『完全無――超越タナトフォビア』第七十二章
たとえば、宇宙に遍満する無数の粒や波、それらに最低限の大きさや振幅があろうとなかろうと、何かしらの働きを成す現象としての粒や波は、生命としての存在者が死して無数の散開存在者となり、分裂的に漂う「可能性の風」として新たに生成するために、穏やかな顔で宇宙に待機している間、闇に潜める不可能性から自由に振舞うべき寵児として、つまり、生成し生成されるものとしての主体的存在者として生まれ変わるために、宇宙の中でエネルギーを得るために、宇宙の摂理と何らかの交感に酔い痴れている最中なのかもし