202411cool640lpビルドログ(pro micro type-B編)
無線化については以下に追記しています。
Cool640lpとの出会い
天下一キーボードわいわい会Vol.7にてm.kiさん展示のミニマルなキーボードたちをお見かけしました。お話をうかがっていた中で、cool640lp試作基板のご提案を頂きました。
カフェ等で作業する際の40%キーボードが欲しいな……と思っていたので、ご縁があって嬉しいです◎
お譲りいただくにあたって完成させるお約束をしたので、ゆっくり作成を進めました。以下にビルドログを記載していきます。
部品の調達
頂いたのはPCB基板、トッププレート、ボトムケースの3点です。その他に必要なパーツは下記ページを参考に調達しました。
購入場所
すべてオンラインで購入しています。
遊舎工房
殆どのパーツは遊舎工房で揃えました。primer64のコイン電池セット、BLE Micro Pro、M2ネジをまとめて買えます。
TALPKEYBOARD SHOP
BLE Micro Pro(Type-C)、Pro micro Type-Cを使う場合は3.5mmのコンスルーが必要です。購入した2024年11月時点では、遊舎工房で3.5mmコンスルーの取り扱いがありませんでした。秋葉原の千石電商にも取り扱いがあるようですが、ちょうど品切れだったのでこちらで買うことにしました。
本ビルドログはPro micro Type-Bでの手順のため、2.5mmのコンスルーを利用します。
購入したもの
スリムヘッド小ねじ M2 4mmは、高さが足りず手持ちの6mmを使いました(後述)。
BLE Micro Proが入荷待ちだったので、Pro micro Type-B,Cを購入しています。本ビルドログではType-Bで進めます。
本ビルドログと同様にPro micro Type-Bで作成する場合は3.5mmのコンスルーは不要です。
今後、BLE Micro Pro(Type-C)ならびにPro micro Type-Cでも作成するつもりだったので3.5mmコンスルーを購入しています。
併せて1.5Uのキーキャップを購入していますが、このキーキャップはロープロファイルキーキャップではありません。ChocV2スイッチはcherry mxキーキャップと互換性があるため、手持ちのcherry mxキーキャップに不足していた1.5Uを補うために購入しています。
ロープロファイルで揃えたい方はTHT (Tai-Hao Thins) ロープロファイルキーキャップセットを購入するのがおすすめです。
私と同じように手持ちのキーキャップを使いたい方で、かつpro micro Type-Bを利用するのであれば、遊舎工房で無刻印のキーキャップを揃えるとお買い物が楽&送料を抑えられると思います。
組立
ビルドガイドを参考に進めます。
自作キーボードの組立経験が浅いため、以下ログに含まれる内容はやや冗長かもしれませんがご容赦ください。
pro microの加工
ケーブルを抜き差しする箇所の補強(いわゆるモゲ対策)をします。100円ショップのエポキシ樹脂接着剤を使いました。ケーブル穴に干渉しないよう注意が必要です。
ダイオードの取付
SMDタイプのダイオードを40個はんだ付けします。ビルドガイドに動画があります。
手順
片側に予備はんだ→ダイオードを乗せる→ピンセットでダイオードを抑えながら、予備はんだを溶かす→残った片側のはんだ付け
私は先にダイオードの向きを揃えて並べておきました。利き手側に予備はんだしておくと進めやすいと思います。はんだ付けするとき、ダイオードが浮かないようにピンセットで抑えると良いです。
スイッチソケットの取付
スイッチソケットの向きに注意が必要です。
ソケットの向きを揃えてあらかじめ並べておくと楽に進められます。
ソケットの端子を温め、12時の方向から半田を溶かします。この時に、端子の隙間(スリット)から半田が染み出すのが見えるくらいが目安になります。はんだが染み込む感触があり、目でも確認できるので楽しいです。
片側を全てはんだ付けしたのちに180度回転させ、もう片側もはんだ付けすると時短になります。が、今回は確実に取り付けたく一つ一つはんだ不足・ソケットの浮きがないかを確認しながら進めています。いずれにしても、常に利き手側ではんだ付けすると進めやすいと思います。
ソケットが浮いた場合は、もう一度半田を溶かしてピンセットでソケットを押さえつけるようにして取り付けます。
リセットスイッチの取付
ダイオード、スイッチソケットをつけた側からリセットスイッチを差し込み、表面に出た部分をはんだ付けします。
スライドスイッチの取付
primer29/61のコイン電池セットに入っている3pinのスライドスイッチを取り付けます。これはBLE pro micro用のON/OFFスイッチになりますが、Pro micro Type-Bの場合、不要かどうかは確認できていません。
コンデンサの取付
こちらもprimer29/61のコイン電池セットに入っているものを使います。
手順
片側に予備はんだ→コンデンサを置く→予備はんだを溶かしながら固定→もう片側にはんだを盛って取り付け
足がないので不安になりますが、この写真の状態で動作しています。良い状態かはわからないのでご参考まで。
電池ホルダの取付
primer29/61のコイン電池セットに入っている電池ホルダを1つ取り付けます。これはBLE pro micro用の電池になりますが、Pro micro Type-Bの場合、不要かどうかは確認できていません。
ダイオード,ソケットをつけた側、基板に丸がある面から電池ケースを差し込みます。
ここまでではんだ付けの作業は終わりです!
safety firstで片付けてくださいね。
Pro micro type-Bの取付
2.5mmのコンスルーを利用します。マイコン周りのはんだ付けで失敗しがちなので、コンスルー仕様は嬉しいポイント。
コンスルーには向きがあるので取り付ける際は注意してください。詳細は遊舎工房さんのページがわかりやすいです。側面の金色距離が狭い方を上側(ProMicro側)にし、左右向きを揃えて差し込みます。
コンスルーのプラスチック部分とPro microの基板に隙間のないよう、奥までしっかり差し込みましょう。
ver1.0 修正箇所の実装
電池がある面(裏)から見て、左側2,3行目、2列目のスイッチソケットを銅線で繋ぎます。
キースイッチの取付
ビルドガイドではファームウェアを書き込んだ後ですが、動作確認したかったので先に取り付けておくことにしました。プレートなしで取り付ける場合、キースイッチを垂直に保ちながら取り付けないと足が折れてしまうので注意して取り付けてください。
キースイッチはKailh White Rain SwitchとKailh Black Cloud Switchを使っています。統一しなかったのは、装飾キーを感触の差で分ける目的と、どちらのスイッチも使ってみたかった(お試し用)の目的があります。
Pro microへファームウェアの書き込み
ビルドガイドの通りですが、QMK ToolBoxを利用して.hexファイルを書き込みます(ファームウェアの書き込み)。
手順
QMK ToolBoxをインストール→Openボタンを押下してダウンロードした.hexファイルを指定→Auto flashにチェックが入っていることを確認→リセットボタンを押下(反応がないときは素早く二度押してみてください)→書き込みが開始しログが走ります→最後に「avrdude done. Thank you.」と表示されたら完了
尚、リセットスイッチを実装する前でも、Pro microのRSTとGNDをピンセット等でショートさせることでリセットできるのでこの手順はモゲ対策後に行っても良いかもしれません。
Vialでキーマップの編集
ファームウェアの書き込みが完了したら、Vialでキーマップの変更が可能です。
キースイッチをつけていれば、test matrix にてスイッチ実装に問題がないかチェックすることができます。マトリックステスターをするには、テスト画面の右下隅にある「unlock」の手順(Q,Sの長押し)が必要です。
Vialの使い方はサリチル酸さんのブログ「自作キーボード温泉街の歩き方」のページがわかりやすいです。
プレートの組み立て
ビルドガイドでは「3Dプリントのスイッチプレート、PCBの順でM2ネジ(4mm)の順で差し込み、PCB下面からM2スペーサー3mm)で固定します。」とありますが、スイッチプレートにさすM2ねじが4mmではPCBの裏面に届かずスペーサを付けられませんでした。そのため、スイッチプレート側はM2ネジ6mmのものを利用しました。
尚、ボトムプレートはM2ネジ4mmで固定できました。私が不器用&3Dプリンタケースの下処理が甘かったのかもしれません……。
使ったネジをまとめると以下の通りです。
・M2 6mm ×4
・M2 4mm ×4
完成
Pro Micro type-Bで作る場合は部品調達の手間もかかりにくく、安価で済みます!
BLE Micro Pro編(無線化)は以下の記事を参考にしてくださいね!
以上です。
m.kiさん素敵な機会をありがとうございました!!