【&PiXさんのタロットカード企画に参加したどーーーー!!】の巻
お初にお目に掛かります、海野芽里衣です。
主にツイッター、時々ドットピクトにてドット絵を投稿しております、『寡黙なドッター座敷童』です。ツイッターでは作品投稿と参加企画の宣伝以外のいわゆる日常系ツイートはしないと決めているのですが、「企画の裏話は聞けるだけ聞きたい」というオタク精神は私(わたくし)自身持っていますし、企画の裏話というのは企画の宣伝にもなり得るかなと思い、初noteに書き連ねる次第でございます。
今回、Lily☻KG(@Lily_KGx110)さん(以下、Lilyさん)主催の『&PiX』ドット絵タロットカード企画に参加させていただきました。というか今まさに12月25日の午後9時から行われている『&PiXカウントダウン会』を聞いたりコメントしたりしながらこの記事を書き始めております。
参加に際しての色々をお話する前に申し上げておきますと、こちらの企画では『自分の担当カードと作品は公表して良い』という決まりになっておりまして、私は今回『このnote記事限定で担当カードと作品を公開』させていただこうと思います。
・・・・・・が、まずは参加に際しての色々語りにお付き合いくださいますと幸いです。
【参加したきっかけ】
まず、そもそも私がドッターとして本格的に活動しようと『海野芽里衣』のツイッターアカウントを作ったのが2022年の4月11日なんです。そして今回の企画用Discordにてご挨拶をさせていただいたのが同年6月27日。なんとドッター歴2ヶ月ちょっとで企画に参加してしまいました。
確か『メンバー募集あと5人』くらいのタイミングでLilyさんというか&PiXのアカウントと連絡を取ったように記憶していますが結構曖昧です。
〈参加の動機〉
ドッターとしてのツイッターアカウントを作る前から入っていた『ドット絵島』というDiscordグループ内の相当数のメンバーがすでに参加を決めていたことが、私自身の参加に向けて結構強めに背中を押してくれました。
その他個人的に大きな理由としては、『キャンバスサイズが1通りに固定されていなかったこと』がとても大きかったですね。企画って『大きいキャンバスのドットで解像度高い(px数多い)作品が跋扈している』のではないかと思い込んでいたら、参加要項に小さめキャンバスの人も参加出来るような旨が書いてあって、「じゃあ私、いけちゃう?!」と調子に乗りました。
〈タロットのこと〉
ドット歴が短めなのに参加したということはタロットカードの方に思い入れがあったのかと思われる方もいるかもしれませんが、タロットカードに関する知識もほぼゼロでした。でも多少興味はあったんです。
私がタロットカードというものに対して意識を向けるきっかけになったのが、『ほしむすび』というコンテンツです(今回の企画と直接の関係は無いということと、うっかりネタバレしてしまうのが怖いのとで詳しくお話しできないのがもどかしいのですが、気になった方は本編とスピンオフとキャラ紹介とオープニングとサウンドトラックのクロスフェードが全てYOUTUBEで公開されているので是非見てください)。その中でタロット占いを嗜んでいるキャラクターが登場している関係で、タロットカードも登場するのですが、そこであるカードが逆位置で出てきたときの視聴者のコメントの騒ぎようというか瞬間風速が凄まじかったんです。その時に、タロットのこと詳しく分かる人って結構居るんだとか、意味が分かると楽しかったりするのかな、といった、ちょっと知りたいなという感情が芽生えたのを覚えています。
でもかといって、占いを嗜んでいる訳でも無いのにカードのこと全部細かくはどのみち覚えられないし、占うわけでもないのに(一介の大学生にとっては安いとは言えない)カードや解説書を買うのもなあ、なんて思ったきりしばらくタロットのことを忘れてしまっていたのですが、そんなときにこの企画の存在を知ることになりました。
【企画メンバーに入ってから】
私がデザインメンバーとして加入してから僅か数日。
無事デザインメンバーの頭数が揃い、フォント、テンプレ、キャンバスサイズと、みるみるうちに様々なことが議論され決定していく・・・・・・。怒濤です、怒濤。結構ついていくのに精一杯みたいなところもあったのですが、何故だか置いてけぼり感はありませんでしたね。恐らく、全員ができることを1人が請け負うのではなく、できる人ができることを各々やっていたからだと思います。置いて行かれるというより、自分の出番を待つという感覚でした。といっても、私にできることは本当に『自分の作品を作る』ことただ1つなのですがね。
【制作タイム】
〈担当カード(と意味)発表〉
さて、担当カードの発表が7月3日の深夜(7月4日の超早朝)に行われて、私が見たのは昼間。
私の担当カードは・・・・・・
『カップの8』!!!
意味合いは・・・・・・
『別れ、捨て去る、退去』!!!
それを見た私の第一声・・・・・・
「ほ?!」
「は」ではありません。「ほ」でした。
というのも、私自身がタロットカードに関して知識が殆ど無かったのもあり、ちゃんと言語化すると「想像以上に具現化しづらいお題だ?!」というのが一番最初の印象でしたね。ただそれは「困った」というよりは「自由度は高くていいんだな」というワクワクな方向に考えられたので良かったと思います。
この時点では、これをどうやってカップ8つと共に表現していくのか、自分でも想像できませんでした。
〈構想〉
何はともあれデザイン期間に突入しました。
ドッターとしてではない「わたし」個人としては『言語表現』を大切にしているというか脳内で処理しやすい節がありまして、Discordで行われたタロット勉強会でタロットコーチのPeri.さんがおっしゃっていた『急に新たなステージに入る』という表現が個人的にすごいしっくりきて、そこから大まかな構想が決まりました。
ラフ(といっても途中経過がこれしか残ってない!)がこちら↓
ご覧ください、このキャンバスの大きさ!!!!
小さめキャンバスでも参加出来るからと思って参加したのに、何故か大きめサイズになっております。それもそのはず、だって描きたいものが多い!
構図としては、正位置の時に『ここを去って何処かへ行く』、逆位置の時に『進めずに戻ってくる』方向にしようというところから始まり、下から上へ移動している様子に。『やっぱこっち行こう』という気まぐれ感というか前触れの無い突然の変化を表すべく、モチーフとして『切った髪の毛』を取り入れようと発想。『髪散々こだわって伸ばしていたけどやっぱやーめた』みたいなイメージです。
この髪の毛が本当に苦労というか、これ髪の毛っぽいか? で永遠悩んでいました。1つのオブジェに対してここまでグラデ色を使うのも実はこれがほぼ初めてだったのですが、それに関しては単純に『色多いと楽しい』という感じで、色数に関しては苦になりませんでした。
しかしそれ以上に困ったのが『カップ8つ』。
これのおかげでキャンバスが大きくなったと言っても過言ではありません。このラフを描いた段階では確か『カップのデザインをカップアルカナ内で統一するか』が確定しておらず、単純にアタリだけ描いたつもりだったのですが、最終的な形もこれになりました。この時点ではカップの中身も決めていません。配置に関しては進んでいる道に寄り添っている位置にしたくてこんな感じに。
因みに中央あたりの靴がパンプスなのは単純に前後や向いている方向がわかりやすいかな、という考えと、この構想を思い付いたときに脳内SEがコツコツ鳴ってたのでコツコツ鳴りそうな靴にしたいと思ったからです。
その他のミニテーマ3つ『別れ、捨て去る、退去』に関しては完成品のところで詳しくお話させていただこうかと思います。
〈資料について〉
ここらで資料の話をしておきたいと思うのですが。
実は私、今回は資料、使っておりません!!!!!
というのも、私が資料を見る時って、描きたいものの構造がわからないときなんです。でも今回は描きたいものの構造って脳内にしかなかったので、脳内の資料を参考にしていました。
個人的には今後Blenderとかをアタリとして利用した作品作りもしてみたいと思っていますが、今は他にもやりたいことが山積みなので挑戦するのは当分後のことになりそうです。
〈パレットの話〉
完成品に使用したというか作品完成時に完成したパレットがこちら↓
65色。私にしては随分多い方です。
個人的には渋い色というか和風の色が好きでよく使っているつもりなのですが、今回は敢えてビビッドカラーをはじめとする明るい色を取り入れたりしています。ドッターさんによっては色数縛りをしていたり、普段から使い込んでいるカラーパレットがあったりする方も多くいらっしゃるのですが、私は自分の絵柄などが確立できていない新米ドッター。ドット絵における自分らしさは企画が終わった今でも模索中で、パレットに関してはもうデフォルトのパレットをまっさらに削除してから全部自分で色を調合しています。
〈完成品 ~カードの意味と自分~〉
というわけで、完成品でございます。
画面中央の透明人間に関しては、最初はラフ時のようにパンプスだけの予定だったのですが、人間がいた方が手前に散っているのが髪の毛であることが直感的に伝わるかなと思い、急遽人の形を成してもらうことに。
じゃあ透明人間じゃなくて普通に人間描けやいと思われるかもしれませんが、それには私がドット絵で人間を描くことにとても不慣れであるという点を差し置いてもきちんとした理由がありまして、それが構想時にお話しなかったミニテーマ3つと関わってきます。
ミニテーマ3つ『別れ、捨て去る、退去』は、カップの8が正位置で出てきたときの主な意味合い。ドット絵にするときにどう具現化するのかというのが個人的な課題でした。
ここで自分語りになってしまい恐縮なのですが、私の『海野芽里衣』という名前、本名ではありません。でも考えたときに、『ニックネームというよりは本名かもと思われそうな感じの名前にしたい』というのを主軸の1つにしていました。というのも、『本名の自分』と『海野芽里衣』とでは別の存在でありたいという思いがあったからです。本名の自分がニックネームで呼ばれているというより、別の存在がその名前を本名として生きている感じにしたかった。
前置きが長くなりましたね。つまり、そもそも私が『ドット絵が好きな人間』ではなく、『寡黙なドッター座敷童』なんてものを名乗り始めたのは、『自分との決別をしたかったから』に他なりません。
・・・・・・というとなんだか重苦しい過去があったのかと心配されそうなので補足しておくと、ありません。本名としての自分も有り難いことに幸せで平凡で楽しい生活を送らせていただいております。
しかし、人間である以上は考えなければいけないことって日に日に増えていくばかり。そしてそれが面倒だなと思ってしまうことも多々。それを台詞として抽出するなら、『こんな自分のことは1度忘れたい』といったところでしょうか。
そんなわけで爆誕したのが私(わたくし)、『海野芽里衣』なのです。
・・・・・・はい!!
『別れ』!
『捨て去る』!
『退去』!
これ全部私を中心に考えれば解決する!!!
というわけで、奇しくも製作段階に入ってからこのカードが自分にぴったりだったことを自覚することになったのでした。確かヒント掘り出し会でLilyさんから私をカップの8に選抜してくださった理由として『アンニュイさのバランスを上手く描かれる気がして』みたいな旨のお話をいただいていたと思うのですが、できていますでしょうか・・・・・・実はまだちょっと不安だったりします。
というわけで、『自分との決別』を個人的なテーマに据えることにしたのは良いものの、ではなぜ中心の人間は本名の自分でもなければ海野芽里衣としての座敷童でもなく『透明人間』にしたのかという部分にも少し触れておきたいと思います。といってもシンプルです。これは『私に限定する必要が無かったから』です。このカードを見た、引き当てた方がこの人(もしかしたら人ですらないかもしれませんね)を一体誰だと思うのか。見た人自身か、その人の身近な誰かか、それとももっと別の存在なのか。それは様々であるべきじゃないかと思い、敢えて私が決めた姿に限定しない形にしたくて、透明人間になってもらいました。
〈その他作品語り・・・・・・〉
さあ話は移りまして今度は背景というか舞台の話をしようと思うのですが、ここって一体どこなんでしょうね。私にもよく分かりません。が、むしろそんな感じの方が良いかなと思い、舞台のはっきりとした設定は決めずに描きました。
どのタイミングだったかは忘れてしまいましたが、主催のLilyさんやタロットコーチのPeri.さんが、我々ドッター側が作品を作るにあたって『読み手(占い手)が自分たちの作品からカードとしての意味を読み取れるかどうか』を意識していたことに対して、少し驚きというか、こだわり方に対しての意外性みたいなものを感じていたような様子が見受けられた時があったんです。私としては『テーマに沿っているか、作品を見てテーマとなるワードが連想できるか』というのはこの企画に限らず無意識に意識しているというか、普段から重視している部分だったので、逆にお二人の反応をを見て『そこ驚くんだ』という意外性があったのを覚えています。
その後勉強会などでお話を聞いていくにつれ、どうやらカードに大まかな意味は決められているけれど、細かな解釈はその時々の占い手に委ねられているらしい、ということがやっと『理解できる』と言えるレベルまでわかるようになりました。
それまでは『こういう風に汲み取ってもらえなければいけない』というちょっと使命感じみたものがあったのですが、『こちら(デザイナー側)で全てを決めきらなくて良いんだ』と思えるようになり、その結果として『見た人の感性に委ねられるデザイン』という選択肢を作ることができました。
その考えが背景以上に現れているのはカップですね。1つ前の項でカップの8が正位置で出たときの主な意味合いの話をさせていただきましたが、勉強会での解説では『新たな道』『とりあえず行ってみる』といった前向きな単語も登場していて、カードも暗さ一辺倒で完結させてはいけないなとは思っていたので、色合い面でも私があまり使うことのないビビッドカラーを使ってみたり、光源がどこにあるかも分からないのにカップをやけにキラキラさせてみたりと、カップに関しては明るさ要素として活用しました。結果的に中央の透明人間さんが進んでいく先も決して暗いだけではないと思える明暗バランスになったのではないかと思います。
【まとめ?】
一方的に語り散らかしてしまいましたが、ここまでお付き合いいただき有り難うございました。
そして今回の企画主催のLilyさんをはじめ、関わってくださった方々、筆舌に尽くしがたい感謝を、今ここでも改めて、本当に有り難うございました。なんと&PiXの企画は既に第2弾の様子が見えつつあるうえにLilyさんには第3弾の構想もあるということで、本当に楽しみしか残されていないのが嬉しくて仕方ありません。そしてそんな企画の第1弾に参加出来たこと、誇りに思っております。
第2弾、3弾の企画にも御縁がありました暁には、そのときも参加しての裏話なり感想なりをこうして書き記そうと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
海野芽里衣