『完全無――超越タナトフォビア』第二十四章
唯有論(ゆいうろん)の「有」や、唯在論(ゆいざいろん)の「在」、そして、たとえばここで新たなる造語といたしまして、唯全論(ゆいぜんろん)なるものを考案したとしましょうか。
その唯全論(ゆいぜんろん)の「全」という文字にも対義語が存在するじゃないか、そんなことより、根本的に「ある」という文字に対義語があるんじゃないか、とおっしゃる読者さんがいらっしゃるかもしれませんが、きつねさんのおっしゃるところの「ある」とは、対義語のない「ある」なんだそうです。
言葉であらわそうとすると