口輪筋

アンブシュアをつくる唇の綱引き

管楽器のアンブシュアに大切な
唇の動きについて学びましょう。


唇=筋肉

唇は口輪筋(こうりんきん)という
筋肉でできています。

唇は筋肉でできているので、
厚ぼったくて軟らかいのですね。

また、唇は
とても皮膚が薄いところなので、
筋肉の動きや血液の赤い色が
はっきりとわかります。


唇=4つの筋肉

その口輪筋の特徴は
「4つの筋肉がひとつの輪を作っている」
ということです。

口輪筋は
 ・上の唇 は みぎ側とひだり側
 ・下の唇 は みぎ側とひだり側
と左右に分かれていることから、
合わせて4つの筋肉なのです。


口輪筋のはたらき

さて、
本来の口輪筋の仕事は、
ご飯や飲み物を
安全にゴクンと飲み込む
手助けをすることです。

一方、管楽器奏者は
どのように使っているのでしょうか。

金管楽器では
唇の振動が楽器の音の源となりますし、
木管楽器では
マウスピースを包み込む力と、
リードの振動をコントロールするために
使います。


口輪筋が働くと塊になる

では、
口輪筋が働くと、
一体どうなるのでしょうか。

口輪筋は筋肉です。
筋肉が働くと、
「長さは短く、硬さは硬く」
なります。

このことから、
口輪筋が働くと
「口が小さくすぼまる」
ということになります。
細いストローで飲み物を吸う形ですね。

つまり、
口輪筋全体でみると、
「口の真ん中で塊になる」
ということです。


塊では演奏できない

ところが、
口輪筋が塊になってしまっては
管楽器を演奏できませんよね。

ですので、
管楽器を演奏するためには、
「塊の形と硬さを整える」
という事をしなくてはなりません。

では、
「塊の形と硬さを整える」には
一体どうすればよいのでしょうか。

それは、
真ん中に集まって
塊になろうとする唇を、
「外側にちょうど良く引っ張り出す」
ということが必要です。


口輪筋を外側に引っ張り出す

その外側に引っ張り出す「方向」が
人間の顔では決まっています。

その方向とは
 ・鼻の方向
 ・目の方向
 ・目尻の方向
 ・耳の方向
 ・アゴのエラの方向
 ・顎の先の方向
です。

「真ん中」に集まって
塊になろうとする口輪筋と、

「外側の方向」に
口輪筋を引っ張り出す
たくさんの筋肉の力を調節して

ちょうど良い綱引きをする

ということが、
管楽器を演奏するのに
大切な事なのです。


ちょうど良い綱引きを練習する

では、
ちょうど良い綱引きは
どのように練習すれば
良いのでしょうか。

そのためには、
唇を動かす筋肉がどこにあるのか
ということを知ることが
とても大切です。

今回は
詳しい場所はお伝えすることはできませんが、
 ・鼻(の方向)
 ・目(の方向)
 ・目尻(の方向)
 ・耳(の方向)
 ・アゴのエラ(の方向)
 ・顎の先(の方向)
それぞれの場所を指で触れて、
その方向に唇を動かすようにして
練習をしましょう。

具体的な練習方法は?

それらの全ての方向に
まんべんなく動かす練習が
いわゆる百面相です。

お風呂の中ででも、
鏡に向かって色々な表情を作って
唇を動かしましょう。

そうすることで
アンブシュアをつくる唇の動きが
思い通りとなり、
アンブシュアが安定します。

別の記事において、
それぞれの方向の練習方法を
さらに具体的に解説してまいりますね。


まとめ

アンブシュアをつくるためには、
唇=口輪筋のトレーニングだけではなく、
顔全体のトレーニングが必要です。

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Merge Labo 山本 篤
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