ある絵画について
それは人なのか?それとも人でない物体が、一瞬だけ人に見えた瞬間を切り取ったものなのか?
黒焦の焼死体のようで、不死身のゾンビのようにも見える。蟻地獄の砂粒の集合体のようにも見える。
そして逆さになっている。明らかに重力に反対になっている。不等号で否定された生命。壊死した細胞の肉塊。もしくは、廃墟となった建造物のアイコン。
表層は毎回違ったメタファーを視覚に映す。いづれにしても重力に逆らっている。明らかに。そこには、強大な厭悪を感じる。森羅万象に通じるネガティブな業。まるで無の境地から地下空間に放たれる悪魔。
何とも表現しにくい。筆舌に尽くし難い。いづれにしても、オーラやソウルや霊魂のようなものを、生き写して擬人化したものであることは分かる。
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