白い猫(夢日記)
家に帰ると玄関前の一段高くなったコンクリートの上に白い小さな塊が二つ落ちていた。目を凝らすとそれが生まれたてと思しき白い子猫なのだと分かる。子猫は二匹とも横向きに丸まってぴくりとも動かない。白い被毛はじっとりと濡れていた。
私は子猫を一匹ずつ両手のひらに乗せた。手のひらにすっぽりと収まるサイズしかない子猫は温かみが感じられなかった。
暖めなければならないと手のひらで包むようにして子猫をそっとにぎる。
両手にそれぞれ子猫を持っているので玄関が開けられず、家の裏に回った。鍵がかけられていない窓を行儀悪く足であけて中に入る。その頃には手のひらが燃えるように熱くなっていた。この体温が子猫に伝わって息を吹き返せば良い。
家の中では椅子の上に黒猫が寝そべっている。赤い首輪が黒のつやつやした被毛から一部覗いているのが見えた。
手のひらの中で子猫がもぞりと動くのを感じ、見ると子猫が息を吹き返していた。黒猫は頭を起こして私の手の中の子猫を一瞥すると、興味がないといった様子でまどろみに戻った。
母が隣室から頭を出して、良かったねと言った。
夢。