【久々コラム】マーメイドはひとりで躍る⑯【お疲れさまです】
あくびをしながらワイドショーを眺めていたら、
ピンク髪の小柄な女子が、
某有名アニメのキャラクターに扮していた。
10月31日、きょうはハロウィーンだ。
信じる宗教も、キリストへの思いもないだろうに、
彼らはここぞとばかりにおめかしして
何かになりきろうとしている。
僕は彼らに対し、小さじ1杯の軽蔑と
それよりちょっと多く憧憬を振りかけた。
友によると
世の中には大きく分けて
2つのタイプの人間がいるらしい。
①自分の主観で生きている人間
②自分を客観視して場の雰囲気に合わせている人間
アナタはどちらに含まれるだろう。
僕はというと、間違いなく後者だ。
誰かといるときは
基本的に自分がどう見られているかを気にしてしまう。
いや、というより、
自分の思うがままに動いたことで、
いっしょにいる人が楽しくないと思ってたら
嫌だななんて思って
誰かのやりたいことに合わせている。
自分がやりたいことをやって
自分だけが楽しんでいるくらいなら、
自分はそこまで興味がなくても
その人が楽しいなら、
その人といられるのなら、
そっちの方がいいと思って
選択を委ねている。
GADORO風に言うのなら、
「おまえのいない天国なんかよりも
おまえのいる地獄へと行きたい」
というスタンスである。
いやそれはかっこつけすぎか。
一方、ハロウィーンで仮装している人たちは
①のタイプに違いない。
自分が吸血鬼になりたいから
自分がナースになりたいから
そのコスチュームを着て、なりきっている。
彼らは自分のやりたいことを
やりたいと思ったからやっている。
その選択に迷いはない。
じゃあ、ハロウィーンで仮装している人たちは
みんな主観タイプなのか。
いや、そんなことはないはずだ。
①に誘われて
本来は②の人たちが
空気を合わせていることもあるだろう。
逆に①からの鶴の一声がなければ
②は決してゾンビになることなんてなく、
いつものスウェットで
日本シリーズ第3戦を見ていたに違いない。
①の主観が
②に伝わり、
その思いを大事にしたい
②も徐々に雰囲気を作っていき、
やがて大きなムーヴメントを起こしている。
ハロウィーンは断じて好きじゃないけど、
こういう一連の流れは素敵だし、
正直、うらやましくない訳じゃない。
そして、宴やイベント、恒例行事の
きっかけを作っているのは、
いつも①のような人間なのだ。
そう考えると、
あのワイドショーで見たアーニャたちには
憧憬の値が少なすぎた気がする。
面倒くさいけど、もう1さじだけ追加しておこう。
一夜明け、きょうのワイドショーでは、
派手な衣装の男女の姿が
あまり見られなかった。
きのう、立てこもり事件が起きたらしく、
各社その報道で忙しいようだ。
昼時、いつもの丸亀製麺に駆け込んだ。
朝は寒くて昼は暑い。
最近の気まぐれな気温は
うどんの温冷も惑わせるのか。
悩んだ挙げ句、
あったかい明太釜玉うどんに
かぼちゃ天をトッピングした。
いただきます。
うん、やっぱり、
かぼちゃは天ぷらに限るな。
文・マーメイド侍
※GADORO 「Sugar Hope」より引用。
GADOROはいいぞ、マジで。
●過去のコラムもね