジットカードもあっちゅうまに限度額ですわ。
今日も会食のあと、タクシー送迎アプリを駆使してゲストをスマートにお見送りするはずが、「あっカード使えないじゃん!!私宛に請求してもらえない!!!」と顔面蒼白。
幸い、同じ方面だったので私も相乗りさせていただき、現金で支払いいたしましたの。わはは。は、は……は。わらえねえ~。
とっても素敵なお食事とトークだったのに、お金がないとこんな話題に終始してしまうんですのよ。人って哀しい、生き物ですね。
懐がさむいとね、少しずつ追い詰められていくのだよ、心が。
さもしいなあ。さもしいなあ。
でもいいことだってたくさんあった、というか実のところ、非常に満ち足りた一日だったのですよ。
読み聞かせボランティアで子どもたちとたっぷり交流できたし、お食事はとっても美味しかった。生命力みなぎるお話も聞けた。
なのにこうしてお金のことばかりをたらたらと愚痴ってしまう自分に、魂の低空飛行ぶりに、つくづく嫌気がさすばかり。
でもでも、明日はもーっと楽しくなるよ、ね、ハム太郎?
だれかへけってわらってくれよ。