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少し憂鬱な夏
日が落ちる、合図が聞こえる。
「ああ、もう一日終わりか」
一日が終わる音。
それを聞く度に、私は少し切なく感じて涙が出そうになる。そして、気分が落ち込む。
「子供の頃は何とも思わなかったのに、今は寂しく感じる。歳の所為かな」
そう言って自室の椅子に腰掛け、缶コーヒーを開ける。
「あの頃に戻りたいな、楽しかった子供の頃に」
缶コーヒーを飲みながら、昔に思いを馳せる。
けれど、どんなに思いを馳せようとも、昔に戻れないので苦しくなってしまう。
「ノスタルジーなんて、感じ無ければ良いのに……」
風に揺れる風鈴は、何処か寂しそうな音色を奏でる。
そして、いつの間にか私は眠ってしまった。
静かな夜空に浮く海月、月を見上げる私。
夢は何も考えなくても良いから、気が楽になる。
明日は、楽しくなると良いな。
そう思いながら、私は夜空に浮きながら目を瞑るのであった。