鮮度と熟成の話
アイディアのトリセツ。
速やかに実行する方がいいのか、じっくり熟成した方がいいのか。
ここの見極めがとてもだいじ。
基本的に、アイディアは生物です。
「ナマモノ」であり「イキモノ」でもある。
言葉遊びになってますが、実際そんなもんです。
パッと浮かんだアイディアは、そのまま放置してはダメなんですね。
ほっといて時間が経ってからカタチにしようとしても、ほぼいいものにはならないんですよ。
でね、思いついた瞬間にすぐさま制作に入った方がいい場合と、
アイディアを基に、きちんと下ごしらえをして準備を整えて作った方がいい場合とがあります。
どっちのやり方がいいかは、その内容によって、あるいは作る人にもよって変わるんでしょうね。
僕の場合は、原則すぐに作り始めた方がうまくいく(気に入った仕上がりになる)ことが多いです。圧倒的にこっち。
勢い・スピード重視派。
釣り上げたらその場で刺身。
しかも、そういうやり方でうまくいくときは、思いついた瞬間に構図から色彩から何もかもが頭の中にガチンと出来上がります。それをキャンバスにのせていって、まあ途中で軌道修正することも多々ありますが、だいたい自分の目指すところに近いものができていきます。
できてみたら「なんか違うわぁ」となることもありますが、そこは主に自分の力不足だったり、技術的な未熟さだったりとか、そんなところが原因ですね。
もう一方の熟成タイプ。
資料を集めてみたり、何枚もエスキースを重ねて要素の取捨選択を繰り返して、あるいは習作を描いてみてとか、
そういう事前準備をがっちり固めてから描いたほうがいいケース、というのもあります。
素材をちゃんと保存して、下味をつけて、適度な火力でじっくり仕上げる感じ?
こういうやり方をすることもあるんですが、あんまりしっくりこないかなぁ。エスキースを描いてる段階でお腹いっぱいになっちゃうのかも。
いい悪い、ではなくそういうもんなんでしょうね。
ただね、どっちの方法で行くにしても、思いついたアイディアを放っておくのはダメですな。
何かしらのアクションはしないと。
頭の中で温めておいても、いいものにはならない。
鮮度のいいうちに、しかるべく手をつけないと美味しくならないので、「生物」だよな、と思います。