『完全無――超越タナトフォビア』第百十章
神は妄想である、と書いた正統ダーウィニスト的有名人、いや英国の進化生物学者がいたが、世界に対する科学的解明による手続きの、その翳で甘やかに育まれた科学的現象の定義、という信条も同じく完全なる客観的正義ではない。
ロゴスとはおよそ世界の解読ではなくて、誤読である。
神「学」、宗教「学」、生物「学」だけに限らず、神を扱うあらゆる「学」は、ヒトの「学」であって、どこまでもヒト独り独りが垣間見る妄想である。
なぜなら、そこらに転がる石からすれば、ヒトの「学」など虚妄、いや虚妄以