風とロック 3月30日 昼の部 乃木坂46×サンボマスター
はじめに
シンガポールから本帰国して2日後
これを楽しみに、絶望にまみれた帰国準備をしてきた。
全力で楽しむつもりで待っていた風とロック。
とはいえ、そもそも乃木坂46×サンボマスターってなんだ?
蓋を開けてみればあまりにも楽しく幸せな時間だったので、熱が冷めないうちに感想を書き留めたい
着弾
会場はさいたまスーパーアリーナ
つい先日12th Year Birthday Liveが開催された場所だ。
ど僻地民のため、もちろん現地参加は蚊帳の外、配信すらあまり観られなかったという背景から個人的にはバスラの記憶を回収しに行くような心境だった。
バスラの落選多発っぷりを見ると同じような方も多かったのでは?
そんな勝手な因縁を持って迎えた朝、9時から先着1000部の限定冊子配布があるとわかりながらも家を出られなかった。
今週帰国準備で睡眠不足が蓄積していたところに前日の弓木推し飲みが決定打になってしまった。
スタンディング整理番号4000番台ということで早く行く意味を無くしてしまいだらだらと準備。
幸いなことに新居からSSAまでは自転車で10分。
去年の全ツ神宮まで飛行機で8時間かけて行ったと思ったら信じられない進歩だ。
というか今後ライブに自転車で行くことはあるのだろうか?
まだ荷物が届いていないせいでTシャツは実家に送られていた日奈神社Tシャツ。
恥ずかしいからパーカー絶対脱がない決意。
そんな若干舐めた態度で会場へ着弾。
スタンディングのライブは初めてなので周りのFFさんの持ち物参考にしつつサイリウムはクロークへ預けた。
これがライブの楽しみ方の大きな分かれ道となった。
場所の諦めと公演の期待という複雑な心持ちでスタンディング待機列に並ぶと大半は乃木坂ファン、パッと見たところ蓮加ちゃん、美月、与田ちゃんあたりのタオルが多い。
3期生さすがの人気だ。
会場に入るとスタンディングのうち後ろのブロックは5列ほどしか埋まっていない。
欲出して前のブロック見るとこちらもかなり余裕がある様子。
迷うまでもなく前のブロック下手側へ入場、おおよそ30列目くらいか?メンバーが肉眼でしっかり見えそうだったが人数の割に遠いかなと思った。
おそらく荷物持ってる人が多い影響で人の間隔が広いようだ。大きな荷物はクローク預けてくれ…
とりあえず指定席で遠い席よりは良かっただろう。
初めてのライブ単番で少し緊張しながら待つと影ナレが始まる。
「石原さとみです」
会場中がどよめく。
その後大物4人によるコント映像?を煽りに最初の演者名がモニターに映し出される。
「乃木坂46」
始まる
乃木坂46
セトリはいろいろなところで上げてらっしゃるので省略。
というか緊張と興奮であまり覚えていないのでかなり点の話だけになってしまう。
冒頭3曲
代表的な表題曲、初めて聴く方を意識した選曲なのだろう。
乃木坂ファンは冒頭から大盛り上がり、スタートダッシュに成功。これ会場8割以上乃木坂ファンだったのかな?
弓木奈於ちゃんは上手側にいることが多かったが.僕の目も偉いもので推しメン自動追尾が備わっているらしい。
しっかり奈於ちゃんが楽しそうに踊っているのを確認、時折蓮加ちゃんを追いかけてしまうのはご愛嬌。
シンクロニシティは完全に梅澤さんの曲になった。
スタンディングだしもう少し跳ねたりしていいものかと思ってたけど普段の乃木坂のライブとノリは変わらないようでサイリウム持ち込まなかったことを後悔した。
MC:記憶にない
4期から期別曲ゾーン
キスの手裏剣も猫舌カモミールティーも意外な選曲でファンの反応も驚きが。
かわいい系で場が温まったところで本命JJF。
あやめちゃんかわいい…
ファンもテンション爆上がり、乃木坂ファン以外の方もコールに乗り始めてくれて会場が熱を帯び始めあやめちゃんの煽りとコール&レスポンスが聞こえないくらいに。
そこで満を持してI see...
やばい、めちゃくちゃ楽しい。
この盛り上がりは乃木坂ファン以外にも確実に伝わっていたと思う。
バンドのライブ文化と違うアイドルのライブ文化象徴が見えた気がしている。
ちなみにかっきーが煽ってる時のフリーで踊ってた奈於ちゃんが最高に楽しそうでファンとしてめちゃくちゃ幸せだった。
4期生が会場を盛り上げてきたところに間髪入れず3期生登場。
三番目の風でかわいいだけじゃないバチバチ踊るアイドルを見せつけて来たと思ったら国歌トキトキメキメキ。
高低差どうなってるんだ、倒れたオタクいただろ。
蓮加ちゃーーーーーーん!!!!
僕の衝動は伊藤理々杏さまですね、最後の抜きはなかなか終わらず会場からも笑いが起きるほど。
伝統芸能となっていくのか…
そして個人的に一番好きな3期曲僕が手を叩く方へで会場がひとつに。
曲の終盤、スピーカーからの音が少なくなっていくのに反比例するように手拍子が大きくなっていき、どのバンドのファンも関係なくみんなが一緒に手を叩くシーンは対バンでしか感じられない瞬間だろう。
これを舞台上から見られたメンバーが羨ましいくらいだ。
MC:記憶にない
チャンスは平等はまだ慣れない
とりあえず山下美月様がアイドルの天才なのはよーーーくわかった。
ごめfinは松尾覚醒。
この時ばかりは目が松尾しか追わなかった。
うそ、奈於ちゃんは可愛かったよ。
そして最後乃木坂ブロック締めくくりは好きロック。
全員納得の選曲、そりゃそうですよね。
バンドファンも一緒に会場みんなでタオル回すの最高に楽しい。
かっきーの煽りでその場で2,3回転して美月があまりにも綺麗で楽しそうでこれがアイドルの頂点なのかとつい感心してしまった。
この1時間の集大成、もしかしたらサンボファンも終わるの名残惜しいと思ってくれてるんじゃないかって空気で乃木坂ちゃんの出番はおしまい。
あー、楽しかった、セトリとかメンバーのポジションとか細かいことは置いといてとにかく楽しかったし一体感が素晴らしかった。
スタンディングエリアしか見回す余裕なかったけど指定席の他ファンも盛り上がってくれてたら幸せだな。
サンボマスター
30分間の舞台転換を挟む。
これは対バンでは普通なのか?いまいちよくわかってないところだけど乃木坂で高まったテンションが少し落ち着くほどには長いインターバルだった。
この間に僕同様サンボマスターのライブの空気や作法を知らない乃木坂ファンたちはステージに期待しながらも緊張や不安の方が上回ってる感じが伝わってきた。
そしてサンボマスターの登場、ステージ開幕。
ちょっとぬるっと始まった感じとあまり曲に詳しくないところで乗り切れないファン多数。
みんな楽しみたいし真剣に見てるけどどう乗ったらいいのかわからない感じなんだと思う。わかる、わかるぞ、僕も完全に見よう見まねだ。
でもさすがフェス出続けてるサンボマスター、そんな会場を煽っていく。
「お前らこの会場に何しに来てるんだ?楽しむのか?楽しまないのか?踊るのか?踊らないのか?」
ピンポイントで煽られると不安なんて飛んでいくものだ。
周りに合わせようと振っていた手が自然に動き出す。身体が勝手に跳ね始める。
そこへ僕の世代ど真ん中な青春狂騒曲と世界はそれを愛と呼ぶんだぜが立て続けに。
暑い、パーカーなんか着ていられるか!Tシャツの柄なんか気にしていられない!
跳ねろ跳ねろ!!これがサンボマスターのライブなのか!楽しい!!!
この時点で周りの乃木坂ファンたちも完全にサンボマスターに心を開いていったのがわかった。
山口さんのMC、あまりにも人の心に刺さるメッセージだ。
このさいたまスーパーアリーナで風とロックが開催される意味を知っていても、山口さんの口から聞くと重みが変わってくる。
単に震災の影響だけでなく、ここにいる誰もが大切なんだと、そんなみんなと全員で素晴らしい時間を過ごしたいんだと切に願う気持ちは初めてライブに参加する人にもあまりにストレートに届く。
僕は下手したら泣きそうだった。
そしてそんなことを言われたら響かない人はいない。
さらに偏見かも知れないがこういうメッセージはオタクに響く。なんだかんだ色々な後ろめたさを持ちながらオタクをしている人は多いもの。そんな人たちを残らず掬い上げて一緒に楽しもうと言ってくれたら安心するものだ。
ラブソングでは携帯のライトが揺れる
ここでサイリウムを白にして振り始める乃木坂ファン。
ここまでは違うカルチャーのところにサイリウムなんてと遠慮していた空気が一変、バンド文化とアイドル文化が合わさった瞬間。
とても綺麗な光景だった。この場にいられて良かったと心から思った。
遠慮や心の壁がなくなったら乃木坂ファンも相当熱い。というか熱さと団結は他に負けない。
できっこないをやらなくちゃが始まると全力で汗かいて跳ねて手を叩いて、最後は花束でみんながひとつになって大合唱。
あまりにも素晴らしいライブ、夢のような時間だった。
サンボマスターが去る時も見えなくなるまで大きな拍手が鳴り響き、この時間への感謝と2組へのリスペクトが届けられた。
夢の続き
最後に箭内さんが登場。
今日の企画の総括かと思いひと段落しながら聞いていると様子が違う。
できっこないをやらなくちゃ?それをやってみせますと。
最後にサンボマスターのできっこないをやらなくちゃを乃木坂46とコラボで演奏!!!
地鳴りのような歓声
サンボマスター最後の2曲で振り切れた乃木坂ファンも予想の上を行く展開にもう一段階テンションが上がる。
正直興奮しすぎてここは覚えていない。
とにかく乃木坂では信じられないくらい跳ねて歌って、サンボマスターでは信じられないくらいペンライト振られてコールされて…
2つのグループの良さが完璧な形で共存した奇跡のような空間。
楽しい、あまりにも楽しい。幸せだ、これがライブか!!!
スタンドから見たらもしかすると違う印象があったのかもしれないが、アリーナにいる限りは大袈裟ではなく全てがひとつになったと感じた。
そんなテンションでも林瑠奈の歌は記憶に残るくらいに印象的で、最高に気持ちがいい。
推しメン弓木奈於ちゃんは山口さんからギター担がされて戸惑いながらもエアギター披露するさすがの強さ。
(商売道具に気安く触らないとかいろいろ逡巡したんだろうな、愛おしい)
みんなが思い思いの姿で最高の時間にすべてをぶつけて終演に。
これ以上に大団円という言葉が合う瞬間があるだろうか?
乃木坂含めてもライブ経験が少ない僕だが、世界一幸せな場所にいたと断言できるほど濃密で素敵な時間だった。
おわりに
ただただ楽しいライブだった。
これが乃木坂のパートだけでも十分素晴らしいライブだったのは間違いない。
それでも振り返ると乃木坂パートが霞むくらいサンボマスター、そして乃木坂46×サンボマスターのコラボが素晴らしかった。
それは単に曲や演奏、演出ではなく、乃木坂ファンが違う文化に触れて共鳴して融合して拡大するというストーリーを肌で感じられたからだ。
そういう意味でこの対バンは今後の乃木坂と乃木坂ファンに大きな意義を持つのではないだろうか。
乃木坂46がデビューして12年、メンバーもファンも入れ替わり今に至っている。
当初からのファンもいれば、僕のようにコロナ近辺でファンになった人、1,2期生が卒業した後に知った人。
ライブ慣れしている人もいれば初めてライブに来る人もいる。
そんな中でサイリウムやコールなどライブの作法が話題に上がることも少なくない。
もちろんアイドルを応援するというベースから見て自分勝手な振る舞いでライブ自体に悪影響を及ぼす行為は厳に慎むべきだが、会場の時間を、空間を最大限楽しむのはいろいろな道があるのではないかと感じる対バンだった。
今回は対バン相手がサンボマスターという相性が合う素晴らしいバンドで、ファンの方もあたたかい人達だったからこそこれほど素敵なライブになったのは間違いない。
今後同じように上手くいくかはわからないしトラブルが起こるかもしれない。
でもこういった取り組みを継続することで得られるものはメンバーにとってもファンにとっても貴重な経験となるだろう。
欲を言えば乃木坂46単独でもアリーナスタンディングの全力で弾けていいライブを開催してくれないかと。
毎度は問題だがたまにはこういったサイリウムカレーもコールも気にしない、心のままに没入するライブがあってもいいのではないか。
妙に偉そうな提言ぽくなってしまったが、今回のライブがそれほど心に来るものだったということで。
書きながら興奮を思い出してきて最初と最後の文章が全然違うのはご容赦ください。
とにかく!
風とロック、最高だった
全員優勝