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『完全無――超越タナトフォビア』第十二章

チビたちがたいそう退屈しているご様子なので、
このあたりで、未来についてのちょっとした(残念ではあるけれども、
それゆえに希望に満ちた)のほほんと軽く、とことん重いポエムを朗読してみよう。

  未来はすでに決まってる
  未来はすでに始まっている
  未来はもはや起こらない 
  未来それってあるわけないよ
  どんな未来があなたはお好き?

くぐもりつつも、あかるさをさがそうともがいていた、わたくしの声はどうだったかな、チビたち。

未来という概念を使うと、それが有限なのか無限なのか、という区別に惑わされることになるというオチは、かなり正しい。
成り行きとして正統派だ。

折り目正しい生き方をしてきた存在者たちにとっては定番の展開だろう。

未来というものに、なにか遠さという距離をイージーに当てはめてしまう。

だがしかし、区別という二極化は、未来そのものにとっては、不本意な懐妊だ。

一方、未来というそもそも「ない」ものが決まったり、生起したりするわけがないということ、これも正しい。

折り目正しくない生き方をしてこなかった存在者たちにとっては定番の展開かもしれない。

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