私のハム
昔仕事で心を病んで休職期間中
死にたくて仕方なくて生きる楽しみも意味も何もかも分からず毎日暗い部屋で引きこもっていた
そんなある日兄が1匹のハムスターを買ってきた
生後2、3ヶ月のブルーサファイアの女の子
小さくてふわふわで、ちょこちょこ動くその子が可愛くて暇さえあればずっとケージの前で見ていた
見かねて兄がハムスターを私に譲ってくれた
慣れないお世話に最初は四苦八苦したものの慣れると毎日が楽しく、ケージから出して一緒に遊んだりもした
でも手には乗らなかった
その後病気を患ってしまうのだが、思い出すと辛すぎるので割愛
でも病気にも関わらず頑張ってくれて、3年半ほど一緒に暮らして可愛くて可愛くて我が子みたいに可愛がって毎日楽しくて、そのおかげか心の方の病状も良くなっていった
そんな私に対してまるでもう大丈夫だね、というようにある朝息を引き取ったハム
1週間程引きずって泣いて、ケージも片付けられず立ち直れなかったけど、ある夜寝ていたらケージから回し車の音と足音が
そして夢の中にハムが出てきてくれた
きっと私がこんなだから心配して戻ってきてくれたんだ、と思い前を向こうと決意した
すると音はしなくなり夢にも出てこなくなった
その数年後産まれた息子
性別は違うけど凄くハムに似た性格
生まれ変わりだね、なんて家族で言って息子には「キミの御先祖はハムスターだよ」と冗談交じりで伝えている
ハムの写真を見せると「かわいいねえ、なでなでしたい」と嬉しそうに言ってくれる息子
ありえないけど、もし今も生きていたらきっと大の仲良しになっていたんだろうなぁ
今も思い出してはうるっと来るし、もう動物は飼えないけどハムに出会えて本当に良かったなぁ
今も見守ってくれてるかなぁ
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