「接続」の価値

空港のラウンジが好きで、フライト前の1時間ほどをここで過ごすことが多いです。飛行機を眺めてはPCに視線を戻し、思考をする時間、私にとって貴重なひとときです。

ふと目に入る飛行機がどこから来て、どこへ向かうのか、フライトレーダーで確認しながら、それぞれの機体が結ぶ「接続」に思いを馳せています。空の旅は、乗客それぞれの事情を乗せ、世界のどこかへと続く線を描いていきます。その接続先に広がるストーリーを妄想して楽しんでいます。

考えてみると、「接続」という価値は昔と比べてずいぶん変わってきた気がします。人類はかつて徒歩でしか移動できなかった時代から、空を飛び、今ではインターネットによって思考や意志すら瞬時に繋げられる時代へと進化しました。接続がより身近で手軽になった反面、その価値観もまた変化しているのでしょうか。接続にまつわる「物理的な価値」が下がると同時に、精神的な価値が高まっているのかもしれません。そもそも価値そのものが人間の認識に左右されるものだとしたら、接続の捉え方は私たちの感性や目的に依存しているのかもしれません。

昨日、イベントの打ち上げを手伝ってくれた大学生たちにお店の予約を頼んだとき、彼らは当たり前のようにネット予約を使っていました。最寄りのお店に30分後に行く程度のことなら、電話の方が早いのではと感じましたが、彼らにとって電話予約はほぼ選択肢に入っていないようです。特に連休の中日とあって、ネット上で予約枠が埋まったり、確保できたと思った席がすぐに満席になったりと、予約に時間がかかる様子でした。

若い世代にとっては、何かに「接続」する手段そのものが簡略化され、私たちと違う価値観での接続の捉え方があるのだと実感します。私もその変化を少しずつ取り入れつつ、価値の変わる「接続」の捉え方をもう思考してみても面白そうだなと感じました。

さて、ラウンジを出て搭乗口に向かいます。


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