米は誰かが隠しているのか?
米の流通量を調べました。
農水大臣は21万トンが行方不明、誰かが隠している(スタックされている)と言いました。
去年2024年の需要量(実績)は691万トンでした。
平均一か月に58万トンが消費されています。
同年7月末の流通在庫は82万トンでした。
8、9月の消費量を賄う事が出来ませんでした。
2024年に収穫されたコメは、前年比プラス18万トンでしたから、
早場米を9月に食べたとすれば、
18+21+82=121万トンを2024年度に食べた事になります。
月平均58万トンが消費されますから、8、9月で116万トンの
消費という事で、ほぼ辻褄が合います。
21万トンは消えたのでは無く、前年度に既に胃袋に収まっていたのです。
8月に21万トンの備蓄米放出をしていれば、全て解決していたのです。
農水省は承知の上で、大臣(政治家)に「隠された」と答弁させたのです。
政治家は答弁日の朝聞かされて、そのまましゃべる事がやっとなのです。
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表1に農水省が公表している米の民間在庫量の推移を示します。
R6年(昨年)7月に、既に前年比-40万トンになっています。
前年比でマイナスになること自体は、減反政策+不作の為、仕方がありませんが、 7月以降-40万トン前後で横ばいになっています。
すなわち、米が不足していると騒がれていた時期には、すでに需要と供給が定常状態になっている、米不足が悪化も改善もなされていなかったのです。
同時期にはR6年産の新米が続々と出荷されていて、それが消費量とバランスしていたのです。悪徳業者が買い上げて隠している、という理屈がどこから出てくるのでしょうか?
確かに中国人が経営するスクラップ倉庫から米が数百キログラム見つかった事例は事実です。建設会社の倉庫に同様に米が置かれていたことも事実です。ネット上には写真も掲載されています。このような転売人が居る事は事実ですが、日本中のすみから隅まで数十万トンの米が消えた事の説明にはなりません。むしろ彼らは援助を必要とされる人々です。
来月の給料が保証されている諸君が、なぜこの様なウソを吐くのか?不思議でなりません。