唇を自由にする7つのヒント

アンブシュアを作る
大切な筋肉のひとつに、

唇の筋肉である
口輪筋(こうりんきん)が
挙げられます。

木管楽器奏者の口輪筋は、
マウスピースを包み込んだり
リードの振動を受け止めるために
大活躍します。

金管楽器奏者の口輪筋は、
口輪筋そのものが振動して
楽器の音を作り出します。

さて、
その口輪筋ですが、
とても特徴的な筋肉なのです。

一体、どのような特徴を
持っているのでしょうか。

それは、
口輪筋は骨にくっついておらず
顔の皮膚に埋まっている、
という特徴です。

このような特徴を持っている筋肉を
皮筋(ひきん)といいます。

皮筋は骨にくっついていないので、
腕や足の筋肉のように、
働くためのしっかりとした足場を
持っていないのです。

それにも関わらず、
先ほどの例でお示ししたように、
木管楽器や金管楽器の演奏には、
口輪筋はとても大切な働きを
してくれています。

それでは、
口輪筋はどうやって
働いているのでしょうか。

それは、
顔全体に広がる筋肉が
お互いに物理的につながって
口輪筋の働きを支えるという、

素晴らしい連携プレーによって
口輪筋は働いているのです。

この物理的なつながりを、
Fascia(ファッシァ)という線維が
つなげています。

このFasciaは、
お互いに力を受け渡し合う
という特徴を持っています。

つまり、
顔全体に広がる筋肉が
Fasciaでつながり、
力を受け渡し合うことによって、
口輪筋の働きを助けるという
力のネットワークがあるのです。

では、
口輪筋を中心とした
力のネットワークは、
どこまで受け渡し合うのでしょうか。

そのネットワークの驚きの広さを
追いかけてみましょう。


イラスト:岩崎 ひろき

7つのヒントと練習方法

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