![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165393904/rectangle_large_type_2_5b5770923f8af6af52a167fb3a62079b.png?width=1200)
日経ストックリーグ解説:テーマ設定編
はじめに:アウトプットから考える
本記事では「テーマ設定編」として、最終的なアウトプットであるレポートやプレゼンテーションを見据え、計画的に進めるためのポイントを解説します。
解説①:入門編
解説②:テーマ設定編←いまここ
解説③:技術編
日経ストックリーグにおいて成功するためには、最終的に提出するレポートをゴールとして計画を立てることが重要です。やみくもにミーティングを重ねるのではなく、ゴールから逆算して「何を調査すべきか」「どのように情報をまとめるか」を考えることで、効率的かつ質の高い成果が得られます。
提出レポートの目次から考える
下記が一般的な日経SLのレポートの目次のイメージです。特にボールド体(太文字)になっている箇所が今回のテーマです(それ以外は技術的な分析なので、後編で説明します)。
第1章 テーマ設定の背景
第1節 重要性と深刻性の認識
第2節 現状の課題分析
第3節 解決の必要性と方向性
第2章 ポートフォリオの作成
第1節 投資戦略の紹介とスクリーニングの概要
第2節 スクリーニングの詳細
第3節 投資比率の決定
第3章 投資家へのアピール
第1節 投資先紹介
第2節 リスクとリターンの分析
第3節 経済・社会的波及効果の説明
ボールド体(太文字)の箇所は、具体的に下記で構成されています。
①テーマ決定
②投資戦略とスクリーニング
③投資先の詳細な調査
下記でそれぞれ、説明してきます。
①テーマ設定が一番大切
テーマ設定が全体の成否を左右する重要な要素であるため、丁寧に時間を割きましょう。具体的には、社会課題の深掘りや現状分析を通じて、「なぜこのテーマを選んだのか」を明確にすることが大切です。
過去の入賞レポートを見てみよう!
過去の入賞レポートを見ると、「社会課題の深掘り」や「時代性・未来性を捉えたテーマ選定」が顕著です。多くはSDGsや働き方改革、テクノロジーによる変革など、明確な問題意識とその解決策を打ち出した内容が評価されています。
特に「社会課題の深掘り」と「時代性・未来性の捉え方」を両立し、そこから有望な企業群を選定する巧みさが見られます。たとえば、SDGs、働き方改革、ESG投資、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、近年関心が高まるキーワードは頻出ですが、それらが単なる流行語に終わらず、現実のビジネス・社会構造変化とどう結び付くかまで検討されているのが特徴です。
単なる「環境問題」「人口減少」といった大枠ではなく、具体的な「スマート農業」「核融合発電」「水技術」「M&Aによる経済成長」「エンゲージメント重視型経営」など、解決策に直結しやすいテーマへとブレイクダウンしている点が評価されているようです。
結局重要なのは、課題(イシュー)を設定して、そこにお金を投入することで、どのようなことが生まれるかを説明することなのです。
「イシューとは何か」。…実際のところ、「何に答えを出すべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むことがカギなのだ。
ニッチすぎてもダメ、一般的でもダメ
テーマ選びでは、着眼点がニッチすぎる場合と汎用的すぎる場合の両極端に注意が必要です。たとえば「昆虫食」や「エコファッション」のような極めて特定的なテーマを選ぶと、投資先企業がごく限られてしまい、分析の幅が狭くなりがちです。一方、「環境問題に取り組む企業」というように広く一般的なテーマを掲げると、数多くの企業が該当してしまい、逆に取捨選択が難しくなってしまいます。
そのため、アイデアのオリジナリティを確保しつつ、スクリーニング(企業絞り込み)のしやすさを両立するバランスが求められます。独自性のあるテーマを打ち出しながらも、ターゲットとなる企業群が一定数存在し、かつ比較・分析可能な程度に整理できる中間領域を目指すとよいでしょう。たとえば、環境問題でも「廃棄物削減テクノロジーを有する企業」や「特定のエネルギー転換領域で成長が見込まれる企業」など、トピックをもう一段深めて適度な範囲に絞り込むことが可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1733931943-42EJtTAIYas6fG8exqwvLbiR.png)
このようなテーマ設定の工夫によって、独特の切り口を示しながら、選定・分析プロセスが分かりやすくなる「両取り」を実現できます。結果的に、過去の入賞事例でも見られるような、説得力ある論理展開と明瞭なストーリー性を持ったレポートにつながるのです。
具体的なテーマについては、『日経ビジネス』や『ハーバードビジネスレビュー』といった雑誌を図書館で見てみて、どういうテーマが問題となっているか確認しておくのがいい。
《雑誌》
《動画資料》
テーマについて徹底的にリサーチする
テーマ設定や戦略立案の際は、徹底的なリサーチが成功のカギを握ります。その基本的な考え方は、「川をさかのぼれ、海を渡れ」です。まずは国内(川上)から出発し、日本で過去にどのような取り組みが行われてきたかを調べます。過去の事例や論文、政府発表資料、新聞記事、業界レポートなど、入手可能な情報源を丹念に洗い出すことで、現状と課題を明確にできます。例えば、環境問題について取り上げたいなら、日本の環境政策の歴史を理解するようにしましょう。
そのうえで「海を渡る」、つまり海外に目を向け、類似の課題に対してどのような先行事例やイノベーションがあるかを確認しましょう。英語圏の学術論文や国際機関の報告書、海外企業の事例分析など、多角的な視点が得られます。例えば、環境問題についてとりあげるなら、重要な環境政策の設定や世界の最先端の環境政策を学習しましょう。
情報収集はウェブ検索だけで完結せず、本にも積極的に当たりましょう。大学図書館は学術的な知見が凝縮された宝庫です。大学の先生が選書しているため、その分野の重要文献がそろっているケースが多く、深い洞察を得やすい環境が整っています。実際に何度も足を運び、棚のラインナップをチェックすることで、自分たちのテーマに関連する有益な本を発掘できるでしょう。
大型書店にも足を伸ばすことをお勧めします。書店には最新刊やその分野で広く読まれているベストセラーが並びます。専門書だけでなく、ジャーナリストや評論家の執筆した一般向け解説書、企業の成功物語など、視点を広げる多様な書籍が出会いを待っています。これらはテーマに対する新たな切り口を得るうえで大いに役立つでしょう。
手に入らない本は、他大学の図書館から取り寄せるサービスもありますし、国立国会図書館の複写サービスを利用すると確実です。。思い出にもなるので、ぜひ足を運んでください。
最後に、専門家へのアプローチも有効です。総合大学には多様な分野の教授がおり、学生の学びを応援する姿勢を持つ人も多いものです。公的機関や業界団体の担当者、シンクタンク研究員など、アクセス可能な専門家は幅広く存在します。
ただし、専門家の限られた時間を有効に使うため、事前準備が欠かせません。インタビューには専門知識が必要です。背景調査や質問項目の準備を十分に行い、半構造化インタビューの形式で柔軟かつ的確な情報収集をめざしましょう。これにより、質の高い知見を得て、リサーチを自分たちの投資テーマへ効果的につなげることが可能となります。
テーマ設定の章は、逆三角形で描け
テーマ設定を説明する際には、読者の理解を段階的に深めるため、逆三角形の構成が効果的です。この章では、第1節から第3節にかけて徐々に焦点を絞り込み、具体的な投資テーマにつなげる流れを作ります。
まずは第1節「重要性と深刻性の認識」で、社会全体で共有できる問題意識を提示します。この節では、投資テーマに関連する広い視点から、社会的、経済的、環境的にどのような重要性があるのかを説明します。例えば、人口減少や気候変動、デジタル化の進展といった大きな潮流を示し、「なぜこのテーマがいま注目されるべきなのか」を分かりやすく伝えます。具体例や統計データを用いると、説得力が増します。
次に第2節「現状の課題分析」で、社会全体の問題をもう少し具体的な課題に落とし込みます。この節では、特定の業界や市場にフォーカスを当て、現状の課題を明確化します。例えば、少子高齢化をテーマにする場合、高齢者向けのサービスが十分に行き届いていない現状や、持続可能なビジネスモデルの欠如について述べます。ここでのポイントは、「問題の解決を阻んでいる要因」を伝え、読者に課題の深刻さを実感してもらうことです。
最後に第3節「解決の必要性と方向性」で、具体的な投資テーマの設定に向けて焦点を絞り込みます。この節では、課題を解決するためにどのような方向性が有効であるかを示し、投資対象として具体的な企業やセクターに言及します。ここでは、「なぜこのテーマが投資価値を持つのか」を説得力を持って伝えることが重要です。課題解決に貢献する技術やビジネスモデル、政府の政策動向などを示すことで、投資テーマとしての魅力を明確にします。
②ポンチ絵で投資戦略をスクリーニングに落とし込め
日経ストックリーグでは、ポートフォリオとして選べる銘柄数が10銘柄以上20銘柄までと決まっています。この範囲内でどれくらいの数を選ぶべきか迷うかもしれませんが、基本的には上限である20銘柄を選択することをおすすめします。その理由は、資金の分散効果を最大限に活かすためです。
ただし、3000社以上ある上場企業から20社に絞るのは容易ではありません。そこでカギになるのが投資戦略とスクリーニングです。
そのテーマは儲かるの?
投資戦略を練る際には、まず「なぜそのテーマが将来の企業キャッシュ創出につながるのか」を明確にしましょう。平均的なリターンを上回るためには、多くの投資家がまだ注目していない切り口を見つけることが鍵です。
効率的市場仮説のもとでは、財務指標やチャートの分析だけでは平均リターンを上回ることはできません。そこで、社会変化や技術革新、消費者行動の変化など、未だ十分評価されていないトレンドを捉えることで優位性を得ることが可能です。こうした先見性を取り入れたテーマが、独自の視点をもつ投資戦略の基盤となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1733933075-rkSxB03zYHNQ9JMhwPnDWu8V.png?width=1200)
投資戦略を図で描こう
投資アイデアを実際にスクリーニング基準へと落とし込むには、「なぜそれが企業価値向上につながるか」をわかりやすく可視化することが大切です。たとえば、クリスマスツリーをイメージしてみましょう。ツリーの頂点に☆を置き、これを「最終的な利益拡大」とします。その下の幹には「選んだテーマ」が位置します。再生可能エネルギー、エンゲージメント経営、DXによる生産性向上など、将来性があり、かつ他者がまだ十分注目していないテーマがこの幹の部分です。
![](https://assets.st-note.com/img/1733933170-54zJLNyogr9kYeVdFfXxvClb.png)
幹からは枝が伸びており、ここに「具体的な施策」を配置します。たとえば、「技術革新投資」「ブランド戦略」「サプライチェーン最適化」「顧客満足度向上策」「人材育成投資」などが枝にあたる要素です。それぞれの枝にはオーナメントとして「評価指標」をぶら下げましょう。たとえば、「特許数増加」「ESGスコア改善」「従業員満足度向上」「R&D費用の増加」「ROE・ROIC改善」などです。こうしたオーナメントが、枝(施策)が本当にテーマ実現に寄与しているかを確認するための客観的なスクリーニング基準となります。
このように、テーマ(幹)→施策(枝)→評価指標(オーナメント)→最終的な利益(☆)という流れを一目で示すことで、投資戦略の裏付けを明確化できます。図解することでチームメンバーや第三者にも理解しやすくなり、結果として、より的確な企業スクリーニングが可能になるのです。
このような図は、バリュードライバー、とか因果ループやインパクトパスウェイとか呼ばれます。ESGの分野では、個別企業を扱う際には価値創造プロセスと呼ばれることもあります。書き方が参考になるので、是非参考にしていただければ幸いです。
投資スクリーニングの方針を策定
投資戦略を実行に移す際には、アイデアを具体的な「企業選定(スクリーニング)基準」に落とし込むことが不可欠です。たとえば、施策(技術革新やサプライチェーン最適化など)や、評価指標(特許数、ESGスコア、顧客満足度、R&D投資額など)を用い、投資先企業をふるいにかけます。また、最低限の収益性や財務健全性を確保するために、ROEや自己資本比率など基本的な財務指標の下限値を設定するのも有効です。
こうしたスクリーニングは、単に「収益が大きいから」という短絡的な理由ではなく、「自分たちが立てたテーマに応えられるか」「将来にわたり成長を継続できるか」という視点で企業を選別する土台となります。たとえば、「ESG対応が進んでいるか」をチェックしたり、「特定分野で競合優位性を保つための研究開発投資を行っているか」を確認したりすることで、テーマ実現力の高い企業を浮かび上がらせることが可能です。
下記では、指標の種類ごとに参考資料をあげておきます。
《財務指標》
《ESG関係指標》
《データベース》
最終的には、こうして得られた投資先候補のリストをもとにポートフォリオを構築すれば、先見性あるテーマ設定と合理的な基準に裏打ちされた説得力ある戦略が成立します。このプロセスを丁寧に踏むことで、独自の視点が「単なる思いつき」から「戦略的選択」へと昇華し、日経ストックリーグで求められる精度の高い分析と説得力のある提案が可能になるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1733933706-gIKOi9b5R0pUqLnP7dfVjzXl.png?width=1200)
③投資先を知るために汗をかけ
徹底的にリサーチだ!!
投資先企業をより深く理解するためには、単なる数字の分析にとどまらず、「汗をかいて」情報を収集する姿勢が求められます。有価証券報告書はもちろん、企業の公式HP、IR資料、統合報告書、CSR報告書、新聞記事など、多角的な情報源に目を向けましょう。そこには、事業戦略、リスク情報、コーポレートガバナンス、さらにはサプライチェーンや顧客ポートフォリオなど、有価証券報告書だけでは把握しづらい豊富な情報が隠されています。
《データベース》
《個別企業の資料》
また、業界そのものを理解するためには本や業界誌を活用するのも効果的です。その企業が属するセクター全体のトレンド、競合環境、参入障壁、歴史的経緯などを整理すれば、その企業が業界内でどんな強みや弱みを持ち、今後どのような戦略が有効になり得るかを判断する助けになります。本を通じて業界の構造や過去の成功・失敗事例を学べば、有価証券報告書やウェブ上の資料を読む際の理解も一層深まります。
《業界地図》
さらに、新聞記事やニュースサイトを活用して、最新の動向を常にチェックしましょう。新たな法規制や市場環境変化、新商品発売やM&Aなどが報じられれば、企業にとってのリスク・チャンスを見極めやすくなります。実際、社員は自社ニュースに敏感です。もし従業員がSNSで会社の近況を共有していたり、企業公式アカウントが最新情報を発信している場合は、その反応やコメントから社内の雰囲気や顧客との対話状況が読み取れるかもしれません。
活きた情報をつかむ!!
さらに一歩踏み込んで、可能であれば社員さんにインタビューすることも考えてみましょう。対面が難しければオンラインを活用しましょう。人事や広報、IR担当者といった「外向きの顔」を持つ部署の社員さんの話を聞くチャンスが得られるかもしれません。
また、企業が出展する展示会や商談イベント、オープンハウス、地域フェアなどのブース訪問も有益です。実際にブースを訪れ、製品やサービスを手に取ってみたり、担当者から直接説明を受けたりすることで、企業がどのような顧客を想定し、どんな価値を提供しているかが肌感覚でつかめます。パンフレットや現場での会話は、資料からは読み取れない生きた情報源です。
このように、「投資先を知るために汗をかく」ことは手間がかかりますが、その分リターンも大きいと言えます。多面的な情報源を活用し、社員や製品現場にも接触することで、単なる数字や定型的な分析にとどまらない、より豊かな企業理解が可能となります。その結果、ポートフォリオに組み込む銘柄の説得力や納得感が格段に増し、日経ストックリーグで求められる独創的かつ実行可能な戦略立案への道が拓けるはずです。
![](https://assets.st-note.com/img/1734504644-mBikHKZ9AV26anPGgOswIN40.png?width=1200)
スケジュール感
作業計画イメージ
日経ストックリーグの成功に向けて、全体のスケジュールを見据えた作業計画を立てることが重要です。特に、4~6月の期間でテーマ設定とスクリーニングを終わらせることが鍵となります。7月以降は投資先の詳細な調査や技術的な分析に進むため、前半での準備が後の成果を大きく左右します。
①テーマ決定(4~5月)
この時期は、社会課題や経済トレンドを調査し、チーム内で議論を重ねながら投資テーマを設定します。テーマ設定はすべての基盤となるため、十分な時間を割いて深掘りを行いましょう。具体的には以下を目指します:
社会課題と投資テーマの関連性を明確にする。
チームで「なぜこのテーマに取り組むのか」を共通理解する。
②投資戦略とスクリーニング(5~6月)
テーマ設定が終わったら、次は投資戦略を構築し、スクリーニングを通じて投資候補を絞り込みます。この段階を7月に入る前に終わらせる必要があります。スクリーニングでは、財務指標や社会的なインパクトを基に条件を設定し、テーマに適した企業をリストアップします。
ポイント:スクリーニングの終了が遅れると、夏休み以降の作業に影響を及ぼします。
③投資先の詳細な調査(夏休み~9月)
夏休み期間中は、スクリーニングで選んだ投資先について詳細な調査を行う時期です。この期間を活用して以下を進めます:
投資先企業のビジネスモデル、財務データ、成長性の深掘り。
現地でのインタビューやフィールドワークの実施。
資料やデータの収集、整理。
夏休み中にやり残した調査は、9月以降も並行して進める形になります。ただし、9月から11月は技術的な分析やレポート作成の準備が中心となるため、この時期に新たな調査に多くの時間を割くことは難しくなります。
(④9月~11月:技術的な分析)
9月以降は、スクリーニング結果や詳細調査で得られたデータを基に、技術的な分析を行います。この時期の主な作業は以下の通りです:
ポートフォリオのパフォーマンス分析。
リスクとリターンの評価。
経済的および社会的な波及効果の整理。
注意点:この期間は技術的な作業が多いため、新たな調査に時間を割くことができません。夏休み中に可能な限り詳細な情報を収集しておき、9月以降は分析に集中できるよう計画を立てましょう。
おわりに
ここまで「日経ストックリーグ入門:テーマ設定編」として、テーマ選びから投資戦略への落とし込み、企業研究のポイントまでの流れを紹介してきました。はじめに「アウトプットから考える」ことで、目次やゴールを明確にすると、作業が進めやすくなります。
特に大切なのはテーマ設定です。ニッチすぎると調べられる企業が少なく、逆に広すぎるとまとまりがなくなります。その中間を探り、オリジナリティと分析しやすさを両立させましょう。過去の入賞レポートを分析すれば、どんなテーマや視点が評価されてきたかが分かり、自分たちの方向性を定めるヒントになります。
テーマ理解には、国内外の事例を調べたり、本や専門家の意見を活用したりすることが役立ちます。また、投資戦略を「ポンチ絵」で示し、その戦略が企業価値向上や利益拡大にどうつながるのかを図解すると、チーム内や外部の人にも分かりやすくなります。さらに、その投資戦略をもとに企業をスクリーニングすることで、説得力あるポートフォリオを組むことが可能になります。
最後に、投資先企業をよく知るためには「汗をかく行動」が重要です。公表資料だけでなく、新聞記事や本、さらには社員へのインタビュー、展示会ブースなどを訪ねることで、数字だけでは分からないリアルな情報を得られます。そうした努力は、投資判断に深みを与え、あなたのレポートをより説得力のあるものにするでしょう。
これらのステップを参考にすれば、日経ストックリーグに挑むあなたは、しっかりとした根拠をもってテーマを選び、戦略を練り、企業を選別することができます。ぜひ、このガイドをヒントに、あなただけの独自のポートフォリオを作り上げてください。