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書くということ

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品性のある文章、礼を逸してない文章、誤解を生まない文章を書くために日々精進。実用書の校閲者・翻訳校閲者として他人の文章を読むが、一番気になるのが「誤り」ではなく、「ノイズなく相手…
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#文章

翻訳者が原稿を書くなら

 今日は翻訳者のライティングの話をする。有料、無料を問わず「原稿を書く」翻訳者に読んでほ…

By doingの訳し方~格助詞「より」など

 〈do(ing) A by doing B〉はよく英文で見かけます。ビジネス翻訳ではとくに頻出します。そこ…

木下是雄『理科系の作文技術』~感想

 定評ある文章術本だが、なかなかページが進まず読みづらかった。この著者ならではの「工夫」…

翻訳チェッカーという職業 #3

 昨日 https://note.com/merlin_witch/n/n804a7956ea3f の続きである。翻訳チェッカーに必要…

翻訳チェッカーという職業 #2

 昨日 https://note.com/merlin_witch/n/nda287a4cac2c の続きである。翻訳チェッカーに必要…

便利な訳語。なるべく使わないで! #3

 今日は「便利だけどなるべく使わないで!」の3つ目、「行う」について説明しよう。 ~を行…

英日翻訳における授受表現

なぜ授受表現を取り上げるか  今日は授受表現について述べる。  学習院大学前田直子の論文「多文化・他言語共生社会における日本語教育研究」によると、「日本語文法の中で世界的に見てもっとも特殊で複雑なものが授受表現であ」り、日本語は授受表現が高度に発達した」言語であるため、ここを外して翻訳文について云々することはできないと判断したからだ。 授受表現とは何か  授受表現とは何かというと、トップ画像に入れた「てくれ」である。高嶋幸太『英語教師が知っておきたい日本語のしくみ』には

「書きことば」商売の人は「書きことば」文法で

「書きことば」文法とは  ことばには、書きことばと話しことばがある。そして、友達同士でも…

翻訳の師匠のこと

翻訳を直してくれる人  今日は、四半世紀近く前の思い出話をしよう。ある翻訳会社で、翻訳者…

ことばにエネルギーを乗せる

 Twitterは営業用ツールだった。昨年まで出版社にオンサイトで常駐していたが、社屋移転に伴…

クリーンな文章

 実用文はシンプルでわかりやすいことが一番。読み手に負担をかけずに言いたいことを伝えるの…

「みなさん」と「みなさま」

「◯◯さん」に続くのは「みなさん」か「みなさま」か  メールの宛名を連名で書くとき、それ…

JAT2016年「翻訳者の目線」より~訳文の前に、普通の文章できちんとした日本語を

 執筆者、編集者としての顔も持つわたしは、翻訳ではない文章を書く機会も多い。  もちろん…

ことばを商売とするならば~汚いことば、下品なことばを使わない

 ことばを商売とするならば、そういうことばを売りにしているのでない限り、汚いことばを使わないことにしたい。  twitterではよく、「アカウント」を「垢」という漢字で代用させている人がいる。だが、この字は汚れや不純物を指す。  自分のアカウントは自分の分身だ。自分のフォロワーや自分がフォローしている人たちのアカウントも彼らの分身である。分身が生きている空間なのに、どうしてマイナスを連想させる語を使えるのだろう。文字数を3つ少なくしたいなら、他の箇所でいくらでも工夫できるはず