アニメ21エモンにより平穏を得る
定期的にAmazonプライムビデオで観るアニメの中に、
21エモン
がある。このアニメをみていると、鬱々とした気持ちが穏やかになったり、今日は外に買い物に出て夜ご飯頑張って作ってみようかとか、この作品見ながら晩酌したら気持ちよく酔えそうだなとか、なんか良いぞとか、これ可愛いじゃんとか、兎に角
好き
が溢れてくる作品なのだ。もうここ1年で3回は周回している。(全39話)
2071年。宇宙観光時代に突入したばかりの地球。
主人公は『つづれ屋(創業450年の伝統を誇る老舗ホテル)』の跡取り息子であり、格式は高いと言われている(本人たちが言っている)が、実際には経営がうまくいってなくて貧乏な感じである21衛門君(エモン君)。
エモンの幼馴染として、紅一点かつ一片の曇りも無い完全無欠のヒロインルナちゃん(金持ち)、リゲルくん(鼻持ちならない金持ち)などが出てくる。
この時点でエモンの立ち位置、バランスが良い。この設定、なんだか憎めない、庶民の心に寄り添っている感じ。
貧乏という設定とはいえ、そこはSFの世界。おんぼろなりにエアカーとか、召使ロボットとか、全自動型ベッドとか、子供の頃に夢見たアイテムが備わっている。小学生であるエモンでも、ボード型、スクーター型、軽乗用車型を運転可能。ここも未来的。
エモンの家は現実に当てはめたら中流階級の下の階層の方なんだろうけど、そういった現実感はこのアニメからは何も受け取ることはない。かといって現実離れしているかというとそうではなくて、バランスよく社会の原理というものが反映されているのだ。これを文章で説明するのは非常に疲れるので割愛する。
エモンは貧乏で最新式のおもちゃなど買えることも無いし、いつも型落ち製品しか持てなくてちょっとカワイソウなんだけれど、その型落ち製品達のデザインが秀逸で、ポップでダサくて機能美が感じられる。
今のこの世界に存在している物をちゃちゃっと未来的にしてみました感、だがそこはプロのデザイン、確かな完成度とこだわりに満ち溢れているデザインの世界なんです。
作品を制作した当時の時代も含めて非常に巧いことSFに昇華させているので、サブカルとか知らんし、て人にも小ネタがわかる設計になっている。と思う。
宇宙の航路で遭難しかけた時、デコトラ型の宇宙船が出てきたり、それのパイロットはもちろんガテン系おじさんだったり、宇宙セールスマンは関西弁だったり、旅客機のキャビンアテンダントのアンドロイドも程よくロボットみがあったり、昭和村という公共の施設には、昭和~平成にかけての街並みが保存されていたり。
説明不要な未来世界なのであまり脳を使わずとも作品世界に没入できます。
主人公達の服装とか、アンドロイドとか、この双眼鏡とか正に、昭和の未来カルチャー。大阪万博の世界観ってことなのかな。
ストーリーも子供向けにしては、整合性があり、手抜き無し、切り口が鋭い物、ホラーもの、冒険活劇もの、タイムリープもの、スター〇ォーズエピソード6もの、スター〇レックものなど、ふんだんにゴージャスでシリアスなアイデアが詰め込まれている。そのせいか打ち切りになったらしいけど。
このトリビアを見つけました。
ああ、そうか、すごい分かるわ。
幼少時代、憧憬を伴う、日常と空想の狭間の世界だ。
やっぱ宇宙開拓時代ということで、バラエティーに富んだ宇宙人が出てくるんですよね。植物型テレパシー宇宙人とか、水銀の中に住む注射器型宇宙人とか、深海モグラ型宇宙人とか(笑)
中でもエモンの親友となる「絶対生物モンガー」。有機物でも無機物でも食料にしてしまうし、核爆発にも耐え、真空でも活動化、テレポート能力を有している絶対生物。なのにちゃんと疲れたり、おなか減って倒れたり、ゴンスケに蹴られたりして痛がったり、大谷育江の声が可愛かったり、なんとも味わい深いキャラクターなんである。
ほら、かわいい、ハンバーガーセットみたいなのにどら焼き?おみくじ出来そうなジュースポッドも良い感じ。
他にも魅力的なキャラクターが盛りだくさん、この世界、一度見ると病みつき、もう一度みると俺、帰って来たんだ、ってなること請け合いです。
こんなにもオツマミになる作品はなかなかないと思います。何回見ても良い。是非一度試してみてほしい。