『完全無――超越タナトフォビア』第六十六章
聴いてくれるかな、チビたち。
チビたちが犬であろうと、ぬいぐるみであろうと、人間であろうと、チビたちという存在者の存在そのものが織り成す世界線・世界面・世界体積は、完全に無であるがゆえに、完全に有であり、その価値量は、人間たちの産み落とした哲学、そして科学や科学哲学の産声よりも豊穣に、いや完璧な充足感によって超越しているのだろう、とわたくしは思う。
その思いに対する反論は、チビたち、ここでは受け付けないよ。
ともかく、そのような超越感触を、チビたちと共時的かつ通時的に過