息子が石に目覚めてしまった。
この街のオールドダウンタウンには
自然史博物館があって
カウンティの住人は
いつでも何度でも
無料で入ることができる。
そう魔女のお母さんに教えてもらって
息子と初めてそこに行ったのは
1ヶ月ほど前。
最初に行った時はもうすぐ閉館という
タイミングで
私と息子はサラ〜っと小さな館内を
見回った後
受付のお姉さんに
お礼を言って出ようとした。
このお姉さんもまた
不思議感満載の魔女タイプの人で
「あ、ちょっと待って」
と息子を引き留めると
小さな青い箱を差し出した。
中に入ってたのは
箱いっぱいの天然石。
「この中から一つ
好きなのを持って帰っていいわよ」
・・それ以来
息子はこの博物館と天然石の
虜になってしまった。
元々石は大好きで
道端の大きな石を拾ってきては
ペイントするのが趣味だったけど
これがきっかけで
息子は天然石のことも大好きになってしまい
2日後にはまたあの博物館に行くと言い出した。
”無料なのに石だけもらいに行くなんて
申し訳ないなあ〜” と思いながら連れて行くと
この日は魔女のお姉さんは休憩中で
受付にはおばさんがいた。
息子は前回のようにサラ〜っと
形だけ館内を回り
10分後「クリスタルをください」と
受付のおばさんに言いに行った。
するとおばさんは
「クリスタル?
ああ、これはね、Scavenger Huntの賞品なのよ。
このバインダーに骸骨とか蝶々とか
いろんなチェックポイントの写真があるから
それを見つけて
写真にチェックマークを入れてみて。
終わったら持ってきてごらん」
と微笑んだ。
前回は閉館間際だったから
お姉さんはタダで石をくれたんだろうな。
石は勝ち取らないといけないとわかった息子は
以来、週2〜3回のペースでここにお邪魔し
毎回、同じScavenger Huntをやり
さも「頑張りました」と言った顔で
バインダーを差し出す。
そして、嬉しそうに石を選ぶのだ。
そうやって集めた石たちが
うちにはゴロゴロしている。
ハッピークリスタル
ハッピーレインボー
ハッピータイガー
全部「ハッピー」から始まる名前をつけられた
息子の石たち。
私が持っている石の名前も
勝手に覚えてしまったようで
「桃サンはどこ?」
と聞かれた時は
爆笑してしまった。
「桃ちゃんね、ちょっと待ってて」と言って
大きなローズクオーツのポインターを
手渡してあげると
嬉しそうに桃ちゃんを
自分の枕の下に入れ
ついでに私の枕の下に入れるクリスタルも
選んでくれるようになった。
それが息子の就寝準備。
息子が生まれる前
パパちゃんが初めて私の家に来た時
枕の下に石がゴロゴロしているのをみて
彼は驚き笑ってたけど
アナタの息子
今、同じことしてますからw
この時期に入って
息子は石を集め
私は立体幾何学
息子も私も
波動調整装置に反応している。
血なのか、
同じ辛(=石)の日生まれ共通のエネルギーなのか
それとも、同じ母船のクルーだからなのか
それは分からないけれども
面白いなあと思いながら
石を集める我が子を眺めている。