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『きつねくんにっき』

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詩を書くきつねくんを中心にチビ、ウィッシュ、しろの三匹の犬が繰り広げる適当日記体小説。新しい哲学、救いの思想についても触れるかもしれない問題作。
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1章

 【小説メモ】
 基本は、チビたちにきつねくんが哲学的質問をしてチビたちが答える、というコーナーがいいとおもう。
 もしくはチビたちの日常のなんてことない、そのなんてことなさだけを切り取る。その鋏を持つのはきつねくんなのだが、主人公はあくまでもチビたち。
 もしくはチビたちを語るきつねくんが主人公。つまり、どちらが主人公なのかよくわからない前代未聞さをアピールするとか。
 

鬱の方々や、普通の小

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2章

 わたくしの名前は、「きつねくん」と申します。

 読者のみなさま、よろしくお願い致します。今日、この日、○月○日、○曜日、○時○分、きつねくんワールドが始まります。小さい頃はじめて日記を買ったとき、どうやって始めたらいいのかわからなくて、おばあちゃんにたずねたら、今日から日記を書きますって書いたらええやんとアドバイスをくれたことを思い出します。

 さて、きつねくんワールドの始まりはビッグバンの

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3章

 さて、読者のみなさま。「チビ」、「ウィッシュ」、「しろ」、という三つの言葉から何を連想しますか? 犬の名前のようですって? まあ、そうでしょうね。マントラでもヴェーダでも神の存在証明でも連立された偏微分方程式でもありませんし。
よく分からない単語は検索してみてくださいね。わたくしは幼い頃、広辞苑がともだちでした。
 さあ一体、彼らは何者なのか。
 その前にわたくしは何者なのか。
 後日、語ること

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4章

 きつねくん、つまりわたくしは、「詩狐(しぎつね)」です。詩を書く狐です。まあ別に、詩人でもいいんですが、きつねくん、という名前だけに「詩狐」と呼ばれるのがもっとも心が落ち着きます。  
 ちょいと熟語を使わせてもらいますと、安寧という気分です。

 おっと、難しい熟語を使うとこどもたちが嫌がりますね。こどもたちにもこの小説は読んでもらいたいものですから、なるべく難しい言葉は使いたくなかったのです

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5章

 今日は「詩狐」として必須の修業として、レッグマジックと腹筋運動を念入りにやろうと思ってましたが、チビたちを登場させる約束を果たさねばならないことを思い出しましたので、いろいろ書いていきます。
 と思いきや、チビたち三匹はもうここにいました。

 あはは。
 「ここ」とはどこなのか、といいますと現実です。
 今この現実にチビたちはやってきているのです。チビたちが登場する場面はすべて現実という場所で

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6章

 小説の目的について語るのを忘れてました。
 著者であるわたくしが小説の目的について読者に直接説明するというこのやり方に怒り心頭の方もいらっしゃるかもしれませんが、これは実験小説という一面も持っていますのでお許しを。
 普通、語り手がそんなことを言ったら本を投げ出したくなりますよね。特に紙の本で読んでる読者なら投げつけるのは鼻くそをほじるよりも楽でしょう。
 でもそんなことをしたら、この小説から、

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7章

 なんだか風邪の調子が思わしくありません。なにやら支離滅裂になりそうですが、それもまた、味があっていいのかなあ、とも思います。
 日本の文豪の一人、太宰治の書いた、「二十世紀騎手」や「HUMAN LOST」なる奇怪な作品が世に出回っているくらいですから、何を書いても許されるでしょう(確かにわたくしのような詩狐風情がタメを張る、なんてのは失笑モノだと自覚したうえでの発言ですが)。

 きつねくん(つ

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8章

 おねえさん的存在でがんばり屋のチビ。末っ子的おこちゃまキャラのしろ。
真ん中で柔軟に構えたウィッシュボーン。三匹を線でつなぐと、それはそれは見事な三角形と言わねばなりません。       
 紀州犬のチビとしろ、アメリカ生まれのウィッシュボーン。略してウィッシュはジャック・ラッセル・テリアで、元俳優。なんと小さいころから人気者なのであります。もちろん過去も現在も未来においても、です(もちろん、現

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9章

チビたちをどう登場させていいものやら、小説をまともに書いたことのないわたくしには、何だか・なかなか・難関ですね。
 わたくしは一応、詩を書く生き物ですから、町や田舎を出歩いたときポエジーが訪れることがあります。神様だかなんだか(まあ神様がいるとは個人的には思ってません。地球外には暇つぶしで地球の生物たちが何か悪さしてないか観察してる高度な知的生命体がいるかもしれない、とは思ってますがね。うっしっし

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10章

 「チビ~!」とチビ。
 「ウィッシュボーンです!」とウィッシュ。
 「しぃろぉ!」としろ。
 
 みなさまごきげんよう。詩狐こときつねくんです。
 チビたちはなにやら元気はつらつオロナミンC(ふるっ!)といった感じで自己紹介しているみたいです。しかし急にどうしたのでしょうか。なぜ名乗りをあげているのでしょうか。みんな周知の間柄のはずではありませんか。
 
 チビ「チビ~!」
 ウィッシュ「ウィッ

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11章

 チビ「いちご大福~」
 ウィッシュ「かしわ餅です!」
 しろ「キャラメルコーン……」
 
 チビたちが花瓶に入った大輪の花(名前はわかりません)を囲んで、順繰りにセリフを言いながら、花びらを一枚ずつちぎっています。
 これは、いわゆる「花占い」というか「花びら占い」ですね。普通は、「好き」「嫌い」とひとりでちぎっていくんですが、チビたちはどうやら(セリフの単語名から察するに)お昼のおやつタイムに

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12章

 生活していると、人智の及ばない、まあ狐智(こち)でも犬智(けんち)でもなんでもいいのですが、なんとも不可思議な状況に陥ることがあるものです。
 この前の章の、チビたち「永遠に花びらが散らない花」と出会うの巻、における結末をチビにたずねたところ、おやつを食べるのをやめにして、花びらの掃除をしよう、ということになったそうです。
 ウィッシュボーンはチビとしろにヨハネの黙示録のように告げたそうです。

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